大橋 悦夫 
数年前。ブログで本を紹介したところ、その著者のＷさんから連絡があり、ランチをご一緒した。
その後、その本の出版記念パーティーが開催されるとのことで、招待を受けた。
当日になってＷさんから「一言スピーチをお願いできませんか？」というメールが届き、「まぁ、一言くらいならいいか」と思って軽く引き受けた。
会場に着くと、結婚式かと見まごうばかりの豪華な装飾と、タキシードやドレスに身を包んだお歴々が目に入る。
受付で渡されたパンフレットには、自分を含めたスピーチをする面々の名前が並んでいたが、どの名前にもなじみがあり、テレビやラジオにひんぱんに出演し、たくさんの著書を持ち、おそらく豪邸に住んでいるであろうセレブリティで固められていた。
自分を除いては。
話そうと思ってあらかじめ用意しておいた内容はあまりにも場違いだと感じて、その場で思いつくままに話した。もはや何を話したのかは覚えていないが、その後の立食パーティーでは次々と話しかけられ、みな好意的で感じの良い人ばかりだった。
そこで知り合った方からお仕事をいただいたり、さらに人を紹介してもらえたり、といった波及効果がしばらく続いた。
inspired by:
キーマンの近くにいれば、あなたはただの「○○さん」ではありません。「キーマンの紹介する○○さん」になります。キーマンが後押ししてくれる分、物事を早く進めることができるでしょう。紹介された人もまた、真剣に話を聞いてくれます。（p.197）
