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考えても分からないことでも、書き続ければ少しずつ分かってくる

キャリアを考える切り口には、職種や業種に加えて、仕事のどのようなプロセスが好きで合っているのかも同時に考えてみましょう。

もし、「営業が好き」ならば、営業などのような状態やプロセスが好きなのかを考えるのです。「たくさんの人に会える」のが好きなのか、「1人の人と長くじっくりと付き合える」のが好きなのか、「相手にイエスといわせる」のが好きなのか、「相手の笑顔を見る」のが好きなのか、「お客さんと会社との間を調整していくこと」が好きなのか、「相手との距離が縮まっていくことで」が好きなのか……。

プロセス軸で考えると「営業」の中にもこれだけ違ったものが存在することに気づきます。



個人的には人と会って話すのが苦手なので、新卒で就職活動を始めた当初は、人と話さなくてもすむような仕事を志向していた。むろん、そんな仕事はありえないのだが、少なくとも一日中コンピュータに向かっているのは苦ではなかったので、そういう仕事があったら素敵だな、とは思っていた。

活動を進めるなかで、多くの社会人と接しているうちに、自分にとって関心の強いテーマであれば、人と話をするのは面白い、あるいは、考え方や嗜好の似ている相手であれば、いくらでも話が続けられる、という当たり前の事実に気づき始める。

問題はどうすれば、考え方や嗜好の合った人のいる会社を見つけられるか、ということだった。会社のパンフレットを見ても、「こういう考え方で、こういう嗜好の社員がたくさんいます」という情報は書かれていない。

当時はブログもTwitterもFacebookもなかった。会社の中にいる人たちがどういう考え方と嗜好を持っているのかを知る術はなかった。OB訪問や面接や面談といった限られた機会の中で推し量るしかなかった。

今なら、まだごく一部ではあるものの、会社の中の人が社名を開示したうえでブログやTwitterやFacebookのアカウントを公開しているので、いくらでもアプローチができうる。

逆に、ブログやTwitterやFacebookを通じて、ふだんから自分が何をやっていて、何が好きなのかを書き残しておけば、考え方や嗜好の合った人から声がかかるかもしれない。声がかからなかったとしても、こちらからアプローチした時に、それらを見てもらえば改めて多くを説明しなくても済む。

そういったやり取りが発生しなくても、書き続けていれば、自分のことがもっとよくわかるようになる。何であれ書くのは手間のかかることなので、わざわざ書くに値するものであれば、それは自分にとって大切な何かである可能性が高い。

何が好きかが分からなくても、書き続けられる何かを追いかけていくと、その道中でヒントが見つかる。それを拾ってまた書き続けていると、さらにヒントが見つかる。最終的な答えに肉薄できているという予感が、さらに書き続ける意欲をかきたてる。

書き続けていれば「誰か」の目にとまり、以下のようなことも現実に起こる。

» 転職した経緯とか、思いとか。

一方、何も書かないでいると、直近の記憶と過去の印象的な記憶のみで闘わなければならなくなる。これといって何が好きなのかもよくわからず、「特に変わったところはない、ごくごくフツーの人間です」としか言えなくなってしまって、落ち込む。