人生というのは、レーダーもGPSも搭載していない船で大海原を渡るようなものだ。
海の上では船の航跡は瞬く間に波にかき消されてしまう。
その消えてしまう自分の航跡を残す作業が、日記を書くということなのだ。
目的地までの航路がわからず悩んでいる人は、日記を書くことによって自分の現在位置がわかり、進むべき方向が見えてくるだろう。
自分は何事も成していないと無力感にさいなまれている人も、日記をつける過去の航跡を振り返れば、自分の進んできた道のりの長さに自信を取り戻すことができるだろう。
夢や目標を掲げて生きる人は、日記をつけることによって、ムダを省き早く目的地に到達できるだろう。そして何よりも、航海日誌をつけることによって、一度しかない人生という航路のなかで出会った輝きを、最後まで失わずにすむのである。人生を迷路のように考えている人がいるが、それはとても「もったいない」ことだと思う。
人生は輝ける大海原を渡る大航海なのだ。
著者は30年も日記を続けているという。キャリアではとうていかなわないものの、自分でも17年ほどパソコンで日記をつけている。キーワード検索ができるため、ちょっとした手がかりさえあれば目的の記述を引き出すことができて便利である。
なお、「日記」と「日誌」は、出来事の記録か個人的な記録かで使い分けている。