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骨付き肉より肉襦袢

今日は事務所のある東京を離れて大阪に来ているのですが、いつもとほとんど同じ環境で仕事ができています。違いはPCがデスクトップではなくノートである、ということくらい。

普段から、仕事が特定の環境にべったり依存することがないように、必要なデータをいつでも切り離せるようにしています。

最近のWebサイトは、デザイン(皮膚)とテンプレート(骨格)とコンテンツ(肉)を分けましょう、がトレンドですが、これと同じように、仕事についても、同じように切り分けているわけです。

PCは、

 1.ハードディスク
 2.メモリ、CD-ROMドライブなど
 3.キーボード
 4.マウス
 5.ディスプレイ
 6.周辺機器など

で構成され、そのうち2?6は仕事にとっては「骨格」にあたります。あまり変化しないものですし、入れ替え(買い換え・載せ替え)も簡単です。

一方、1のハードディスク(HDD)に記録されるデータは「肉」で、これが仕事にとってのまさに「肉」あるいは「キモ」なわけですが、「骨格」と違って、入れ替えは面倒なことが多いです。

PC本体内蔵のHDDは、言ってみれば「骨付き肉」なので、なかなか削ぎ落とせないですし、もし骨が折れれば肉もダメージを受けます。HDDが正常だったとしても他の原因でPCが起動しなくなったらアウトです。

そういうわけで、僕は外付けポータブルHDD(80GB)を使っています。普段はこのHDDをデスクトップPCに接続して、直接このHDDを読み書きして仕事をしています。そして、外出するときは、このHDDを取り外して持ち出し、出先でノートPCに接続して使います。

新しい骨格のもとで普段通りの肉体が再現されるわけです。

通常、2台以上のPCを使う場合は、ファイルの同期という避けて通れない課題をクリアする必要があります。一方で作ったり更新したり削除したファイルを、他方にも反映する、というものです。

よくあるのが、

 1.必要なファイルだけをUSBメモリなどの“セカンドバッグ”に入れて本体から持ち出し、
 2.外出先でそれらのファイルを修正し、
 3.帰ってきてから2のファイルを本体に書き戻す

という手続きです。でも忙しくなってくると、

 4.いちいち1や3をやるのが面倒になってくる
 5.3をやるのが面倒で放置 → “セカンドバッグ”がいつしか肥大化する
 6.3をやらないままに本体のファイルもいじってしまう
 7.どっちが最新のファイルがわからなくなる

という一連フローに忠実に従って、一直線にカオス行きです。(^^;)

そうなると、ファイルの間違い探しという新しいジョブに時間を取られます。そうじゃなくても本質的には仕事にあまり関係のないファイル処理に時間を取られているわけですから、なんだか全体的に楽しくないですよね。

そこで、直接読み書きしちゃおう、ということで始めたのが「外付けポータブルHDD直接読み書き方式」だったわけです。

かれこれ3年以上この方式で仕事をしていますが、ほとんどトラブルはありません。いちおう対策として以下は実行しています。

 1.4時間置きバックアップ(外付けHDD → ローカルHDD1)
 2.日次バックアップ(外付けHDD → ローカルHDD2)
 3.週次バックアップ(外付けHDD → ローカルHDD3)
 4.月次バックアップ(外付けHDD → ローカルHDD4)
 5.年次HDDリプレース

1?4はWindowsの「タスク」を使ってバックアップソフトを定期的に自動起動させて行っています(使っているソフトは、DiskMirroringTool)。

5はリスク管理で、HDDもいつかは壊れるため、現役HDDがまだ元気に動いているうちにもう1台HDDを購入しておき、日次バックアップ先として稼働させておきます。いざ現役HDDが壊れたらすみやかにこちらにリプレースします。今のところ、この3年間で2台目のHDDを使っていますが、幸いクラッシュのような惨事には遭っていませんが、そろそろもう1台購入しようと思っています。ちなみに初代HDDもバックアップHDDとして現役で活躍中です。

PCで一番壊れやすいのは何と言ってもハードディスクですから、これを寿命の長い他の機器(メモリやキーボード、マウスなど)と一緒に買い換えるのは何だかもったいないです。人間の身体も最後は肉朽ちて骨だけが残りますよね。

であれば、PCは入れ物(骨格)に徹して、肉だけ入れ替えるほうが常に新鮮な肉体でいられるんじゃないか、と考えたわけです。

さて、ここでちょっとシビれる一言をご紹介します(前置き長っ!)。

Because buying new running shoes is more fun than actually running
新しいシューズを買うのはワクワクするけど、実際に走るのはさほど楽しくないかも

もうこのタイトルだけで全てを物語っていますね。

My concern is that there’s a big difference between buying new running shoes and actually hitting the road every morning. Big difference. One is really fun and relaxing while the other requires a lot of hard work, diligence, and sacrifice.

No tool can save you from your own crap behavior, so as you approach these great new apps?and I hope you’ll at least check them out if you haven’t?please try to do it with a bit of perspective about how or why the old tools were not working for you. Consider the patterns that you can observe about how you do your best work and which tasks have benefitted from a certain tool or approach in the past.

懸念しているのは、

 ・ツールをゲットするのはたやすいけれど、それを使いこなすには多くの試行錯誤が必要
 ・ツールはあなたの代役にはなりえない(使うのはあなた!)

だから、

 ・新しいツールを買う前に、なぜ今あるツールじゃいけないのかをよーく考えよう
 ・過去を振り返って、自分が「これは役に立つ!」と実感できたツールの共通点を見つけよう

つまり、いかに自分の現状に合わせて“カスタマイズ”するか、この手間を怠ると得られるはずのベネフィットも得られませんぜ、ということです。

このブログでは、簡単に実行できて、しかも仕事が楽しくなると判断できたノウハウのみ、紹介するように心がけています(=ノウハウのためのノウハウではなく)。

例えば、今回「外付けポータブルHDD直接読み書き方式」をご紹介したのも、シンプルな方式ながら面倒なファイルの同期という手続きから解放されて、それが仕事を楽しく楽にすることにつながると考えたからです。

この方式をもっと洗練させていったり、もっと便利にすることもできるでしょう。でも、それはきっとノウハウのためのノウハウ、つまり理論のための理論になってしまいそうで、実際に仕事でベネフィットが得られている段階でいったん立ち止まるほうがいいと思っています。

「そうかー、こうすれば良かったんだー!」とか「これを使えば仕事はラクラク☆」といった高揚感は、単なる予告編に過ぎず、実際に時間をやりくりして映画館に足を運ばなければ、高揚感はそのままふわふわとどこかに飛んでいってしまいます。

身の回りに、手に入れたときのワクワクを超えられなかったあれこれがゴロゴロしちゃぁいませんか? あ、これ人生全般に言えそうだ(汗;)。