偉人と凡人の別は一言にして尽くすべきのみ。かれは人生を簡単にする者なり。これは人生を複雑にする者なり。
─高山樗牛(評論家)
プログラムを書くときに、繰り返し登場する手続きは名前を付けて選り分けておき、必要に応じてこの名前を記述することでその手続きが行われるようにしておくと効率がアップする。
たとえば、その手続きに変更が生じた場合でも、同じ手続きは1箇所にしかないので、ここさえ直せば済む。もし、同じような手続きがあちこちに散らばっていたら、変更が発生する度に1つ1つ修正を当てていかなければならないことになるから、この差は非常に大きい。
ところで、手続きの中身を知らなくても済んでしまうことは作業効率の面では非常に良いが、長い目で見た時の効率は下がることもある。
簡単に作業をする方法ばかり覚えて、作業を簡単にする方法が身につかないからである。
ここで言う「手続き」とは以下の本における「テンプレート」に近い。
テンプレート化しておけば、「あれ、どうやるんだっけ?」「何か、忘れているのでは?」といった心配は一切なくなります。漏れなく、正確にその仕事を遂行することができます。
同時に、問題点も指摘されている。
時間の経過と共に、当初の目的についての意識が弱まったり、面倒臭いといった怠け心の誘惑に惑わされることもあるので、その時に機械的に「続けざるを得ない」ような仕組みを用意しておくのです。いわば、「テンプレート仕事術」を続けるための「テンプレート」作りです。