※当サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

「フライングする能力」

人間の教養とは野生を失うことではなく、野生を洗練させることである。
─岡部伊都子

教養について何かを書くには紙幅が足りないが、充分にあったとしても語れるほどの立場にはないので、『知に働けば蔵が建つ』より引用。

教養は情報ではない。

教養とは形のある情報単位の集積のことではなく、カテゴリーもクラスも重要度もまったく異にする情報単位の間の関係性を発見する力である。

雑学は「すでに知っていること」を取り出すことしかできない。教養とは「まだ知らないこと」へフライングする能力のことである。

※太字は原文では傍点。

このあとに続いて、なるほどな論旨が展開されるのですが、それはさておき、この引用部分のみから連想されることは、ニューロン(神経細胞)の働き。ニューロン間にはシナプス間隙と呼ばれる隙間があり、ここを飛び越えないと別のニューロンには辿り着けない。

橋渡し役は自分で作るしかない、という意味において人工的かつ閉鎖的な(=すでにパスの通っている)ニューロン結合が雑学であり、この対極にあるのが“野生”、という風に強引かつ“フライング”気味にまとめてみる。

» 知に働けば蔵が建つ (文春文庫)