私は修学旅行で薬師寺を訪ねてくれる学生さんたちに、いつも『面倒と面白い』という話をしています。それは与えられた出会いの時間を、自分の顔との出会いの場にしてほしいからです。
話は15分程度の簡単なもので、代表の人に出て来てもらい「自分の嫌いな授業中の態度をしてほしい」とお願いすることから始めます。
そうすると、いろいろな仕草をしてくれますが、多くの場合は、腕組みをして目を閉じ、下を向きます。まさに、面(かお)が倒れて面倒の姿となるのです。
それに対して「自分がいちばん好きなことをやっている時は」と言うと、目標をにらみつけるような眼差しの顔をしてくれます。昔から目標を太陽に譬え、その太陽に照らされ、面(かお)が白(あかる)くなるので面白いと言うそうですが、これもまさに面白いの姿となるのです。
少しでも「面倒だな」と感じたことについては、「もっと簡単な方法はないかな?」と自問するクセをつけようと思う。
新しいポリシーを決めるより、新しい口癖を身につける方が効き目があるはず。