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「美化」に敏感になる

しばしば「生物は効率的で、すべての構造や機能にはなんらかの合理的な意味があるのだ」などという、まるで幻想めいたことが言われますが、これはダーウィニズムの悪影響です。「自然淘汰で勝ち残ってきたからには、私たちはさぞかし素晴らしい生物に違いない」という思い込みが、いまだに根強いような気がしています。

『脳はなにかと言い訳する』


上記は、脳の構造は非効率につくられており、まるで東京の地下鉄事情に似ている(新しい地下鉄を作る際には既存の地下鉄との兼ね合いで、地下深くまで掘らないといけない)、というくだりの後に書かれていたもの。

これは、勝ち残った人や商品が必ずしも美しい戦略・戦術を持って戦ってきたわけではない、という「よく言われること」に似ている。

後からならいくらでも美化できる。もっともらしい理論を当てはめ、過去の行動を正当化することはできる。

見た目があまりに“美しい”ものはあまり参考にならない。人にとっては分かりにくくても、自分には自明に過ぎる、ということが勝ち残っている人や商品の特徴なのではないかと思う。

分かりやすさは後付けできる。しかも、排他的に。

» 脳はなにかと言い訳する―人は幸せになるようにできていた!?