どうしようどうしようと考えてばかりいる人びとは、実際の仕事にどれほどの時間がかかるのか、検討すらつかないのです。あなたはたった13分で片付く仕事を先延ばしにしているせいで、無秩序な生活をしていませんか? ひどく忙しいのかもしれないけれど、服をハンガーに掛けたり洗濯物入れに放り込むには2分もかからないんですよ。
あなたはデスクに山積みした書類をたえず引っかきまわしていませんか? 毎日引っかきまわしている時間を考えれば、この際、思いきって書類の整理をしたほうが早いでしょう。ファイリングし、整理し、不要なものは捨て、あるいは、リサイクルするのです。
地下室やガレージの掃除でせっかくの週末をつぶしたくないとか、マーケティング用の手紙を書くのに午後をまるまる使いたくない、といった理由でグズグズしているのかもしれません。
時間に追われるよりも追いかけるほうが精神的に楽である。
しかし、「早く終わらせたい」という思いが強くなると、自分から時間に追われる状況に埋没していく。「あれもやらないといけない、これも今日中にやっておきたい」といった要求をうのみにして、スケジュールをぱんぱんにする。
こうして、できたスケジュールは、本当にこなすことができれば要求に応えることができるものの、実際のところは、たいてい・途中で・挫折する。
いくつかのタスクは翌日以降に回すことになり、夜遅くになって調整に追われることになる。「自分で決めたスケジュールを守れなかった」という自責の念とあいまって、実に惨めな気持ちになる。
そうであれば、スケジュールを立てる時点で、要求を緩和する調整を行おう。「正直なスケジュール」を立てれば、あとになって自分で自分を傷つけて苦しむことも減る。
問題は、「正直なスケジュール」と「ラクなスケジュール」の見分けが難しいことだが、「正直なスケジュール」は適度な緊張を、「ラクなスケジュール」は油断をそれぞれもたらすことが目印になるかもしれない。