立てたスケジュールに狂いが生じることは日常茶飯事ですが、どうしようもないくらいぐちゃぐちゃになってしまうと、正直やる気が失せます。スケジュールが乱れても、それをその日のうちに何とか立て直すことができれば、最終的には調和のゴールにたどり着けるのですが、慢性的にぐちゃぐちゃになるようであれば、もはやスケジュールはあってなきがごとし。スケジュールを立てる時間がもったいない、ということになります。
とはいえ、スケジュールを立てずに仕事に臨むのはやはりNG。どんなに見通しが立てづらい(立てられない)仕事であっても、「えいや」で立てておかないとです。理由はこちら。
仕事には、大きく分けると、
1.何日も掛かるような大きな仕事
2.数分で終わるような小さな仕事
の2つがあると思います。大きな仕事は事前の段取りや準備など「考える時間」が必要ですが、小さな仕事は何も考えなくても、それこそほとんど手が勝手に動くくらいサクッと終えることができます。
どんなに大きな仕事でも、分解して細かく砕いていけば、小さな仕事の集まりになるはず。
「仕事を効率よく進めるための9つのコツ」というエントリで以下のようなことを書きましたが、
時間がどれくらいかかるわからないような作業は、いくつかのタスクに分解して、分解した個々のタスクごとに時間を見積もると良さそうです。例えば、レポート作成なら、
(1)資料集め 1時間
(2)アウトライン作成 30分
(3)図表・グラフ作成 2時間
(4)文章作成 1時間
(5)推敲&修正 30分間というタスクに分解することで、1つ1つの作業の時間が具体的に見積もれます。
仕事が行き詰まってしまうとき、その実態はこの分解がうまくできないということではないでしょうか。
そんな折、Create a Staging Area for Large Tasks という記事で、「Staging Area を作ろう」というアイデアが紹介されていました。
1.Create a safe space where you can put all the resources you’ll need for the task.
2.Keep this area in your view whenever possible.
3.Pull items from your staging area only when they are needed.
4.Keep your staging area organized. Break it into sections that make sense to you.
1.その大きな仕事に必要なあらゆる資料を置いておくための“場所”を用意する
2.その“場所”を、必要なときにすぐに参照できるようにしておく
3.必要な時のみ、その“場所”から資料を取り出す
4.その“場所”を常に整理整頓しておく。自分で使いやすいように間仕切りを入れておくとよい。
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上記の記事では Staging Area(保管場所、予備領域、一時待避エリアといった意味)は、PCのデスクトップということになっていますが(インストールが必要なファイル群を置いておくため)、このような物理的な場所に限らず、時間にも Staging Area があると思っています。
例えば、1日のスケジュール。8時間という広さの“場所”と考えると、隅から隅まで目一杯“仕事”を敷き詰めてしまうと、身動きが取れなくなります。仕事と仕事の間を動き回るためのスペースが必要です。引越の時に、新居がダンボールでいっぱいになっていたら、荷ほどきができないのと同じように。
そこで、1日のスケジュールに全体の10%程度の Staging Area(予備領域)を設けておきます。個人的に実践していて、それなりにうまくいっている以下の3つの“予備領域確保”のコツをご紹介します。
1.予めスペアタイムを用意しておく
2.ランチタイムを長めに
3.午後に軌道修正のための時間を取っておく
1.予めスペアタイムを用意しておく
自分の思い通りに仕事をするためのコツ(3)でもご紹介したように、予め時間帯ごとに15分ずつ“緩衝地帯”を設けておきます。時間帯とは、起きている時間(18時間)を3時間ごとに6つに分けたカタマリのことです。
毎日の予定として、各時間帯に「予定外作業/リラックスタイム」というタスクを入れておくだけです。それぞれ15分ずつ。時間帯は、3時間区切りの以下の6セクションです。
A: 6:00~9:00
B: 9:00~12:00
C:12:00~15:00
D:15:00~18:00
E:18:00~21:00
F:21:00~24:00各セクションごとに15分ずつ、合計90分が予定外作業用のバッファ時間として確保されるわけです。ポイントはリラックスタイムを兼ねているというところです(30分とかでもよいと思いますが、あまり長くなると逆にそこに頼ってしまうようになるので実際にやってみて調整するのがよいです)。
予定通り進んでいたとしても、
・ちょっとコーヒー休憩
・サクッと腕立て伏せ
・たまたま見つけたブログに夢中になってしまった
・なんだか使途不明時間っぽい。。というようなイレギュラー要因を吸収するバッファとしても使えます。
起きている時間をヒトカタマリにとらえるのではなく、3時間を1区画とした6区画に分けて把握します。こうすることで、各区画ごとに遅れ・進みをチェックしながら仕事を進めることができます。
たっぷり1日かけて膨らんだ仕事の遅れは取り返すのはなかなか困難ですが、3時間の間に生まれた遅れならすぐに対応できそうです。とにかく問題が起きたら、その区画の中でなんとかやりくりする、という姿勢で、これを6セット、勤務時間が9時から18時であれば、9時間なので、3セット(B,C,D)、行うわけです。
予定していた仕事が区画内で収まった場合は、確保しておいた15分を解放し、心おきなくメール読みやらブックマークチェックにいそしんでもOKです。スケジュールを守れたのですから。
・・・長くなってきましたので、「ランチタイムを長めに」と「午後に軌道修正のための時間を取っておく」については、また明日。。
<自分で立てたスケジュールを守るコツ>
1日を複数の区画に分け、区画の中でやりくりする。