ゆっくり過ごすのとタスク管理をすることは正反対のよう思えるけど、そうではなく居心地の良い場所に長くいるためのもの。週末楽しい時間を過ごして実感したところ。
— napuaさん (@napua125) 5月 14, 2012
タスク管理をする目的はこれに尽きますね。
ゆっくり過ごすための余裕を作る。
どんなツールを使おうが、これは変わりません。
逆に言えば、これが果たせるのならツールは何でもいいわけです。
たとえば次の2つの条件が満たされていれば、それはタスク管理ができている、と言えるでしょう。
- 今日すべきことがモレなく把握できている
- 今日すべきことをすべて今日中にやり終える見込みを持てている
まぁ、ほかにもあると思いますが、この2つがまずは重要です。
1.今日すべきことがモレなく把握できている
朝一番(できれば前日の夜)に今日(翌日)すべきことが取りかかる順にリストアップされていると最高です。
あとはプログラムを実行するかのごとく、リストの一番上から淡々と処理していくだけで済みます。途中で考えたり迷ったり判断を必要としたり、といったことが少ないので、おのずとスピードが上がります。
このリストを作るのは手間ですし時間もかかります。でも、ここで時間をかけておかないと、ちょっと進んでは次にどこに行くかを考え、間違っていたことに気づいて少し戻り、といったことを繰り返すことになりがちで、いっそう時間がかかることが少なくありません。
リストを作っても途中で割り込み作業が発生するので意味がない、という意見もありますが、割り込まれたら、その内容と時刻を記録していくことで、ある程度予測がつくようになります。
一日のうちどれだけのバッファ(余裕時間)を用意しておけば割り込みをさばけるのかがわかれば、それをリストに組み込むことができます。
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もちろん、途中で割り込みや迷いや進路変更もあるでしょうが、それらがあるからといってレールを敷かない理由にはならないはずです。 …
2.今日すべきことをすべて今日中にやり終える見込みを持てている
今日すべきことが把握できていても、それが「できたらいいな」というウィッシュリストになっていては意味がありません。
本当に今日中にやり終えることができる、という見込みが得られて初めて安心してリストの一番上から着手できます。
とうてい終えられそうもない、と思うと人は現実逃避に走ります。リストにないことをやり始めていっそう持ち時間を減らし、さらに焦りを募らせてしまうのです。
今日中にやり終える見込みを持つには、リストアップした1つ1つのタスクについて、かかる時間を割り振ることです。この時間の合計が、今日の仕事に使える時間よりも小さければOKです。
言い換えれば、現在時刻にタスクにかかる時間を加えた時刻(=終了時刻)が現実的な時刻になっているかどうかです。
たとえば、以下はある日の13:45時点の状態で、終了予定を見ると「18:30」となっています。13:45に残りの見積もり時間を加えた時刻が18:30という意味です。
※終了予定のセルには、=(残り時間のセル)*TIMEVALUE(“1:00”)+NOW() という数式が入っています。
予定通りにいけば18:30に退社できる、という明確な見込みが得られている図です。
ちょうどカーナビの到着予想時刻に似ています。今のルートを今のスピードで進むことができればその時刻に到着できる。だから安心して運転に集中できるわけです。
タクシーに乗っている時(特に急いでいる時)に不安なのは、この到着予想時刻が見えないことに加え、自分が運転しているわけではないので、いかんともしがたいからでしょう。
今日すべきことを把握することとそれが確実に終わるという見込みを持つことは、目的地とルートを把握し、自らハンドルを握ることを意味します。
改めて、余裕とは
以上を考えると、余裕とはやるべきこととそうでないことを明確に分け、やるべきことだけに時間を集中的に投資することで得られるリターン、ということになります。
余裕がない時というのは、やるべきことに十分な時間が割けていないために──多くの場合やるべきでないことに時間を取られているために──リターンが得られるどころか、逆にロスが生じている状態、といえるでしょう。
きちんとリターンが得られるように投資する時間をコントロールする活動、それがタスク管理です。
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