以下のエントリーに続き、『英語嫌いの東大卒が教える私の英語学習法』で紹介されている参考書籍をご紹介。
» 6ヶ月でTOEICのスコアを500点から900点に引き上げる勉強法+時間術
同書は刊行から3年経っているので、著者の小川慶一さんにヒアリングのうえ、最新情報も盛り込んでいます。
小川慶一さんのコメント
本エントリーを事前に小川さんに見ていただいたところ、次のようなコメントをいただきました。
著書で紹介した本はいずれも内容がしっかりしており、流行廃りの強い影響を受けるようなものではないので、試験内容が変わってしまったのでTOEIC模擬試験本は最新のを買い求めた方がよいですが、あとは大丈夫だと思います。
ということで、3年経ったからといって、3年前の英語が「古英語」になったはずもなく、またTOEICのスコアアップに的を絞るにしても、TOEIC模擬試験本の最新版でフォローすれば良いので、今回ご紹介する本は、いずれもそう大きく外すものではない、といえるでしょう。
以下、次の4つのセクションに分けてご紹介していきます。
1.短期決戦のボキャブラリ強化対策教材
2.レギュラー教材
3.TOEIC本番対策教材
4.補助教材
1.短期決戦のボキャブラリ強化対策教材
この2冊をそれぞれ半分ずつくらい仕上げ、後で紹介するNHKの「やさしいビジネス英語」の単行本のうちどれか1冊をそこそこきっちりやっていれば、それだけでも、TOEICで750点前後のスコアには到達できるはずです。最後までだいたい押さえることができれば、ボキャブラリに関しては、800点台中ほどくらいだと思います。
そこからさらにひと押しTOEICを意識したボキャブラリ底上げを図りたい場合は、加えて、ジャパンタイムズの「TOEICテストボキャブラリー完全制覇」をやってください。
2.レギュラー教材
日々の勉強の教材としては、ラジオ講座の「NHKやさしいビジネス英語」が推奨されていますが、現在では「NHK実践ビジネス英語」がこれに当たります。
放送されている「NHKビジネス英会話」のテキストとCDを揃えて勉強するのがいちばん理想です。ラジオ講座のテキストとCDは月刊で1年前までのバックナンバーをNHK出版のウェブサイトから購入することができます。
今回のヒアリングに対しても次のようにお答えくださっています。
基本は短期間で高密度に学習することなので、テキストとCDの半年分のバックナンバーをNHKのサイトから一括購入することからはじめるべきです。「ラジオ放送のペースにこっちが合わせた時点で負け」ということですね。
とはいえ、「バックナンバーをすべて揃えたとしてもそれだけでは量的にぜんぜん足りない」ということで、次の4冊の単行本も本の中で紹介されています。
この4冊の中から選ぶのであれば、どれでも構いません。書店で見かけたらすぐに買ってしまいましょう。2冊くらいをしっかりやれば、控えめに言っても、TOEIC800点台はすぐそこです。
とはいえ、4冊はやはり多いので、どれが良いかをお聞きしたところ、次のようなご回答が。
この講座の歴代シリーズ単行本としては、古いですが、「やさしいビジネス英語ベストセレクションVol.1」がやはりいちばん面白いです。
これは、明確な理由がありまして、実は、中期以降の杉田先生の講座は、内容・話の展開が次第に無難で淡泊になっていっているのです。
「ベストセレクションVol.1」のころは先生も30代で、たぶんギトギトと脂がのっていたしていたというのも大きいと思います。
同じ勉強をするなら、やっていた面白い方がいいですね。
さらに補足。
私の英語学習をはじめたころからの友人が、ラジオ放送でのネイティブの発言をディクテーションして翌日配信するメールマガジンをやっています。勉強の一助になります。
そのメールマガジンがこちら。
» ビジネス英語を120%利用
このメルマガは、NHKラジオ講座「入門ビジネス英語」、「実践ビジネス英語」を聴き、放送中の講師とゲストネイティブスピーカーの解説やおしゃべり部分をディクテーションしてお送りします。テキストには載っていない会話部分ですので、何と言っていたのだか、聞き取れなかったという時にお役立てください(NHKラジオ講座を使った熱心な英語学習者のために個人的に作成しているもので、NHKとは関係ありません。)
また、小川さんの別のご友人である本多義則さん(技術者)のメールマガジンもご紹介いただきました。
このメルマガは、NHKラジオ第2放送で放送中の杉田敏先生の「実践ビジネス英語」を教材にしたメルマガです。放送では各レッスンは2週間単位で6回構成になっています。主に単語/表現チェックを行います。
3.TOEIC本番対策教材
準備
実践
「TOEIC TEST文法 鉄則大攻略」と「TOEIC TEST文法 急所総攻撃」の2冊をひととおりやってしまったら、さっそくどれか1冊くらいはじめるとよいでしょう。
TOEIC主宰団体が発刊している公式問題集。過去問を元に再構成した1回分の模擬試験など、実際のTOEICに完全にマッチした内容のものが収録されています。模擬試験や本番形式の練習問題など、TOEICに直結する部分は大変いい練習になります。
Vol.2のほうが後に出たもので、内容的にもどちらかというとお勧めです。
現在、新シリーズが出ていますので、以下の方がベターでしょう。
4.補助教材
書籍
在日の米国人日本研究家である著者が日本語との考え方の違いを比較しながら英語について語るベストセラーエッセイ。英語の語感を磨くのに、一度は読んでおきたい一冊です。第1章の教科書的な切り口を離れた冠詞についての解説などは特に有名です。
長本吉斉著「TOEIC TEST文法 急所総攻撃」「TOEIC TEST文法 鉄則大攻略」の2冊を2,3回終えたあたりで読むのがいちばん効果的だろうと思います。
「日本人の英語」の続編。こちらは、言語の構造そのものより、むしろ、言葉になって現れる以前の文化的土台の違いにウェイトが置かれている印象。どちらをより面白いと感じるかは人それぞれでしょうが、個人的には、こちらのほうが面白い気がします。
under the weather(体調が悪い)、water under the bridge(過ぎ去ったことだ)といった類の口語イディオム、wear out, work out, take out, let outといった頻出動詞に前置詞をプラスして作られる句動詞などが例文つきでたくさん紹介されている口語表現集。レイアウト的にもそこそこ使いやすく、充実の内容の割に値段も高くはなく、「これ1冊」という著作物です。
ウェブサイト
英語を使うときは、同じ単語、熟語を冗長にくり返すことは避け、近いニュアンスの言葉を次々と入れかえながら使っていったほうがスマートに見えます。シソーラス辞書は、特にライティングのときにそういうときのためのタネ本として活用できるほか、「もっと他に上手な言い方はないものだろうか」とあれこれ類語を探すときにも便利です。
言いたいことを表現するピッタリな英語が見つからないときなど、場合によっては、近いニュアンスの英単語をThesaurus.comで入力して一覧から探したほうが、「英辞郎」などで日本語を入力して適当な訳語を探すよりもずっと簡単ですらあります。
「辞書はボロボロになるまで使い込んだほうがよいのか」「収録語数が多い辞書がよい辞書なのか」といった古典的常識への疑問符から、英和辞典、英英辞典、類語辞典等の選び方、使い方についてまで、実際の辞書へのレビューも含めて非常に丁寧な紹介がされています。
まとめ
たくさんご紹介しましたが、それぞれの使い方については『英語嫌いの東大卒が教える私の英語学習法』に具体例をまじえて詳しく書かれていますから、合わせて参考にされると良いと思います。
特に、個人的に感心させられているのは、本書で紹介されている小川さんが編み出した「英語勉強ハック」の数々。
ユニークかつ実践的で、英語の勉強に何度も挫折した人間だからこそ分かる勘所を押さえたものになっています。例えば、携帯メールを使った記憶術や、夜寝る前のわずかな時間をも無駄にしない耳学習の方法など、無理なく続けるためのコツが随所に登場します。
▼出典:
▼次にすること:
・自分の好みとレベルにあった参考書籍を入手する
▼関連:
・1ヶ月で英会話力を何とかしたい人のための3点
・3ヶ月で英語が読めるようになりたい人のための5冊
・6ヶ月でTOEICのスコアを500点から900点に引き上げる勉強法+時間術