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苦労せずに行動を「改善する」方法

2011年5月8日(日)の「ライフハック女子部」のゲストとして大橋悦夫さんが登場していました。その中で大橋さんが、「続けるのが苦手って、どういう意味なのか。生きるとは続けるということで、続けるのが苦手だというのは、生きるのが苦手だと言っているみたいに聞こえる」という意味のお話をされました。

最近習慣系の本を書いたばかりの私としては、改めてこの問題について考えてみました。

習慣が続かないという嘆きは行動を変えられないという問題を抱えていること

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たしかに大橋さんが指摘したとおりで行動を習慣化するだけなら、誰にでもできるし現にやっています。

帰宅するなりぐったりしてビールを飲みながらテレビを見るという「習慣」を形成するのにそれほど苦労はいりません。というよりもそういう「習慣」を「改善する」力を人は「継続力」と命名しているわけです。

自然とやりたくなることをこらえて他のことを意志的にやること。それが「継続力」であるとすれば、継続力はだいたい次の4ステップで強化できるでしょう。

1.変える意味を認識する
2.意識的に行動に変更を加える
3.新しい行動を続けてみる
4.結果をチェックする

「自分には継続力がある」と感じている人はたいていこの4ステップを踏んでいます。「自分は物事が続けられない」という人は3番目のステップだけしか考えていません。「英会話の勉強を続けようと思うんだけど続かなくて・・・」という言葉を口にするのです。

・朝8時に起きていたのを朝6時に起きて英会話の勉強をする
・帰宅してすぐプロ野球を見ていたのを英会話の勉強にする

こんなのはハードルが高そうです。これほどのことをするとなると、やろうとするたびに精神的な苦痛を感じるでしょう。その苦痛を克服するにはそれなりの理由がいります。「1.変える意味」をいつでもすぐ認識できなければとてもムリです。

次に忘れてはいけないのが「2.意識的に行動を変更する」ことになる点です。「明日から英会話の勉強をするぞ!」と決意したからと言って、朝6時になったら自動的に目が覚めて無意識のうちに英会話を勉強していた、ということは絶対に起こりません。

冒頭の大橋さんのセリフ「生きるとは続けるということ」とは、たいてい無意識のうちに習慣的行動を実行しているという意味なのです。でもいわゆる「三日坊主」に終わりがちな行動というのは、意識的にしか行えないものです。

人は意識的に行動するということ自体が嫌いなため(心理的なエネルギーを多く必要とするから)「より少ない意識で新しい行動を続ける工夫」を施しておかないとすぐに挫折します。

そこまで考えた上で「4.結果をチェックする」の記録ステップまで進みます。「帰宅してすぐプロ野球を見ていたのを英会話の勉強にする」という行動の変更は、意識的に行う必要があるので、意識がそこで働かなければ忘れます。しまいには忘れたことをも忘れるでしょう。

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カレンダーに記録を残しておけば、「やらなかった」ことを忘れても、カレンダーに穴が開くので認識できます。三日坊主というのはただ単に三日で決意が頓挫するだけではなく、三日坊主に終わったことを忘却することを言うのです。

比較的容易に「よい習慣」を継続するコツ

以上を踏まえて「行動を変えたい」と思うならよく言われれている通りのコツを確実にチェックする必要があります。つまり次のようなコツです。

・最終目的にこだわりすぎない
・新しい行動は小さい変更ですむようにする
・基準値を満たした事実を記録する

最初のは特に誤解されがちですが「大きな夢を設定して一変する」ことを目指すのは「習慣術」というよりは自己啓発的な話です。この場合「自分を一変させる」ような変化を求めますからかなりのモチベーションが必要になります。

そのモチベーションに火をつけて、持続させるのが「夢のイメージ」というわけでしょう。しかし私はその種の「自己革命」はうまくいかないと思っています。より現実的に可能な規模の改善を持続的に行う方がうまくいきます。

そうすることによって徐々に行動が望む方向へ変化し、その結果いくらかの改善ポイントを得られるようになるわけです。すると最終目標の光景が変わってくると思います。「最終目的」はそのように修正をうけてより具体的で適切なものに変化するべきなのです。