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自信過剰でも、楽観的なほうが結果としてはうまくいく


unsplash-logoDaniel Cheung

ウチにはいい脚本部門がある、いいマーケティング部門がある、だからやるしかない、とね。

他のみんなも同じことを考えているなんて、思いもしない。

その結果、ある週末に五本もの映画が公開されることになる。そうなったら、十分な観客は動員できないだろうね

佐々木正悟 これはきっと本当である。

だいたい、私みたいにほとんど映画を見ないような人間が見ても、「似たような映画がどんどん量産されている」とは思う。

しかし、である。

しかし映画は作るべきなのだ。そうでなければ決してヒットはしないのだから。宝くじだって買わないと当たらないと言うが、それよりは映画を作る方がマシだと思う。

自信過剰なのはしようがない

私たちのアタマは、統計だの客観的事実だのをなかなか真面目に考慮に入れない。でもそれは悪いことではないと思う。いつも客観的に見てしまったら、行動力を損なう。

「ちょっと考えれば失敗するってわかっているのに、どうしてあんなにバカなことをやるんだろう」

と頭のいい人が言うのはもっともだ。なぜなら客観的にそれは事実だから。

挑戦がたった一度しかできないもので、失敗したら死ぬのであれば、頭のいい人の言う慎重論はほぼ100%正しい。

しかし、ほとんど成功の確率はなくても、成功する可能性がゼロではなく、しかも成功するまで死なずに挑戦し続けることができるなら、成功するまでやり続けた方が、頭のいい人より恵まれた人生を送ることのできる可能性だって上がる。

こんなのは言葉のアヤでしかないが、宝くじだって「当たる人はいる」。頭のいい人だって「統計的客観性にもとづかない10億円ならいらない」とは言わないのだ。

成功する確率の低い挑戦を「繰り返す」には、それなりの「おめでたさ」がどうしたって必要だ。確率を「正確に」見積もっていたら、馬鹿馬鹿しくてやってられないことが、この世の中には多い。

学術研究も失敗率が高く、楽観主義が成功に必須の分野ではないかと私はつねづね考えている。

成功した研究者で、自分の研究の重要性を誇大広告する能力に欠けた人間には、お目にかかったことがない。

「賢い人」だってやっぱりこのように、「おめでたい」のだ。「成功した研究者で、自分の研究の重要性を誇大広告する能力に欠けた人間には、お目にかかったことがない」とノーベル賞受賞者が言っているのである。

「ちょっと考えれば失敗するってわかっているのに、どうしてあんなにバカな研究をやるんだろう」と、それほど賢くない人にだってわかるようなことを大まじめにできるから、ときどき研究者ですら大成功を収められるわけである。

▼編集後記:
佐々木正悟

03-03(土)のセミナーと同じ内容のオンライン版をやります。

» 3月31日 不安を味方につけるための心理学入門 第1回 Zoomバージョン

ご好評いただいてすぐ満席になってしまったことと、もともと、首都圏だけで開催しなければならない理由がないので、このようなバージョンを設けてみます。

03-03(土)と同じく、この日には、いわゆる「大人の発達障害」(ADD/ASD)などのかたのための「タスク管理への一工夫」も取り入れたいと思っています。

私自身が、未来系タスク管理ばかりに目が行っていて、何一つ実践できなかったころの苦闘をイメージしてもいます。