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新年の誓いを実現させるコツ



佐々木正悟 タスクには、少なくとも2種類のタスクがあります。

  1. 目的を達成するためのタスク
  2. 目標値に近づくためのタスク

1は典型的なタスクです。たとえば「トイレ掃除」というタスクは、トイレをきれいにするという目的を達成するためのタスクです。タスクは一般に、こういうものだと考えられています。

2は、少し違います。こちらの例としては「100万円貯金するために、貯金箱に500円入れる」というような「タスク」が考えられます。

目的を達成する必要のないタスク

確実にタスクを実行していけば、やがて目標値に到達できるでしょう。しかしタスクである「500円を入れる」という目的を達成するだけでは、このタスクを最終的に実行したとは言えません。

2のほうが、概して難しいと考えられています。なぜなら、実行しても「むなしさ」が残るからです。「千里の道も一歩から」ですが、とは言え一歩目を踏み出したときには「千里は遙か彼方過ぎる」わけです。

しかし、知っている人には、2の方が簡単です。なぜなら「目的を達成する必要のないタスク」だからです。ここにちょっとしたパラドックスがあります。

1のようなタスクは「トイレをきれいにしなければならない」のです。朝食の準備であれば朝食を作りきらないとタスクを実行したことになりません。

千里先にたどり着くため、少なくとも一歩。多ければ百歩。というのは、実はラクです。「やらないよりはマシ」といつでも言えるからです。

朝食の準備を1%だけやるなら、むしろ「やらない方がマシ」と言うべきかもしれません。

世に目的意識が高く、目的思考の人は少なくありませんが、意外にそうでもない人が、多くの目標に到達して見えるのは、「目標値アプローチ」のほうが、実はラクだという性質があるからです。

目的思考の人はどうしても「千里の彼方」に意識が向きがちです。「とりあえず歩いてみても、目的地に近づいた感じすらしないし、だれも注目しても褒めてもくれないし、むなしい」という感覚は、大ごとをなすには非常に邪魔なもので、実際にはちょっとしたことを実行するときにすら、役に立たないことが多いのです。

「先を見ずに、ちょっとだけでもやる」というのは、即座に周辺から評価を得ることは、ほとんどありません。一歩間違うと「やらない方がマシ」とさえ、言われます。でも、やっていればいずれかならず「やっておくだけのことはある」に切り替わるのです。

このことを経験的に知っている人は、ひそかにひとりほくそ笑みつつ、注目されないことをちょっとずつ、やれます。1月2日や、1月5日頃には、「やらない方がマシ」に見えたことが、11月中旬ごろまで続けられれば、まったく違う様相を呈するようになります。