スノー・ムーン・フラワーの巻
ここは東京某所S公園
ST電気第一ソリューション事業部は毎年恒例のお花見に興じていた。
ポリ課長:やー、やっぱり日本はいいですね! 実に桜が美しい!
オオハシ部長:そうか、ポリさんはずっとアメリカでしたもんね。
ポリ課長:しかも、今日は月も綺麗だ!
ラシタさん:これで雪が揃えば雪月花ですね。
ポリ課長:白居易の詩「寄殷協律」だね。美しい物の代表が2つも揃うなんて良い夜だ!
オオハシ課長:美しい物から雪と月と花を連想するってあたりがいいよね。
ラシタさん:それに古来から日本の宮廷文化では「雪月花」とくれば「最憶君」と連想されるのも好まれていましたから。
ポリ課長:なるほどね。美しい物/美しい言葉というのは昔から多くの詩想をかき立ててきたわけだ。
夜も更けて、ST電気一同が解散し帰途につく中、ベック君は桜の木の枝に腰掛ける一人の男性に気がついた。月明かりでぼんやりしていたが、茶色い作務衣とタオルに身を包むその人がごりゅ殿であることは一目で分かった。
ベック君がごりゅ殿の元まで駆け寄ると、ごりゅ殿が何か聞き慣れない言葉を発していた。
ごりゅ殿:琴詩酒友皆抛我雪月花時最憶君(琴詩酒の友は皆我を抛つ 雪月花の時最も君を憶ふ)
ベック君:ほへ? 今の何? 日本語?
ごりゅ殿:昔、中国旅してたときにできた友達の白ちゃんが江南にいる友達の殷って人に贈った詩だよ。
ベック君:あー、中国語か! 道理で聞き取れないと思った。
ごりゅ殿:そういえば近所の大伴君も「雪の上に照れる月夜に梅の花折りて送らむはしき子もがも」って歌ってたような。ほら、これ大伴君直筆の万葉集第18巻なんだけど。いい歌詠むよね、彼も。
ベック君:へーそうなんだ! 直筆の本って自費出版? あ、この場合は同人誌か!
ごりゅ殿:この話をするとだいたい面倒なことになるんだけど、ベック君が超適当で助かったよ。Like!
Huangshan, China (YELLOW MOUNTAIN/LANDSCAPE) VIII / Chi King
Dropboxを中心とした発想環境の構築
今回から複数回に分けてDropboxやiPhone/iPadアプリの連携技について書いていきたいと思います。初回はiPhone/iPadの発想支援アプリ「iMandalart」と「iThought」を「Dropbox」経由で連携させる方法を紹介いたします。
■考えるための道具そろえてますか?
皆さんは一人でアイデアだしをする際にどの様な方法を採られているでしょうか?
取り敢えず白紙の紙の前に箇条書きでアイデアを出す、思いつくままに絵を描いてみる、マインドマップを書く等など、色々な方法があると思いますが、特に私がお勧めするのはマンダラートとマインドマップをihone/iPad上で作成する方法です。
今回はマンダラートアプリ「iMandalart」とマインドマップアプリ「iThought」を「Dropbox」で連携させる方法を紹介する記事なのですが、本題に入る前に簡単にこれら発想のための道具について紹介したいと思います。
マンダラート
デザイナーの今泉浩晃氏が考案したアイデア発想ツールで、3×3のマス目の中央にテーマを下記、その周囲8マスにそこから連想されることを書き出していきます。5,6個しかアイデアが思いつかない場合でも、無理やり8個埋めようとすることで思いもよらないアイデアと出会うことができます。(逆に8個以上出てくる場合はその中から自分がいいと思うものを絞り込む)
私がマンダラートと出会った本。他にも考えるための道具が沢山掲載されています。
マインドマップ
アメリカの教育者トニー・プザンが考案した思考技術です。センターイメージと呼ばれる中央部にこれから表現したいことを象徴するイメージやキーワードを配置し、そこから放射状に枝を伸ばしながらキーワードを書き連ねていきます。頭の中で行われていることを目に見えるようにすることで記憶や発想がやりやすくなるといわれています。
マインドマップといえばまずはこの本。新しい年度のはじまりにマインドマップ始めてみませんか?
■Dropboxがつなぐ曼荼羅と脳の世界
iMandalartはDropboxへの書き出しが、iThoughtはDropboxへの読み書きが可能です。更にiThoughtはiMandalartが出力可能なOPML形式のファイルを読み込むことができるため、iMandalartでアイデアの深堀りをした後に、Mindmapで更に発想を広げる・・といった連携プレーが可能となっています。手順は以下の通り。
1.iMandalartで書き出したいマスを長押しし「共有」から「Dropboxに書き出し」を選択します。
2.iThought(画像はiPad版のiThougthHD)で「Copy from Dropbx」を選択するとDropboxからファイルを読み込むことができます。
3.先ほどiMandalartで書き出したOPMLファイルを選択しましょう。
4.マンダラートで掘り下げたアイデアを更にiThoughtで広げてみましょう!
■iPhone/iPadとデスクトップアプリの連携
iThought自体も非常に使いやすいマインドマップアプリですが、やはりPCやMacでもマインドマップを書きたいと思うのが人情というものです。iThoughtでは各種マインドマップアプリのファイル形式でファイルをDropbox書き出すことができるので、次はこの連携方法をみてみましょう。
1.まずファイルを書き出す前に「Export Option」から普段使われているツールのファイル形式を選択してください。
2.先ほどのメニューから「Send to Dropbox」を選択し、お使いのソフトのファイル形式でファイルを書き出してください。
3.Xmindに取り込んで見るの図。ちょっと見た目が・・・と思う方は、有料ですがiMindmapが良いのではと思います。
■最後に
今回は発想支援アプリの「iMandalart」と「iThought」をDropbox経由で連携させる方法と、更にはそれをデスクトップアプリで読み込む方法を紹介しました。こういったシームレスなデータ流通もDropboxの魅力の一つだと思います。iMandalartもiThoughtも安くはないツールですが、それだけの価値のあるアプリなので、是非一度お試しください!
iPhone、iPod touch および iPad 互換 iOS 3.0 以降が必要
カテゴリ: 仕事効率化 価格: ¥1,500
更新: 2011/02/24
iPad 互換 iOS 3.2 以降が必要
カテゴリ: 仕事効率化 価格: ¥3,200
更新: 2011/02/23
iPhone、iPod touch および iPad 互換 iOS 4.1 以降が必要
カテゴリ: 仕事効率化 価格: ¥900
更新: 2011/03/18
iPad 互換 iOS 4.2 以降が必要
カテゴリ: 仕事効率化 価格: ¥1,200
更新: 2011/03/14
▼今週の一冊
今週紹介するのは『iPhoneワクワク仕事術』(小林 英二著)です。
この本、ぱっと見たときに「またiPhone本かいな」と思ったのですが・・ところがどっこい、ただものではない仕事術本でした! テクニックよりもモチベーションコントロールなどが中心なので自己啓発本に近い印象ですが、その自己啓発を実践するためにどうiPhoneを使っていけばいいかが書かれている点はしっかりノウハウ本でした。
アプリも何点か紹介されているのですが、よくありがちなカタログ的なものではなく、著者が使い込んだと思われる厳選アプリだけが掲載されており、一本一本の活用事例がかなり濃いものになっています。Calengooとdomo Todo+の使い方は個人的にかなり参考になりました(><)/
読み物としてもとても面白いですし、役に立つテクニックも満載です。iPhoneを使ってもっと仕事を楽しいものに変えていきたい!というニーズをお持ちの方はぜひ一度本書を手に取ってみてください。
iPhone、iPod touch および iPad 互換 iOS 3.0 以降が必要
カテゴリ: 仕事効率化 価格: ¥800
更新: 2011/01/29
iPhone、iPod touch および iPad 互換 iOS 3.0 以降が必要
カテゴリ: 仕事効率化 価格: ¥350
更新: 2011/02/07
桜の開花が各地でみられるようになりました。
春到来ですね。
▼北真也:
仕事術をもっとカジュアルに! わかりやすさ重視の「ビギナーズ・ハック」をお届け。Blog「Hacks for Creative Life!」と勉強会「東京ライフハック研究会」主宰。