第零話 鳴らない手帳
時を遡ること10ヶ月前・・・
ここは東京某所ST電機ソリューション事業部
オオハシ課長(当時):ベックくーーん
ベック君:オオハシ課長、なんでしょうか?
オオハシ課長:明日の名古屋出張の準備できた?
ベック君:バッチリです! 資料も持ちましたし、全行程手帳にちゃんと書いてますから。
ベック君は愛用の「ほぼ日カズン」を指さしながら、余裕の表情を浮かべていた。
オオハシ課長:じゃぁ、現地集合で大丈夫かな?
ベック君:大丈夫です! 地図も印刷しています。
オオハシ課長:明日は凄く大事なお客さんだから、遅刻しないように気をつけてね。
ベック君:絶対に遅刻なんてしませんよ、ははは!
次の日ーー
ここは東京某所ST電機第1ソリューション事業部
ベック君:おはようございまーーーす♪
ラシタさん:あれ?今日名古屋出張ちゃうのん?
ベック君:・・・・・。
ラシタさん:・・・・・・。
ベック君:・・・・・。
ラシタさん:・・・・・・。
ベック君:・・・どぉぉぉぉしよぉぉぉぉぉぉっっ!
ラシタさん:どうもこうもあるかい! はよいけー!
ベック君:待ち合わせまで後30分なんだよぉ!
その時、世界は静寂に包まれ、周囲の全ての物が動作を止めた。
謎の声:お困りのようですね。
ベック君:とても困っています! 助けて下さい!
謎の声:お助け致しましょう・・・超☆時空転送!
ベック君はまばゆい光に包まれ、地面への接地感を失った。
数秒後ーー
ベック君は全てが静止した名古屋駅前に立っていた。
目の前には微動だにしないオオハシ課長。
謎の声:どうやら間に合ったようですね。手帳はリマインドしてくれませんから、大事な予定は別でリマインダーを用意した方がよいですよ、ベックさん。
ベック君:ありがとうございました!ところであなた様は?
謎の声:今はまだ知る必要はありません。いずれお会いする日が来るでしょう。
謎の声の主は、ベック君が更に問いかけようとするのを振り払うように「では、これにて」と言ってその気配を消した。
そして時は動き出す!
オオハシ課長:うわ!ベック君がいきなり現れた!
その時、オオハシ課長は何かを思いついたという表情を見せた。
オオハシ課長:べっくりしたぁな、もぅ!
満面のどや顔を見せるオオハシ課長。
ベック君は凍てつく波動に襲われ、全ての動きを静止させられていた。
※本ストーリーは1月29日(土)に行われたマインドハック研究会@名古屋ライフハック研究会のLTで発表したネタとなります。SlideShareにアップロードした時点で少し体裁が崩れてしまったり、アニメーションが無くなってしまったりしていますが、ここに貼り付けた資料で概ね雰囲気は伝わるのではないかと思います。
Googleカレンダー使いこなしのビギナーズハック-基本編
さて、今回からはしばらくクラウドツールについて取り上げて行きたいと思います。まずはカレンダーアプリのデファクトスタンダードとも言える存在「Googleカレンダー」を基本編と連携編に分けてお送りしたいと思います。
■Googleカレンダーで出来ること
Googleカレンダーはスケジュールを管理するためのカレンダーアプリですが、以下のような特徴をもっていることで初心者からヘビーユーザまで幅広く支持を集めています。
- 直感的な操作が可能
- PC/MAC/携帯/スマートフォン全てからアクセス可能
- 様々なアプリケーションと連携可能
- iCal形式のデータであればどんなデータでも取り込むことが出来る
- Googleカレンダー同士であれば予定の共有が簡単
- リマインダーをデスクトップやメール、SMSに送信可能
それでは具体的にいくつかの特徴を見ていきましょう。
直感的操作
GoogleカレンダーやGoogleマップがはじめて世に出てきたころ、Webページでこんなインターフェースが実現できることに心の底から驚きました。今でも下手なデスクトップアプリケーションよりも、このGoogleカレンダーの方が直感的に操作でき、しかも軽快に動作します。
連携機能
例えば、上記スクリーンキャプチャはToodledoとの連携機能なのですが、これはただその日締め切りタスクを表示するだけでなく、実際にタスク追加したり、完了させたりといった一連の操作を行うことができます。勿論、純正の(?)Googleタスクも非常に便利ですよね。
そのほか、Googleカレンダーと連携するWebアプリケーション(例えばNozbeなど)やiPhoneアプリが数多く存在します。この辺は次回詳しく取り上げたいと思います。
iCal形式の応用
上記スクリーンキャプチャは訪れた場所にチェックインして自分の位置情報を記録するFoursquareというサービスの情報をiCal形式で取り込んだカレンダーです。その日の何時に自分がどこにいたかを一覧できるのはかなり快感です。
このiCal形式というの正式にはiCalenderというフォーマットで、インターネット上や多くのPIMソフトで広くサポートされているカレンダーデータのフォーマットです。Googleカレンダーも当然このiCal形式のデータの読み込みに対応しており、例えば「日本の休日」や「天気」「月の満ち欠け」といったデータもiCal形式で配布されています。
■リマインダーで生活を組み立てる
さて・・またもやストーリーと関係ない方向に話が行ってしまっているので、少しストーリーに沿ったことも書いておきたいと思います。今回のストーリーのタイトルは「鳴らない、手帳」でした。
ベック君はばっちり予定を手帳に書き込んでいたにも関わらず、次の日そのことをすっかり忘れてしまっていました。手帳に書き込んでもそこに書かれている予定を思い出すのは「見返したタイミング」であって、「必要なタイミング」で思い出せるわけではないのです。
スケジュールをデジタル(特にクラウド)で管理する最大のメリットは「予定を知らせてくれる」ところにあります。私はこの1点の為に手帳を使いつつも、大事な用事はGoogleカレンダーにも入れてアラームで知らせるようにしています。
例えば、Googleカレンダーに予定を登録すると同時に適切にアラームをセットしておくと、5分前に会議の時間を知らせてくれたり、用事の1時間前にそろそろでかける時間だと教えてくれたりします。一回の登録で、デスクトップにもiPhoneにも通知を届けてくれます。
アラームをセットする場合は「必要なとき」を逆算して考える必要があります。東京にいるベック君が名古屋の用事を30分前に知ったところで何の意味もないのです。
■最後に
今回は大まかにGoogleカレンダーでどういうことができるかを紹介いたしました。次回はGoogleカレンダーの連携機能にフォーカスしてお送りいたします。
▼今週の一冊
今週紹介したいのは、先週に引き続き美崎栄一郎さんの本を紹介したいと思います。今回紹介するのは『[書類・手帳・ノート・ノマド]の文具術 楽しんで仕事の効率をあげる!』です。美崎さんの処女作である『「結果を出す人」はノートに何を書いているのか』でも多くの文房具が紹介されていたのですが、本書は“文房具の紹介”ではなく、“文房具を如何に活用するか”にフォーカスした、いわば“文房具ハック本”なのです。
文房具好きライフハッカーは迷わず読むべし!
この1週間のシゴタノの記事の中で倉下さんと五藤さんがそれぞれの記事の中で『Evernote情報整理術』を紹介してくれ、大橋さんの記事でも参考図書として取り上げて頂きました。
とてもありがたいです。(><)
本書の6章には大橋さん、佐々木さん、倉下さん、五藤さんのインタビューが収録されています。インタビューを取らせて頂いて、Evernoteとは何かという定義も、使いこなし方も人によってまったく違うということを改めて実感しました。この達人4名のインタビュー記事も必見ですよ!
▼北真也:
仕事術をもっとカジュアルに! わかりやすさ重視の「ビギナーズ・ハック」をお届け。Blog「Hacks for Creative Life!」と勉強会「東京ライフハック研究会」主宰。