ePubフォーマットの電子書籍を閲覧・作成の3ステップ/ビギナーズ・ハック第17回

北真也

ベック君電子書籍を作ってみるの巻

ベック君には夢があった。それは世界を旅してその土地その土地で見聞きしたものを紀行文として出版すること。取り敢えず世界を旅したかったが英語がからっきしだめということもあり、今はもっぱら日本国内を旅してはその土地その土地の美味を堪能することにしていた。

ベック君:(ふむふむ、やっぱりなかむらうどんは最高!)

ベック君はうどんの国香川県で一人旅をしていた。手にはメホリ先輩オススメのMoleskineを持って、ぶらりうどんツアーを楽しんでいたのだ。Moleskineに「コシ ◎、味 濃いめ、店の雰囲気 農家の小屋って感じがまた風情あり」などと寸評を書いていた。

思い起こせば・・・昨日の朝礼の事だった。


オオハシ課長:最近電子書籍のフォーマットでePubがかなり熱いことになっています。今後ST電機も会社を挙げてでもePub形式の電子書籍のビジネスに活用したいと思います。

メホリ先輩:ePub形式ならPagesでも書き出せますし、フリーならSigilというツールもありますしね。

オオハシ課長:個人向けの無料サービスとしてはパブーなんかもBLOG感覚でePubが作成できて面白いよね。

メホリ先輩:もしかしたら今後は電子書籍でも食っていける作家が出てくるかもですね。

オオハシ課長:個人がコンテンツを発信できるというのは強いよね。後、Podcastの仕組みとかもあるから、配信も手間が掛からない。今はePubのPodcastなんて殆ど見かけないから、今始めておくのはアドバンテージあるかもね。ほら、あのレシピ配信してる会社有るじゃん。

メホリ先輩:あぁ、あの加ト吉のPodcastうどんレシピですね!動画コンテンツもありますし、各種ソーシャルサービスにも投稿できるし、かなり電子書籍の未来を感じさせる一冊になっていますよね。

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ベック君:(なんか面白そうだな・・・よし、早速やってみよう!

そうして、ベック君は一人ノートPCとポケットWIFIを担いで香川県に訪れたのだ。Moleskineをポケットに突っ込んで、気分は完全にブルース・チャトウィン。

ベック君:今日が僕の紀行作家としての第一歩だ!

そうして生まれ渾身の食べ歩きレポート「饂飩ドンドン丼どどーーーん」はそのネーミングセンスの最低さもあって累計ダウンロード数:3(うち、本人ダウンロード2)という悲しい結果に終わったのでした。

ePub形式の電子書籍に関するビギナーズハック

前回はiPhoneやiPadで電子書籍を見る方法として、i文庫HD、iPhone/iPadアプリ、ビューンを紹介しました。今回は電子書籍フォーマットの本命とも言えるePubについて、閲覧および作成方法について紹介したいと思います。

ePubとは?

ePubとは米国の電子書籍標準化団体の1つInternational Digital Publishing Forum(IDPF)によって制定されたオープンな電子書籍の規格です。ファイル自体は実はZIPファイルで、中にがXHTMLやCSS、PNGやJPEGの画像データなどWebの世界ではお馴染みのファイルが格納されています。

ePub形式ではPDFなどと違い、1ページの境界が予め決められていません。これによって画面サイズの異なるデバイスでも1ページあたりの文字数を調整することで同一のePubファイルを表示することができるようになっています。

iBooksでePubを閲覧するための3ステップ

iPadの目玉コンテンツであるiBookも標準フォーマットとして採用しており、iBookストアでは様々なePub形式の電子書籍を入手することができます。ただし、現在iBookストアは日本向けサービスを行っていないため、日本語のコンテンツを入手→自動でiBooksに送信という使い方ができません。以下ではiBooksにePub形式の電子書籍を取り込む方法をご説明いたします。

1.まずはiTunesにePubファイルをドラッグ&ドロップで取り込み

iTunes-2

2.次にiPadの同期設定画面で同期したいブックを選択

iTunes-1

3.同期後iBooksを確認すると、先ほど取り込んだePubデータがiPad上で閲覧可能になっています。

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ePubを作成する3つの方法

ePubを作成する方法を3つ紹介いたします。

1.Pagesで書き出す
MacではおなじみのiWorkファミリーのワープロソフトであるPagesの最新版ではドキュメントのePub書き出しに対応しています。Pagesはかなり柔軟な校正機能を備えているので、見た目に美しい文書をePubとして公開することができますよ!(もっとしっかり組版を行いたい場合はIndesignを使うと良いでしょう)

2.Sigilを使ってePubを作成する
Sigilは無料で利用可能なWYSIWYGな電子書籍エディタです。Windows/Mac/Linuxなど様々なプラットフォームで動作可能なところも◎。無料でワープロライクなインターフェースからePubを作成可能なツールは他には見かけないので、ePubを作ってみたいという方は是非お試しいただければと思います。

3.パブーを使ってePubを作成/配布する
パブーはかの有名な蔵書管理サービスブクログの兄弟分のようなサービスです。BLOGライクな画面から記事を作成し、難しい操作なくePubの作成から配布までを行うことができるサービスです。電子書籍の配布サイトとしてもかなり活発なので、多種多様なePub形式の電子書籍を手に入れることができます。

パブーでePubを作成してみよう

ここでは一例としてパブーを用いて電子書籍を作成してみましょう。最後には今回ためしで作成した電子書籍をサンプルで乗せておくので、iPadなどのePub形式の電子書籍を閲覧可能な機器をお持ちの方は是非一度ご覧頂ければと思います。

1.まずは本の基本情報を登録

本を作る | ブクログのパブー

2.次に章立てを決めて

ページの管理 :ほぼ日カズンをフランクリンプランナー的に使う | ブクログのパブー

3.ページを書いていく

ページの作成・編集 :予定のMonthly、計画のWeekly、遂行・記録のDaily | ブクログのパブー

4.最後に公開設定をすれば完了

パブーを用いれば本当に気軽に、BLOG感覚で電子書籍が作れてしまいます。凝ったレイアウトをパブーで(むしろePub形式で)作るのは難しいのですが、iPad版のiBookで読んでみるとかなりの読みやすさに驚かされます。私はよく自分のBLOGで連載形式の記事を書くのですが、そのまとめとして電子書籍を作って配布するというのも面白そうです。

▼今週の一冊

編集後記みたいなネタで申し訳ありませんが、来年の「ほぼ日手帳cousin」が我が家に届きました。今年一年付き合ってみましたが、思っていた以上に使いやすかったです。来年も継続して、もっと使い倒していきたいと思います。

ほぼ日手帳といえば、毎年発売される「ほぼ日手帳公式ガイドブック」はとても楽しい本です。色々なユーザの使い方が写真つきで紹介されていて、「こんな使い方もあるのか!」とインスピレーションを受けることこともあれば「こんなに絵が描けるなんて羨ましいなぁ」と自分の絵心のなさに悲嘆にくれたくなったりもします。その他、ほぼ日のこだわりやこぼれ話も色々書かれているのでほぼ日手帳を使うことがますます楽しくなりますよ!


 

▼編集後記:
北真也
来る11月6日東京ライフハック研究会Vol3が開催されます。

今回のテーマは前回の発展系である「読書活用」です。ご自身の読書を更に進化させたい方、本を読みっぱなしにしてしまっている方、本の内容が今一身につかない現状を打破したい方、ぜひご参加ください♪


▼北真也:
仕事術をもっとカジュアルに! わかりやすさ重視の「ビギナーズ・ハック」をお届け。Blog「Hacks for Creative Life!」と勉強会「東京ライフハック研究会」主宰。



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