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リピートタスクを軽蔑しない


佐々木正悟 タスクシュート・ユーザーからの定番のお悩みのひとつに

  • リピートタスクは進められるようになったが、新しい、もしくは非常に大事なプロジェクトのタスクなどが進められない

といった私にはなんとも当惑させられるクエスションがあります。

「毎日の定型の仕事」のようなものなら進められるけれど、そればかりやっていて人生が終わるのは納得がいかない、といった想いもあるようです。

ある行動を「リピート」とみるのはとらえ方です。

繰り返しといっても、以前とまったく同じことをするというわけではありません。

「朝食」はどの日も同じように思えますが、食べる量は微妙に違うし味も違います。そもそも食している私の身体状態が変化しているのです。

これは「娘を朝、送り出す」というタスクシュートでいう「カベ」に向かって起床からリピートタスクを次々に実行した朝の記録です。

当然どれも「リピートタスク」ではあります。しかし自分が起きるのも娘が起きるのも朝食準備も朝食も、どれもかつてやったのと完璧に同じようにはしていないのです。できっこないのです。

こういうのとはまた別に朝のポッドキャスト収録のような、繰り返してはいるけれど毎朝が「勝負」になる「特別なタスク」もあります。「リピートはできるようになったけど進められない」とはこういう仕事のことをいうのでしょうか。

たしかに空き缶ゴミを出すのや散歩とは違います。しかしリピートタスクとして私は登録しています。そのように認識しているからです。

リピートタスクの価値を切り下げない

リピートとはなにかといえば「新しい行為を、以前と同じように実行すること」です。たとえ毎朝食べるものが違うにしても、朝食には同じフォークとスプーンを使って、同じ右手と口舌を用います。

車の運転と似ています。まったく同じ運転は、この世に二度と起こし得ませんが、運転技術に使う記憶や自動車は「同じように」といっていいでしょう。

「同じように」できると同時に「ちがいを意識する」こともできるのです。「可能」という意味で「同じ技術を使える」ことは大切です。それと同じくらいそのときにしか味わえない体験を、真新しい気持ちで受けとめるのも大事でしょう。

ポッドキャストは毎朝、そういうつもりでやっています。同じ技術を使って違う体験をとらえます。この新しさへの渇望がなければ、時間をとってタスクを実行できなくなるでしょう。

一度でもやれてしまえば、なにかが記憶に残り、リピートタスクとして実行できます。この「リピートタスク」の価値を切り下げないことです。

価値を切り下げてしまうと、つまらない仕事をつまらない気持ちでなんとなくできるように思って、

  • これだけで人生が終わってはもったいない

などと考えるようになるのです。

▼編集後記:
佐々木正悟


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