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「自分の時間」に何をしたいのか?

佐々木さん、自分の時間がないんです

佐々木正悟 新刊が出ました!

Tak. 出世を目指してがんばれるようなタイプの人は、会社という社会の中での関わりを見つけられるんでしょうが、そういうことに興味がないと非常にきついだけで面白くない。そういう感覚はありました。

佐々木 昔の日本の会社はそのへんのことを意識していたんで、会社の中を社会にしようという空気が異常に強くあったんですよね。大きな会社になると、運動会をやったりバーベキューをやったりして、家族ぐるみで会社に関わる。会社で社会を賄うことによって、社会でヒーローにならなくても会社でヒーローになれるようになっていた。でも今はそういうことをやってくれる場所がどこにもない。

Tak. 会社が社会であり、そこでやっていくことが社会と関わることだという感覚を持てるなら、ずいぶん違うんでしょうね。ぼくはイヤだけど(笑)。



本書の1つのポイントは、ここのやりとりにあります。

これを私が「イヤなのはわかります」と受けるわけですが、ではどうしてイヤなのでしょう? 言い方を変えるなら、

会社の中で社会が賄われるのがイヤだとして、ではどんなコミュニティで社会的欲求を満たしていけばいいのでしょうか?

「自分の時間」が足りないのなら…

「私には社会的欲求などありません」という方もいらっしゃるでしょうが、おそらくそれは真実ではありません。

哺乳類というのは社会的欲求をもつ種が多いし、私たち人間の大脳は「社会脳」と言われる部分がいってみれば「肥大化」しているのです。

もしこの部分が「機能しなくたってかまわない」というほど抑圧されているならば、そのひずみが「精神病的に」現れても不思議ではないくらいです。

だから私は直観的に、多くの人の脳のなかで、抑圧された「社会的欲求不満」が吹き出しそうになっていて、これをブログやSNSやYouTubeなどで強力にアウトプットさせようとしているのだろうと、考えているのです。

その際になにより必要なのが「自分の時間」というわけです。

もちろん私は、「いまいちど、会社の中でハロウィーンをやりましょう!」と提唱しているわけでは決してありません。

しかし、これまでなんらかの社会的組織が提供してくれたものののなかで満たされていた「社会的欲求」を、自分ひとりだけの力で満たし得ようとすれば、現在の技術の力を借りたって大変だと思いますし、膨大な時間が必要になるのです。

「自分の時間」が足りないというのは、そんな膨大な時間を、実生活と仕事との時間の他に持とうとしても、ほとんど不可能に近いほど難しいことだということです。

だからちがうやり方を提唱したいわけです。