なにかを選んでおきながら、その選択に自信が持てないということは、よくあります。
- 最新のiPadを買ったけれど、本当に11インチでよかったのだろうか?
- やっぱり12.9インチにしておくべきだったのでは?
- そもそもiPadよりもノートパソコンを買ったほうが後悔しなかったかもしれない。
- iPad mini を買ったほうが、いまの生活に彩りを与えてくれたかも?
選択に絶対の自信を持つことは難しいものです。
とくに多くの人を悩ます選択に、「心配」というものがあります。
「心配する」のは選択です。
これはぜひ覚えておくようにしましょう。
「心配」と似たものでありながら、それよりも圧倒的に強く、進化の役にも立ってきた「恐怖」は、選択ではありません。
「恐怖」もよく考えれば選択の一種だという人もあるでしょう。しかし、恐怖は、とくに強い恐怖は圧倒的で、選択の余地はありません。
自発的に心配することは簡単にできますが、自発的に恐怖の虜になるというのは、誰にでもできることではないのです。
しかし、自発的であっても心配には精神的苦痛がついてきます。だから自分でわざわざ心配しておきながら、そのことが苦痛で、心配の種を減らせないかと、他人にアドバイスを求めたりすることがけっこうあるものです。
それは自然なことです。最初に書いたとおり、人は自分の選択に、決して自信を持てないものです。心配することをあえて選んでみたのはいいけれど、やっぱり心配するのはつらいのよね、というわけです。
「先送り」というやり方には、この「心配」とそっくりなところがあります。
先送りは心配そっくりの「選択」
「先送り」とは、自発的にやることです。それも繰り返しやっていることです。
にもかかわらず、先送りを繰り返す人は、そのことで精神的な苦痛をおぼえているのです。自分の選択に自信が持てません。
- 先送りして、大丈夫なのだろうか?
- なぜ、自分は先送りをしてしまうのだろう?
そんな相談をメンタルクリニックに持ち込む人もたくさんいます。先送りは心配そっくりの「選択」です。自分でそれを選んでおきながら、そのことが苦痛なのです。
ふたつの選択肢のどちらかを選んでおきながら、その判断に自信が持てないということは、どっちを選んでも苦痛を感じるということです。
- AとB。
Aを選んでも、不安である。ならばBかというと、それもちょっと…。
- 先送りと実行。
先送りを選ぶと不安になる。ならば、実行か。それもちょっと・・・。
この問題を解決するには、まず、
先送りは選択であることを確信する
ことです。
先送りは自分で選んでやっている
すでに何度も書いたとおり、先送りは選択です。自分でそれを選んでいるのであって、誰にも強制されていないことを、よくよく了解することです。
選択であるということは、それを選んでいるということです。選んでいるということは、何かしらのメリットを感じているはずです。
先送りを選択するからには、意識しているメリットをつぶさに検討する
べきです。
問題はそれが本当にメリットになっているのか。
先送りをすれば、いまは疲れずにすむ。
しかしそれは本当でしょうか?
実行すればいまよりずっと疲れる。
それは本当でしょうか?
先送りにすれば、明日の自分は喜々としてその仕事をするはずだ。
それは本当でしょうか?
先送りするメリットは、心配するメリットと同じく、あるように思えても実はまったくない。
そのことがわかれば、実行に気持ちが傾きかける。
それでは、いま、実行を選択するとすれば、その選択に自信を持つことができるでしょうか?
自分の決定に自信を持つ
先送りのメリットとは、実行することのデメリットです。
- 実行してしまって、後悔するのではないか?
すべてのハードルはおそらくここにあります。
先送りをやめるとき、私たちの行きつく心境は、
先送りしようかどうしようかで迷っている仕事を実行したときに、いっさい後悔しないと誓うことができれば、この仕事は実行できる
と、なるでしょう。
決定に自信を持つことができない限り、先送りはいつまでも続くはずです。
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第5回のテーマは「もっとも簡単な“いまここ”にいる方法」です!
挙げればキリがないほど、「いまここ」には数多くのメリットがあります。
「いまここ」にいる私たちは、最高の集中力で最速の仕事をこなせます。
「いまここ」にいる時間が多くなればなるほど、私たちは健康でいられるようになります。
「いまここ」にいる限り、私たちは恐れや不安に基づく選択をしようとは思いません。
それなのに「いまここ」と聞くと、私たちはすぐに「なんだか難しそう」「それなりの修行が必要なんでしょ?」「座禅や瞑想が必須なんだよね?」など、自分とは遠い話のように感じてしまいます。
すべては大きな誤解です。
そもそも、現実の時間は「いまここ」しかありません。過去や未来は私たちの頭の中だけにあるイリュージョンです。
私たちが何かを行える唯一のリアルな時間にいることが、難しいはずはないのです。
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