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タスクシュートにはインボックスがない



佐々木正悟 Twitterなのでどうしても「わかる人にはわかる」という表現になっていますが、タスクシュートの発想の基にはこれがあります。

インボックスがないのです。

私は最近、まったく同じような理由から、Evernoteのインボックスも問題にしないようにしています。形式的には存在させざるを得ませんが、ごく一時的に滞留するだけの無意味なノートブックです。

有名な、

インボックスに収集 → これはなにか?

という自問があります。

私は最初に見たときからこれがとても不可解に思えました。

「これはなにか?」と問わなければ思い出せなくなるころには何事であれ、すでに元々の意味と違う意味を、頭は見いだしてしまうではないだろうか

と感じたのです。

もちろんそれでいいこともたくさんあります。

しかし実行を要するような場合には、「これはなにか?」と問うときに、改めて意味づけ直すようであっては、行動の意味が変容してしまう。たいていは動機も見失っている。したがって実行する気がかなり弱くなっているように思えます。

だからタスクシュートでは、可能な限りその場で実行に移すか、でなければ、そのタスクの意味を固めてからごく近い将来に実行するべきなのです。

あるのは「今」だけ

ただ、一般的には前者の「その場で実行に移す」が理想的です。

妻が「やかんの火を止めて!」と叫んでいるのに、その意味を固めてタスクリストに追加し、2時間後に火を止めに行ったのでは、家を追い出されかねない。

まして、「火を止めて!」とあるが「これはなにか?」と問いただすまで忘れているのは論外です。

Evernoteなどでも同じことです

ある情報を保存しておきたくなったとしたら、その意味は、保存時がいちばん的確に理解されています。そのうえ、「後でシゴタノ!などのネタに使おう」とするのは、私には「未来の自分に期待する」ルールを犯しているように思えます。

後で役立てるのではなく、それほど役に立つと思えるなら、すぐにその場で記事を書きだすべきです。でなければおそらく役に立たないネタになるでしょう。

実行できるのは「1/1000」だけ

「今すぐ書くなんて、そんな時間はない」

という方も多いでしょう。そのように現在が忙しいなら、未来の自分も同じです。ここでも「未来の時間に期待する」というルールを犯しているのです。

ネタやアイディアはいくらでも出ます。しかし記事として書くことができるのは、その1/1000にも満たないはずです。人によっては、Evernoteなどに数万単位のネタやアイディアの宝庫を抱えている人も、いらっしゃるでしょう。

それでも、毎日ブログ記事を書ける人は、ほんの一握りです。そして毎日ブログを書いたとしても年に365記事しか書けないのです。

つまり、ネタやアイディアというのは記事に対して1対1000ほどの価値しかないのです。ほぼ無価値です。そのようなモノを保存するほどの意味はありません。

タスクも同じです。実行された行為に対して、これから実行することにしているタスク=計画の価値というのは、1対1000ほどの価値しかありません。

しかもタスクの場合、増えれば増えるほどその価値は下がります。ゼロに限りなく近い価値です。

インボックスというのは、そのほとんど意味のない情報の収集場になりやすいのです。

以上は極論と思われるかもしれませんが、インボックスというのは安易な存在だということです。タスクを放り込む前に実行しようとしてみてください。「うわ…」と感じるなら、いつの自分も同じように感じるのです。

それを未来の自分に託せば未来の自分がやってくれるだろうと思うのは、残念ながら甘いというものです。