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お金の記録は使ったその日のうちに、遅くとも翌日中に終える


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大橋悦夫社会人になる数年前から日々のお金の記録を家計簿ソフトでつけるようになりました。その後、独立してからは個人のお金と事業のお金を完全に分け、個人のお金は引き続き家計簿ソフトに、事業のお金は会計ソフトにそれぞれ入力しています。

かれこれ25年ほど続けていますが、続けられているのは次の2つのメリットが確実に得られることが大きいです。

  • 自分が今後いくら使えるのか(&いつショートするのか)が正確に分かる
  • 毎日入力することで負荷を最小化できる

いずれも、当たり前といえば当たり前なのですが、当たり前だからこそ愚直に続けることで手堅いリターンを確保し続けることができると考えています。

自分が今後いくら使えるのか(&いつショートするのか)が正確に分かる

生活環境や交友関係が変わらない限り、個人のお金の出入りはさほど変動しないものです。

このことは記録をつけてみることでより強く実感できます。まるでサーモスタットのように、「ランチはこれくらい」とか「シャンプーはこれくらい」といった“標準設定”に従って自分が支払う金額が自動決定されているように感じます。

この“標準設定”は日々記録をつけ続けることでより精度が高まり、感覚との乖離が小さくなります。

ある程度の記録が溜まってくると、これをもとに近い将来の予想が立つようになります。

記録がそのまま予定になるからです。

「このペースで使い続けると、この日にショートする」という見通しが立つのです。

僕自身はすでに分かっている出金や入金については、家計簿ソフトの未来の日付にその金額を先に入力するようにしています。

食費、趣味嗜好、日用品、交際費、水道代、電気代、ガス代など、科目単位で毎月ほぼ一定の金額になるものについては向こう1年分の概算額(例えば、ガス代が6000円なら6666円など、仮入力であることが分かるような金額)にしています。

あとは、日々の実際の出費に応じて上書きしていくことで見通しとのギャップを確認することができます。

入力作業がそのままレビューにもなるのです。

毎日入力することで負荷を最小化できる

個人にしても事業にしても、その日に発生した入出金は原則その日のうちに、遅くとも翌日中に入力を終えるようにしています。

理由は次の2つです。

  • ソフト入力時の日付を打ち替える手間が省ける
  • 1日分であればたいした手間ではない

ソフト入力時の日付を打ち替える手間が省ける

たいていの家計簿ソフト・会計ソフトであれば、入力フォームを開くと日付の欄には初期値として当日の日付(PCのシステム日付)が入っていることが多いので、その日のうちに入力する場合は日付を打ち替える手間が省けます。

もし、数日分のレシートをもとに入力することになると、レシートの日付を確認したうえで日付を打ち替える手間が発生します。

まとめてやったほうが効率が良い、という考え方もありますが、まったく同じ内容のレシートでもない限り、1回あたりの分量が増えると「面倒くさい」という気持ちが先に立って継続を困難にします。

従って、最も手間が少なくて済むその日のうちがベストなタイミングと僕は考えています。

なお、この習慣を続けていると確定申告や決算前に改めて時間を割く必要がなくなります。

とはいえこれはおまけのようなメリットで、本当のメリットは、常に明確な見通しをもって日々を過ごせるようになることです。

無用な不安にさいなまれることがなくなり、気持ちを全力投球できます(お金の記録をせずに全力投球するのは不安を先送りにしているだけなので実際には全力にはなりません)。

1日分であればたいした手間ではない

さらに、その日のうち、遅くとも翌日中であればレシートを見たときに「ああ、あれを買ったときのか」と記憶からの後押しも得られるためスムーズに入力ができます。

それが、数日後になると、レシートがあっても「これ何だっけ?」と一瞬考えることが増えます。思い出せれば良いですが、思い出せないと軽いストレスになります。このストレスは間違いなく継続を困難にします。

「面倒くさい」感情の発動限界ギリギリのレベルに抑える

とにかく実行すれば必ずリターンが得られる、という保証があると、おのずと優先度が上がります。

この保証は誰かによってもたらされるものではなく、自分が実際に繰り返しやっていく中で見つけ出すものです。

「どうもこの感じで続けるのが一番ラクなようだ」という具合にです。

お金の記録には手間と時間がかかります。

手間も時間も一日当たりに使える「上限」が決まっていますので、少しでもこれを超える予感が感じられると「面倒くさい」という感情が発動してしまいます。

お金の記録に限らず、日々のあらゆる活動の負荷を「面倒くさい」感情の発動限界ギリギリのレベルに抑えられれば、理論上は最小の負荷で最大のリターンを確実に得られることになります。

すべては記録から始まります。

「小さな習慣」がカギ

このあたりの考え方は、以下の本に実に分かりやすく書かれており、改めて「だから続けられているのか~」と深く納得できました。

「面倒くさい」感情の発動限界ギリギリのレベル、とは「小さな習慣」なのです。


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