メールをいかにうまく活用できるかで仕事の出来不出来が決まってくると言っても過言ではありません(唐突ですが)。
メールというビジネスツールを考えるとき、その役割は大きく分けて以下の2つがあると思います。
- 1.メッセージを伝える/受け取る
- 2.メッセージを保管する
この2つの役割について、様々なメーラー(メールソフト)がその機能の高さ・豊富さを競っているのですが、このうち2の「メッセージを保管する」という役割は、仕事のスピードアップに密接に関わっていると言えます。
なぜなら、この記事でも書いたとおり、仕事のほとんどは「書くこと」であり、書くためには書かれたものを参照する必要があるからです。
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突き詰めていくと、仕事は、「書く」もしくは「書かれたものを参照する」のいずれかになります(極論)。
もちろん、人に会って話をしたり、数字を使って計算したりといった「書く」以外の活動もあります。でも、プロセスはどうあれ仕事の最終アウトプットは、報告書や納品書や請求書などなど、とにかく「書かれたもの」が不可欠です。
まとめると、仕事の実体は、以下の2つです。
- 1.書く
- 2.書かれたものを参照する
このとき、2の「書かれたものを参照する」際に、参照したいものを即座に参照できれば、仕事全体のリードタイムを短縮することができます。つまり、検索スピードの向上です。
メーラーに話を戻します。
メーラは実に上記2つの役割の両方を担っています。そして、高度で複雑なインタフェースや覚えきれない操作たっぷりの製品が続々と出てきています。
システムが複雑になれば、不具合が出やすくなり、仕事に使っていくうえでは不安が残ります。大切なメールが消えてしまったり、エラーが起こるたびに、その修復や原因究明に時間を取られてしまうからです。
そこで、メーラーには1の「書く」という役割だけを担わせて、2の「書かれたものを参照する」役割は別のアプリケーションに引き継いでしまおう、と考えました。
つまり分業です。例えば、
- 1.営業部隊がお客さんを取ってきて
- 2.生産部隊がモノを作って納品する
というように。
今日はこのメーラーの分業体制を構築する方法をご紹介します。
多くのメーラーにはメッセージの検索機能がついています。でも、メッセージの量が多くなってくると検索に時間がかかるようになるという欠点があります。また、たくさんのフォルダにメールを振り分けている場合、そもそもあとで探しやすいようにフォルダに整理分類したはずなのに、どのフォルダに入れたのかがわからなくなってしまうという本末転倒なことも起こりえます。
そこで、僕が最近使っているのはGoogleデスクトップという検索ツールです。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、このツールはメールのみならず、PC内のファイルも検索できます。例えば「Excelでこういうファイルを作ったんだけど、ドコいったかな?」という場合でも、そのExcelファイルに書いたコトバで検索することでたちどころに見つかります。
検索スピードはWindowsに最初からついてくるエクスプローラの検索機能よりも高速です。ちょうどGoogleでネット検索したのと同じくらいのレスポンスで結果が表示されます(是非一度体験されることをオススメします)。
そして、さらに便利なことに、同じコトバを使ったメールも一緒に検索結果に出てきますから、ファイルだけでなく関連するメールのやり取りも同時に見つかるわけです。手間が省けますね。
Excel以外にもPowerPointやPDFファイルなどにも対応しています。詳細は上記リンクで確認してみて下さい(少しずつ対応ファイルが増えているようです)。
ただし、今のところGoogleデスクトップに対応しているメーラーは、
- Outlook
- OutlookExpress
- Netscape Mail/Thunderbird
となっていますので、上記以外のメーラーを使っている場合は検索できません。僕自身もメーラーはBeckyを使っているので、対象外です。
そこで、
- 1.新しく1つメールアカウントを取得する
- 2.1のアカウントをOutlookに設定する
- 3.普段使っているメールアカウントから1のアドレスに転送設定をする
- 4.Outlookを立ち上げておく
という形にしています。こうすることで、すべてのメールがOutlookに届きますので、Googleデスクトップから検索できるようになるわけです。自分から送るメールもBCCなどでOutlookのアカウントに送っておけば完璧ですね。
これで、メーラーは営業に徹し、検索はGoogleデスクトップにおまかせ、という分業体制が確立します。面倒なフォルダ振り分けも不要になるでしょう。
もっとも「フォルダ振り分けが楽しいんだよ」という人には不向きかも知れませんが…。