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可もなく不可もないパターンを多く持つ

朝、起きて顔を洗って身支度を始めたつもりが、ふと気づくとまだベッドの中にいる、つまり夢の中で起きたつもりになっている、ということがあります。当然、この直後に慌ててベッドを飛び出すことになるわけですが、「夢」というのは時々ものすごくリアルに感じられることがあり、夢の中にもかかわらず感情が大いに動かされます。

悲しい夢を見た時には、夢の中で本当に悲しい気持ちになります。そして夢の中での“体験”が覚醒した後も余韻として感情に残り、起きた後になんだか悲しい気分になっているわけです。夢は、起きた途端にフッと消えてしまうこともありますし、しばらく残っているもののいつの間にか消えてしまうこともあります。そして、いつまでたっても記憶からぬぐい去れない夢もあります。

内容を覚えている夢なら良いのですが、内容は忘れたのに気持ちだけ残っていると非常に不可解な気持ちで一日を始めることになります。例えば、ハッピーな夢を見ていた場合、起きた直後に夢の内容を忘れたとしても、「なんだか今日は気分がいい!」ということで気持ちよくスタートを切ることができますが、逆に悲しい夢だった場合は、原因不明の自己嫌悪の朝を迎えてしまうわけです。

前置きが長くなりましたが、夢に限らず、「なぜだかよく分からないが、とにかく○○だ」という瞬間はよくあるものです。こうしたコントロール不能な良い気分というものを少しでも意図的に引き込むことができれば、毎日を楽しく過ごすうえで役に立つのではないか、と思います。

気分に関わるファクターのうちかなりの部分を占めると思われるものに睡眠があります。どんなに忙しくても多寡の差はあれ睡眠だけは毎日欠かさずとっているものです。毎日のことですから、例えば今が7時間睡眠の人が実は6時間睡眠が自分にとって最適な睡眠時間だった、ということが分かれば、1週間で7時間のエキストラタイムを得ることになります。でも、6時間が自分にとっては無理のある睡眠時間であれば、長続きしないばかりか、無理がたたって週末は寝倒してしまい、結果として“赤字”になる可能性もあります。

そんなことを考えながら、僕自身は、

 1.4.5時間睡眠+日中に15〜30分の仮眠
 2.6.0時間睡眠+仮眠なし

という2種類の睡眠パターンをランダムに選んで(現実には選ばされて)過ごしているのですが、今のところはどちらも可もなく不可もなく、ということでどちらかを決めかねています。

できれば、毎日一定のリズムで過ごしたいものなのですが、なかなか思うようにいきません。

そこで最近思っているのが、可もなく不可もないパターンをたくさん持つのが良いのではないか、ということです。例えば、仕事が夜中に込んでしまい、このままでは朝早く起きるのが難しくなる、という状況では

 1.その場ですぐに寝て、翌朝はいつもより早く起きて仕事の続きをする
 2.できるところまでやり切ってしまい、翌朝はいつもと同じ時間に起きて昼に仮眠を取る
 3.できるところまでやり切ってしまい、翌朝はいつもより遅く起きる

というパターンのいずれかを採用するわけです。その時のコンディションにも左右されるとは思いますが、だからこそコンディションに応じた最適なパターンを選ぶことができれば、すなわち有効な選択肢を豊富に持つことができれば、現実に起こる様々な状況に対する対応能力がアップするでしょう。

前回、「実際にやっているつもりになる」というエントリーで以下のように書きましたが、

ここまで詳細にイメージしてあれば、実際にその打ち合わせの場に身を置いたら、既視感を覚え、しかも自分がどう行動するかについてもすでに試行済みなわけですから、非常にスムーズに話が運びそうです。

もちろん、常に想定通りにコトが運ぶとは限りませんが、予め試行済みのシナリオが頭の中で完成していれば、現実に対するときの不安が軽減されるでしょう。

では、このようなシミュレーションをするには具体的にどうすればよいのでしょうか、…という詳細については、また次回に。。

シミュレーションをする際のベースになるのが、可もなく不可もないパターンだと考えています。

例えば、「ところで、すると、考えてみると、ということで」というエントリーではブログを書く時に一定のテンプレートに沿って書くことで、デッサンに沿って色を付けていくように、比較的スムーズに書き進めることができる、というコツをご紹介しましたが、これもパターンの1つと言えます。

これに加えて、「うまく書けた!」と思えたエントリーについては、そこから骨組みを抜き出し、「ところで、すると、考えてみると、ということで」のようなテンプレートを作っておくと良さそうです。「うまく書ける」パターンを増やすことになるからです。

パターンを増やすことで、睡眠パターンの時と同様に、今書こうとしているネタに応じて一番ふさわしいテンプレートを採用することができるようになります。テンプレートが1つしかなければ、毎回そのフォーマットで書くことになり、内容によっては無理矢理当てはめることになって逆に書きづらくなってしまうこともありますので。

パターンが増えてくれば、シミュレーションをすることの実態は「既存のパターンのどれを当てはめるかを決めること」になります。「シミュレーションする」と言われても何をどうすればいいのかがわからずに、なかなか行動に移せないものですが、要するに何をすることなのかが明らかになれば、行動はしやすくなるでしょう。

1つの方法にこだわることなく、複数のパターンになじんでおくことにより、“例外対応能力”が高まるわけです。

以前、とある人から「強さとは例外に対応できる力である」と教えられたことがあります。日々何も変わらない毎日を過ごしていると、イレギュラーな事態に対応する力が減衰していきます。かと言って、毎日がジェットコースターでは身体が持ちませんから、人肌温度の波瀾万丈が望ましいものです。

強い人というのは、平凡な毎日の中にも自分を強くするための「例外」を見いだし、あえてそこにつっこんでいくことによって、プチ失敗を起こし、それがその人の中で“免疫”として息づくようになる、というルーチンをこなしているのではないか、と想像しています。

ちなみに「ベストなパターン」ではなく「可もなく不可もないパターン」としているのは、「ベストなパターン」と名付けてしまうと、それが至高のものになってしまい、新しいパターンを作る意欲が減衰してしまうからです。常に新しいパターンを作り出す意欲をキープするためには、現状に満足していないことを示す「可もなく不可もないパターン」という記号が役に立つと考えています。