本を読まない日はありませんが、読みながら「これは」と思ったフレーズやエピソードはハイライトしたりページを写真に撮ったりして、後からの振り返りに備えています(Evernoteに格納しています)。
問題はその「後から」がいつになるのかが不明なこと。
そこで、週に一度ここ(週間ダイジェスト)でふり返るようにしてみようかと思いつきました。
以下、ざっとふり返ってみていくつかピックアップしてみます。対象は今週に読んだ本に限らず、ここ最近読んだ本から。
時間の使い方について最適なバランスを追求する
私自身、食材の質を下げて利益を出そうと思ったことは一度もない。
なぜなら料理の味の良しあしの80%は食材の質で決まるからだ。料理人の技能は15%。残りの5%が店内での食材の保管状態というところだろう。だからこそ、食材の質にはこだわらなければいけない。
例えば、野菜。本当は、店の裏にある畑から取ってきたばかりの野菜をその場で調理した、作りたての料理が一番うまいはずだ。(p.83)
飲食店経営の話ですが、ここから得たインスピレーションをもとに、以下のようなフレーズが思い浮かびました。
- 提供する商品やサービス(=アウトプット)の質の良しあしの80%はインプットの質で決まる。
インプットの質だけで80%はさすがにやや大きすぎる感じがしますし、技能が15%というのは逆に低すぎるので、飲食業界以外においては適宜調整する必要はあるでしょう。
ここから学ぶべきは、自分の仕事の成果および評価を最大化するうえでの、インプットとその“加工技術”とそれ以外の要素の最適な割合を追求しましょう、ということだと思います。
インプットの質が良くても、それをもとに価値をつけるための“加工技術”が低ければ全体の足を引っ張ってしまうからです。
最適な割合が見つかれば、それが指標になって、時間の使い方を決めるうえで迷いが減るはずです。
» サイゼリヤ おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ (日経ビジネス人文庫)
インプットに十分なコストをかける
食材に十分なコストを掛けることで、粗利益を過剰には取らず、お客さまに還元するからこそ、店は長く続けられるのだ、と私は思う。(p.87)
同様に、以下のようなフレーズが思い浮かびました。
- インプットに十分なコストをかけることで、そこから得られたエッセンスを顧客に還元する。
学びに十分なコスト(特に時間)を投じることで、そのぶんだけ売上を作る活動や余暇の活動が制限を受けますが(時間的な利益が減る)、それによって提供する商品やサービスの価値が上がるなら、それは長期的にはプラスになるはずです。
» サイゼリヤ おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ (日経ビジネス人文庫)
ひとを不幸にするのは一時的な大打撃よりも継続的な小打撃
離婚や失業よりも毎日の満員電車の長時間通勤の方がひとを不幸にするのは一見、常識に反するようだが、嫌な上司(同僚・部下)と毎日顔を合わせなくてはならないことを考えれば納得するひとも多いだろう。
継続的な時間投資が長期的なプラスを生み出すのと同様に、継続的なダメージは長期的なマイナスを生み出すわけです。
そういう意味では、いつか起こるかもしれない“大惨事”を予防するよりも、常に起こっている“小ストレス”を減らすことに注意を向けた方が良さそうです。
» 文藝春秋SPECIAL 2017年夏号[雑誌][Kindle版]