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「何となくむなしい」を脱することのできる2冊

By: Premnath ThirumalaisamyCC BY 2.0


佐々木正悟 こういう、どちらも重厚感のある本をオススメするのは抵抗がありますが、「何となくむなしい」とか「漠然とした将来の不安」のような感情は、そんなに簡単なものではないのです。

うち一冊は以前、シゴタノ!で紹介したことはありますから、すでに読んだことがあるかもしれません。それなら話は早いです。立て続けに(または並行して)お読みになることをオススメします。

次の2冊です。

孤独の科学—人はなぜ寂しくなるのか
孤独の科学---人はなぜ寂しくなるのか ウィリアム・パトリック ジョン・T・カシオポ 柴田 裕之

河出書房新社 2010-01-20
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WILLPOWER 意志力の科学
WILLPOWER 意志力の科学 ロイ・バウマイスター ジョン・ティアニー 渡会圭子

インターシフト 2013-04-22
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可能であればこの順番でお読みになるといいと思いますが、立て続けに読めばそれほど順番を気にする必要はありません。

ストレスがたまるとアイスクリームが欲しくなるのは

同調という実験があります。

同じ長さの線分を選べといわれれば、誰が見てもAを選ぶべき状況で、みんながBを一斉に選ぶと、Aと答えられなくなっていくという実験です。

会社ではもちろん、誰もが経験したことがあるでしょう。よほど無自覚でなければ、こういうことはあるはずです。

人はこうした経験をすると、不安にもなるし淋しくもなります。人とともにあるというのは、単に同じ空間に他の人がいるという意味ではありません。もし人が同じ空間にいれば良いのなら、満員電車やエレベータに乗るだけで、孤独感など解消できます。

むしろ逆です。孤独感とかさびしさ、漠然とした不安とは、自分がただ一人で、自分に、もしくはこの世界に降りかかってくる「わざわい」と闘わなければならない(が、それでは勝ち目がない)という不吉な予想なのです。

極めて基本的な認識すら「仲間」と共有できないなら、孤独と言わなければなりません。同じ長さの線分は当然「A」なのに、みんなは「BだBだ」という。会社は明らかに傾きかけているのに、みんな「絶好調じゃないか!」という。

ここでバウマイスターの「意志力」が出てきます。誰も頼りにならず、ただ一人でがんばらなければならないときこそ、健康に留意するべく、トリ肉とサラダを食べて筋トレに励む?

人はそういうのが苦手な生き物です。人間は、よくいわれているとおり社会的な動物だからです。

社会的な断絶感を持たされた被験者は、平均で九枚のクッキーを食べた。これは、誰もがあなたと組みたがっていると告げられた被験者が食べた量の、およそ二倍にあたる。また、社会的な断絶感は太りやすい食べ物に対する食欲をそそるだけでなく、クッキーをおいしく感じさせるようだった。

孤独の科学—人はなぜ寂しくなるのか
孤独の科学---人はなぜ寂しくなるのか ウィリアム・パトリック ジョン・T・カシオポ 柴田 裕之

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「誰もがあなたと組みたがっている」といわれると、一般的には心強く(自分独りで闘わずにすむ)感じることができるので、心の痛みを和らげるための髙脂質で甘いもの(脳の報酬系を刺激する)をバリバリ食べずにすむ、わけです。

上にあげた分厚い2冊を強引にまとめると、漠然とした心の痛みと闘うためにどんどん食生活を乱してしまって、新たに問題を付け加えてはいけなくて、節制しながら「価値観を共有できる仲間」をひとりでいいから増やすべき、ということになります。

同調圧力は、自分の味方が1人はいる、ゼロではない、というだけで大幅に低下します。「BだBだ」と「みんな」がいっていても、自分の隣の人が「Aでしょう」といってくれれば、「Aだ!」と言えるのです。人間はそういう生き物でもあります。

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▼編集後記:
佐々木正悟




1月31日 理想の2015年を3時間で見える化する!マインドマップ活用術(東京都)


1月末に久しぶりに、やまもとさをんさんと共催セミナーを開催します。

マインドマップで自分の理想を見える化する、のはやまもとさんの領域ですが、そのために私ならどうするか、をお伝えしたいと思います。

最近ブログでは「やる気のロックを解除する」といったテーマの記事を書いているわけですが、脳には「自由に使えるリソース」があまりにも足りない。

だからいろんな工夫をしないと「理想の姿を実現するための時間」なんてどこにもなくなってしまって、最後にはそもそも何を目指していたのかすら忘れてしまいかねない。

やまもとさんはどんな工夫をされたのかなどについても、あわせてお伝えできればと思います。