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夢のような計画を実現させるために必要なツール

By: Xiaojun DengCC BY 2.0


佐々木正悟 モチベーションをいくら高めても、それだけで目標を実現できるということは、実際ほとんどありません。

「要は、やる気だ!」というシンプルな考え方の人もいます。

シンプルなのは、よいことです。でもこれだけでうまくいく例は、ゼロではないでしょうが、かなり希でしょう。

理由もちゃんとあります。

大きな目標ほど地味な行動を要求する

ブログで1000エントリを書いて月に30万PVを達成するとか、いまより20㎏落とした体型を維持するとか、5年以内に本を書いて印税生活を送るとか、そういった話しは、たしかにイメージとしてはワクワクします。

ただ、そのワクワク感だけをずっと維持して行動しつづけるというのは、非常に難しいことです。

どんなブログにも、1エントリ目があります。その1エントリ目を書いている時間に必要なのは、ワクワク感というよりは、自制心です。

なんといっても、足下は地味なものです。よほど想像力をたくましくしないと、1000度同じことを繰り返して、PVを300,000にするなんて、途方もないことに思えるものです。

アタマは遠い未来まで一瞬で到達します。その途中にある、イバラの道というよりは、灰色のコンクリートみたいな道を、てくてく、てくてく歩み続けるというプロセスを、一発ですっ飛ばします。

でも現実に歩くとなると、すっ飛ばせないのです。ここが、面白くないのです。だから冷笑的にもなるというものです。

それでもまだ1エントリ目をかいているころはマシです。

毎日1記事ずつ書いて、1年近く経ったころ、すなわち300エントリを越えたころになってくると、アタマが痛かったり、お腹が重かったり、クチの中が気持ち悪かったりする日もあって、しかも、PVも冗談みたいにわずかだったりすると、1エントリを書いてアップするという冗談みたいに地味な作業が、どんな未来にもつながっていないような気がしてきます。

ワクワク感を自制心に変換するツールが必要

どんな状況にあったとしても、ワクワク感を呼び起こすのは簡単です。細部の欠けた夢の1ショットを想像すればいいのです。わたしのような想像力に乏しい人間でも、そのくらいのことはできます。

わたしが愛読し、頻繁に引用する『グズの人にはわけがある』のなかに、この点について述べた箇所があります。

わたしはEvernoteに引用文を書き写すほど、この一節が好きです。

夢はあいまいだ。

私たちが望むもののぼんやりしたイメージにすぎない。

トロフィー、豪邸、百万ドルの小切手、自分を尊敬のまなざしで見つめてくれる人、南の島の誰もいない海岸などがその例だが、まるで映画のように豪華で壮大なことがあっても、それが断片的であることにかわりはない。

たとえば自分の仕事の頂点に立つことを夢みるとき、自分が起こした奇跡の詳細な場面や人からの賞賛、味わうスリルも思い描くだろう。

しかしそのときに鍵となる重要な場面が必ず抜けている

それはその奇跡を起こし、賞賛されスリルを味わう前にやっているおよそ魅惑的とは言えない地道な作業なのだ。(太字は佐々木)

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未来という時間はまだ来ていないから未来なので、それについては「想いをはせる」ことしかできません。

それに対して「現在」やれることは行動です。

行動を起こすために必要なのはワクワク感や意欲ではなく、行動力なのです。

ただ、ことが「およそ魅惑的とは言えない地道な作業」となると、行動力といっても、実際には自制心になります。

たとえばこのブログでも原稿を書くのでもいいのですが、けっこう疲れていたとしても、キーボードをパチパチするくらいの「指力」ならいつだってあるものです。

現実にパチパチするために必須なのは、クビイタイとか目がショボショボするとかゲンナリすることをする前にTwitterを見てなんとなくすごしたいといった、身体のあちこちから上がってくる不平不満の声を鎮めて、やるべきことをするとなったらやっていてはいけないことを自制する力です。

クビイタクても目がショボショボしていてもキーボードをパチパチさせなければいけない。

それも30分から1時間も!

そんな時にあいまいな夢にうっとりしていたところでなんにも進みません。

「各所から絶賛の嵐」とか「月刊アマゾンランキング一位」とかのイメージに浸るのは、子どもの遊びです。

そんなものは、先の見えてこない原稿の1行を埋める足しにはならないものです。

最後になると、結局役に立つのは、こういうものです。

わたしはこれをタスクシュートでやっているわけですが、この際タスクシュートでなくても、ツールにこういう機能が備わっていれば、いいのです。

もちろん記録がねつ造であったら意味ないですが、正直に記録が残されている限り、地道な行動のための自制心をサポートしてくれるのは、実績の記録です。

ワクワク感を、すばやく実績に変えることで、いくばくかの記録を手にすることができます。

そこから先しばらくは、自制心が目標のための行動を継続させてくれます。

そうして最終ステップに至ることができたら、もう一度ワクワク感でラストスパートできるかもしれません。

▼編集後記:
佐々木正悟



7月18日 第1回 心理ハックセミナー(東京都)

はやくも残席が10ちょっとになりました。ちょっとまだ先の予定なので、いきたいけれどいけるかどうかがはっきりしないという方もあるかと思います。

そういう方には申し訳ありませんが、残席をマメにチェックしていただければと思います。