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年末には、インプット環境の再構築を!

By: Rosenfeld MediaCC BY 2.0


倉下忠憲さて、いよいよ年末です。

少しだけ日常から遠ざかるこの時期は、情報環境を整理するのに最適なタイミングですね。

  • この一年間で興味を持って増やしたインプットが、他のインプットを圧迫している
  • 来年から新しいことを始めようと考えている

どちらの場合でも、何かを削る必要があります。人が使える時間も注意も限りがあるので、単に増やせばよい、とはなりません。何かを削った上で、再構築する必要があります。

今回はインプット環境の整理について考えてみましょう。

Webメディア

RSS

もしかしたら、RSSリーダーでブログを読んでいる人は少なくなっているのかもしれませんが、便利なツールであることは間違いありません。

その便利さ故に、真っ先に肥大化してしまうインプットソースであることも確かです。

惰性で読んでいるけど、よく考えてみると自分の興味とはズレてきているな、というブログがあるならば解除してみるのも手かもしれません。使われる時間もそうですが、プライオリティーの低いことに注意が(あるいは認知資源が)使われてしまうのは、もったいないものです。

Webウォッチャーならまだしも、そうでない方はそこまで情報に精通している必要はないでしょう。選択と集中で、ある程度見切りを付けることも考えてみましょう。

ソーシャルメディア

TwitterやFacebook、あるいはGoogle+やその他のSNS。

こちらもついついフォローを増やしてしまいがちなツールです。普段あまりチェックしないなら、大量にフォローしていても問題にはなりませんが、よくチェックしているなら、RSSリーダーと同様の問題が発生します。

「そもそも見なけりゃいいじゃん」という根本的解決策もあるのですが、それが実行しづらいならばフォローする人を一定数に抑えておくのが良いでしょう。

ただし、自分から見て「好ましい意見」ばかりを集めてしまうと、よく言われる「フィルターバブル」的な状況に陥ってしまう可能性があります。ある程度バランスを考えた、フォロー・ポートフォリオ的なものを意識するのが良いでしょう。

ニュース・キュレーション・アプリ

今年一年で、かなり知名度が上がってきたニュース・キュレーション・アプリ。利用されている方も多いのではないでしょうか。

さまざまな分野の記事をワンストップで閲覧できるので、利便性は非常に高いものです。また、スマートフォンでの利用は、隙間時間も有効に活用できます。

が、逆に言えば隙間時間を食いつぶす存在でもあります。同じ時間で、電子書籍を読み進められることも考えると、全体的なインプット環境を俯瞰する視点も必要でしょう。

RSSやソーシャルメディアも一緒に利用している場合は、情報が重複することも珍しくありません。最新のニュースを追いかけるだけになっていないか、というバランスも考慮して、利用したいところです。

本・雑誌

増えすぎた本や雑誌を処分する……という話もあるのですが、それよりも買いすぎていないかのチェックも必要でしょう。

最近では、電子書籍のセールが頻繁に行われるようになっているので、ついついセールに後押しされて本を買いすぎてしまう、という事態も珍しくありません。

本は買いすぎてナンボ、という考え方もありますが、興味がない本にわざわざ時間とお金を投下するのも考えものです。ちょっと本棚を(電子書籍の本棚も含めて)振り返ってみるのが良いでしょう。

人と会う

人と会うのも、大切なインプットです。

飲み会などもそうですが、最近ではチャットだけではなく動画を使ったオンラインミーティングも身近な存在になってきました。こうしたものは非常に楽しいものですが、そればかりに時間を使ってしまう、というのもいささか行き過ぎかもしれません。

これまでと同じく、全体で見たときのバランスが重要です。

さいごに

もちろん、他にもインプット活動と呼べるものはいくつもあります。今回は代表的(と言えそう)なものを取り上げてみました。

対象がどのくらいあるにせよ、

  • 何かを増やせば、他が減る
  • 何かを増やすためには、他を減らさなければいけない

という二つの原則は変わりません。「来年は本をもっと読もう」と考えているならば、別のインプットを減らす計画も一緒に立てる必要があります。

もう一つ大切なのはバランスです。ソーシャルメディアは楽しいものですが、ソーシャルメディアばかり、というのもいささか危うさがあります。逆に、本ばかり読んでいる、というのもちょっと違うのかもしれません。それぞれの領域を、少しずつでも確保していくのが中庸路線となるでしょう。

もし、記録を付けているならば、一年間のインプット活動を振り返ってみるのもきっと面白いはずです。

ではでは、良いお年を。

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» Weekly R-style Magazine

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▼これまでの「年末には」シリーズ:

・2014年|年末には、インプット環境の再構築を! (当記事)
2013年|年末には、情報環境のリストラを! 
2012年|年末には、Evernote環境の整理を! 
2012年|年末には、情報環境の整理を! 
2011年|年末には、情報環境の見直しを!  
2010年|年末には、情報ワークフローの見直しを! 

▼編集後記:
倉下忠憲



今月もあっという間に月末が迫ってきて、電子書籍の新刊が間に合うかドキドキしております。まあ、ドキドキしている暇があったら手を動かせ、ということなんですけれども。


▼倉下忠憲:
新しい時代に向けて「知的生産」を見つめ直す。R-style主宰。