5歳になるムスメがなわとびの練習を始めました。
初日はそもそも「持ち方」や「ナワの回し方」から入らないといけなかったのが、二日目には3回連続で飛ぶことができるようになってはしゃいでいます。
ウチのムスメは運動神経がいい方ではありませんが(実は不正確な表現ですが)、それでも「前日の学習記憶」を簡単に翌日に引き継げています。妻はこれに驚くし、娘自身も驚いてしまっていますが、これを可能にしているのが「小脳」という器官なのです。
「大きい」動作だから「小さい」脳でまかなえる
小脳の守備範囲は「身体動作」です。トリの小脳が非常に大きいというのは有名です。トリの特徴と言えば飛ぶことであり、飛ぶためのバランス感覚は、自転車に乗りこなせる技能の比ではないでしょう。
しかし、一般的に身体動作というのは大ざっぱなものです。ピアノを弾くにも小脳が関与しているという話ですが、およそ小脳はピアノ向きではありません。それはピアノの練習がいやになった経験が1度でもあればよくわかります。簡単に弾き間違える。うまくいかない。プロのピアニストなど神業に見えます。
ということは、一般人向きではないのです。
身体動作というのはだいたい、ちょっとした違いを大目にみなければ成り立ちません。車のハンドルは「10時と2時のところをつかむ」と習った人も多いと思いますが、ベテランドライバーでも軽く無視しています。だからといって即座に事故につながったりはしません。
Ctrl+WとCtrl+Qとがまったく違った意味を持つ「ボタンの操作」とは根本的に異なる世界です。
動作は大ざっぱでもうまくいく。だから小さな脳でもまかなえるのです。同じような動作は、同じような意味になってしまいます。
だから「本日覚えたなわとびの飛び方」は簡単に記憶され、翌日まできちんと保持されるのです。だから毎日やっているだけで驚くほど上達します。大きな身体動作ですからさほど厳密な差異にこだわって記憶する必要がないのです。
「細かい」作業には「大きい」脳が必要になる
対称的に、細かな作業の意味が著しく異なってしまうような人間の「知的活動」には、言葉と大脳が必須になります。「ド」から「ド#」までの距離は数ミリもないくらいですが、「同じ音」とみなすことはとてもできません。
つまり、ちゃんとピアノを一曲弾こうと思ったら「昨日やったこと」のうち「明日にも引き継げる記憶」はほとんど何もないことになります。ものすごく練習してもさほど上達しないわけです。
「本の書き方」や「イベントの開催の仕方」など、なんでもそうですが、これらは「なわとび」や「運転」や「スキー」と違い、やり方を言葉で記述しなければ、どうしようもないものです。「本の書き方」を「身体で覚える」には、千もの試行を繰り返さなければならず、そのためには言ってみれば「千冊の本」を書く必要があります。そういう時間もチャンスもありませんし、しかも1回目から「成功」を求められるのが普通です。
したがって記録が不可欠になるわけです。
「本を書くために生まれてきたような人」ならその限りではありませんが、生まれつきやり方を知っているのでない限り(人間にはそういう能力はほとんどありません。歩くことすら生まれつきにはできないのです)「身体で覚える」(脳がやり方を記憶するに任せる)というのは非現実的なのです。
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