「つまらないことでも書いておく」というルールを守っていると、自然と湧いてくる感情があります。 「自分は、いつもすごいことを思いつくわけではないが、たまには頭が切れる。まんざら捨てたものではない」という感覚です。 毎日、少しずつ書いたことを読み返してみると、ひと月に数個は、「そこそこイケるもの」があり、過去一年くらいで見れば、「われながらすごいと感じるもの」がいくつかあります。
情報は1冊のノートにまとめなさい[完全版] 奥野 宣之 ダイヤモンド社 2013-11-29
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1%の優れたアイデアに基づいて行動するために
上記引用部はとても大事なことです。思いつきで行動するよりは、厳選された発想に基づいて行動する必要があるということなのです。
思いつきで行動してばかりいると、どうしても成果が上がりにくくなります。シリーズ累計50万部を超える本を書く人ですら「そこそこいける着想」は月に数個、「我ながらすごいと感じるもの」は年にいくつかにすぎないのです。
思いつくままに行動していたら、99.9%は「つまらない発想」に基づいて行動することになってしまいます。
とは言え、ムダを避けることはできません。そもそも「素晴らしいアイデアが浮かぶまで行動をとらない」ことにしてたら、年に数個の行動しかとれなくなります。辛抱強くそれを待つというのも、それができれば悪くないかもしれませんが、ここにはもう一つのジレンマがあります。「後からでないとそれが素晴らしいとわからない」のです。
だからこそ「記録する」という方法は強力なのです。1年分の発想であっても1日で読み返すことができるからです。それに1年間に浮かんだ着想を記憶で取り出そうとしてもムリです。記録は欠かすことができないわけです。
着想を溜めておけば、時間が稼げます。2年分の着想があれば、その中の「優れた数個」を取り出して、実行に移すことができるでしょう。貯金を切らさないようにすれば、上位1%のとはいかないまでも、厳選されたアイデアに基づいて行動できるようになるでしょう。
繰り返すタスクを管理する
このパターンを築くために、もう一つ欠かせないことがあります。発想してすぐ行動に移すパターンを断ち切ることです。
私たちはだいたいのところ、何か行動のトリガーになるような刺激を受けて、適当に記憶を探ってその場その場の必要に基づいて行動するものです。
それでさほど不都合はないと思うかもしれません。ブログを書いたら好いとなればブログを書いて、お金がなくなったら節約し、モヤモヤしてきたら洗い出して仕事に少し精を出す、といったやり方です。
しかしこのパターンで行動していくと「1%の素晴らしい発想を選んで実行に移す」時間すらなくなります。とるべき優れた着想は1%に過ぎなくても、その着想に行き着くために「つまらない1年分の発想」を読み返したり、その中で「我ながらすごいもの」を選び出す時間が必要なのです。
つまり、思いついたアイデアや「いつかやりたいこと」を全部やっている時間はとうていないばかりか、その一部を選び出したり、その一部を実行する時間すら、気をつけていないとなくなるということです。その時間を確保するために行動ログに基づいた繰り返しタスクを管理するシステムも、必要になってくるわけです。
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奥野 宣之
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4月6日 第13回タスクセラピー 3週間で変わるためのタスク管理(東京都)
エントリで書いたような「1%の優れたアイデアに基づいて行動する」方法を、最近検討中しています。
「いつかやりたいこと」を全てやるなどというのはあり得ないということは確信を深めつつあります。
問題は「その中のどれを選ぶか」「その基準は?」なのです。
考えたこと、やりたいと思うことを実際に行動に移すかどうかを決めるために「ミッション」を決めるというのも1つのやり方ですが、私は「日記を残す」という方法を推奨したいと思います。第13回タスクセラピーではその辺のことを中心にお話ししたいと思います。