1月25日に発売となりました『スマホ時代のタスク管理「超」入門』。
発売を記念して、本書の内容の一部を抜粋にてをお届けします。
今回は、第3章より「『どう取りかかっていいか分からない』ときにはタスクを分解する」です。
「どう取りかかっていいか分からない」ときにはタスクを分解する
どう取りかかっていいか分からない
わかりきったことのようでもどう取りかかっていいか分からないタスクというものに突き当たることがあります。
たとえば次のようなタスクがリストにあるものの、どう取りかかっていいか分からず時間を無駄にしてしまうという人がいました。
- □上司に企画案をメール
パッと見る限りやることは単純そのものです。要するに上司にメールを送ればいい。でもその方は新人だったので、
- そもそも上司にメールする適切なやり方に自信がなかった(決まった書式はあるのだろうか? 企画案は添付すればいいのか? ファイルの形式はワードだろうか?)
- 「企画案」とはそもそもどういうものだろう?
- いつまでに、なぜ企画案を送る必要があるのだろう?(後日に伺ったところによるとハッキリとは教えられていなかったそうです)
以上のような悩みがあったため、会社におけるメールのテンプレートを人からもらったり、「企画案」について同僚に尋ねたりはしたものの、仕事そのものは終わることがなく時間が過ぎていったそうです。
動詞がいくつ入ってくるか?
実は「上司に企画案をメール」というタスクはそもそも問題をたくさん抱えています。
- タスク名が動詞形になっていない
- 1つのタスクの中にやることが複数個入っている
- 期限がハッキリしていない
この中で3についてはそもそも知らされていなかったと言うことでしたが私達は「期限がハッキリしない仕事は先送りにしようとする」傾向がありますから覚えておきましょう。
忙しいときは特にそうなります。ハッキリとは分かっていなくてもタスクに期日をいれておくだけで、タスクに手がけようという気持ちは高くなります。
しかし、もっと問題なのは1と2です。
まずタスクとはそもそも目的を果たすために行動を起こすことです。ですから全てのタスクは動詞形になっているのが理想的です。
「メール」で終わるのではなく「メールを送る」に変えます。たったこれだけのことですが、こうするだけで最終的には「メールの送信ボタンを押す」ことによってしか、このタスクは完了しないことが分かります。同僚に書式を尋ねたり、ワードファイルを添付するべきかどうかで「悩んで」いるうちは絶対にタスクは完了しないのです。
次に「1つのタスクにはやることを1つにする」という原則を守ることです。「上司に企画案をメール(する)」の中には少なくとも4つのやることが含まれています。全て動詞形にして分解してみましょう。
- □上司に提出する企画案をまとめる
- □企画案をメールに添付する
- □メールを作成する
- □上司にメールを送る
これで少しは手がけられそうですが、まだ不十分です。
おそらく「上司に提出する企画案をまとめる」ところでつまずきそうです。「企画案について調べる」とか「企画案のラフを描く」とか「企画案をワードで清書する」などといったタスクもこの中にあるのです。
つまり「上司に企画案をメール(する)」は6つ以上のタスクに分解できるわけです。そこまで分解して初めて「企画案について調べる」というタスクを「実行する」ことができるわけです。
「上司に企画案をメール(する)」がいつまでも手がけられない人は自分のことを「やる気がないからできない」とか「時間が足りない」などと考えてしまいがちなのですが、この場合実は足りないのは知識で、その知識を拡充することが仕事の第一歩であるわけです。