フリーになって今年で12年目ですが、何にどのくらいの時間をかけたのかを細かく記録していく、いわゆる作業記録を欠かしていません。
一時間前であろうと一週間前であろうと一年前であろうと、記録が残っている限りは、いつ何をどれぐらいの時間をかけてやったのかを確認することができます。
自己満足といわれればそうかも知れませんが、過去の記録をふり返るたびに「あれ、これしきのことにこんなに時間かけてたのか!」と驚かされたり、簡単に終わったと思っていた仕事が実はトータルでは大変な時間を要していたことを知るにつけ、いかに記憶が不確かなものかを思い知らされます。
さらに記録しておくことのメリットがもう1つあります。
愛読書である『人生に成功をもたらす日記の魔術』で語られていますので引用します。
書くことと、考えることは違う。
違うが大きくかかわっている。
書くとはすなわち、言語化するということである。たとえば、映画を見て感動したとき、その感動は、何らかのかたちで言語化しなければ、「感動した」とか「よかった」という漠然とした思いだけで終わってしまう。
せっかく感動したのに、何に感動したのかきちんと追求していないため、抽象的な印象しか残らないのだ。これはとても、もったいないことだと思う。
感動を言語化するためには、どこがどうよかったのか、自分は何に感動したのかという具体的な理由を明確にしなければならない。そのためには考えることが必要になる。つまり、言語化するということが、意識をその物事に向け、より深く考えるということにつながるのだ。
わかっているつもりでも、それを知らない人に言葉で説明しようとすると詰まってしまうことがあります。
誰かに説明する必要がない場合でも、未来の自分という他人に説明するつもりで記録に残しておくと、今の自分にもご利益があります。
「あぁ、これはそういうことだったのか」と、実はあいまいにしか理解できていなかったことや、何となく勢いでうまくいってしまったことについての原理や道理が整理できるのです。
作業記録をつける際も、「今回はうまくいった」とか「いつもより早く終わった」といった漠然とした実感だけで終わらせずに、どのようにうまくいったのか、いつもとどこがどのように違ったのか、を具体的に記録しておくことで、未来の自分に役立てることができます。
望ましい結果にせよ望ましくない結果にせよ、結果が変わったということは、何か行動を変えたはずですから、何をどう変えたのかの記録が残っていれば、望ましい結果を再現したり、望ましくない結果を抑制したり、といったコントロールができるようになります。
ちょうどプログラムを書き換えるイメージです。
作業記録をきちんと残すために
現在TaskChute2に作業記録をきちんと残すための機能を組み込んでいます。
タスクが1つ終わるたびに、そのタスクに関する感想や残しておきたいメモを入力できるようにダイアログが開きます。
以下、開発途中のデモ動画です(音が出ます)。
この機能を追加したアップデートは、まもなくリリース予定です(購入いただいた方には無料でアップデートをお送りしています)。
関連エントリー:
シゴタノ! TC010:Taskchuteはログである
白紙に記録をとるよりも、何についての記録であるかの下書きやフォーマットがあった方が、容易に記録を残すことができる。そうしたフォーマットを利用してやったことを追記していけば、自動的にログができあがる。 つまりログを残そうと思えば、下書きとしてのタスクリストが先にあるべきで、タスクリストを下書きだとすれば、チェックを入れたものが日報などになってしまうわけです。 タスク=ログなのです。 …
シゴタノ! TC020:Taskchuteを使っていれば時間をうまく使えるようになる
積み木がうまく組めるようになって、「立派な」ものも作れるようになるということは、現実の物理的法則というものを感覚的に把握できるようになって、イメージを形に直せるようになるということです。 同じようにTaskchuteがうまく組めるようになるということは、現実の時間的法則を感覚的に把握できるようになって、イメージを実現できるようになっていくということです。 …
シゴタノ! タスク管理ツール「TaskChute2」をリリースしました
この理屈を僕が知ったのは21世紀に入ってからですが、20世紀の僕にはただがむしゃらに「何時に帰れるのかが知りたい」という一心でした。 こうして、先のExcelシートに「終了予定時刻」がリアルタイムに表示されるようになりました。 …