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「記録している時間があったら、その時間をやりたいことに充てたい」という人へ



大橋悦夫22歳だった僕にお金の使い方を教えてくれた本があります。『ベンジャミン・フランクリン 富を築く100万ドルのアイデア』という本です。

ベンジャミン・フランクリン 富を築く100万ドルのアイデア

本書に以下のような一節があります。

カンに頼るよりも記録をもとに判断する

冬の間、山や川の源流にどれくらい雪が降ったのかを知っていれば、夏の間にどれくらいの水を使うことができるのかを予測することができます。

同じように、あなたが過去におけるお金の使い方を記録していれば、将来の支出の予測も立てやすくなります。


時間にも同じことが言えるのではないか?

この本を読んだのは、社会人1年目の冬、1997年2月15日~18日の間でした。

これに先立つ2週間前の2月1日。どうしても欲しいノートパソコンがあり、当時の収入では手が届かなかったので、生まれて初めてクレジットカードの分割払いで購入(東芝のリブレット30という小型ノートです懐かしい!)。


当然、分割手数料が上乗せされましたが、そのぶん早く手に入るということで、受け入れていました。先の引用からいえば、降った“雪”以上の“水”を使ったことになります。

その後もついつい分割払いで買い物をしては、資金繰りに窮するという痛い目に遭うことがしばしばありました(借金に手を出さなかったのは不幸中の幸い)。

でも、お金に困るという体験は僕にとっては得がたいものでした。

なぜなら、ここから「時間にも同じことが言えるのではないか?」という着想が得られたからです。

「明日の朝早く起きてやろう」 → 本当にやれる?

時間は何もしなくても毎日“降って”きてくれます。どれぐらい使うことができるかは毎日一定です。予測するまでもありません。

どれだけの時間が使えるのかは明白なのですから、あとは何もしなくても(やむを得ず)失われる時間をここから差し引けば、現実に使える時間が弾き出されます。

ほんの一日でもいいので、朝起きてから寝るまでの時間の使い方を分単位で記録してみると、

「使える時間がぜんぜんない!」

ということが強く実感できるでしょう。

「夜にやればいいか」
「明日の朝早く起きてやろう」

といった自分との約束がほとんど履行されないのも頷けるところです。

これを覆すためには、睡眠を削るという“手数料”を支払うしかありませんが、この方法はとうてい長続きするものではありません。

結局、毎日“降って”くるだけの時間の中でやりくりするしかないわけです。

記録する時間が惜しい?

「記録する時間が惜しい」「記録している時間があったら、その時間をやりたいことに充てたい」と感じられるかもしれませんが、これを続けていると、気づかぬうちに「降った“雪”以上の“水”を使う」ことが多くなります。

仮に、やりたいことに十分に時間をかけられたとして、そしてある程度の満足感が得られたとします。記録をとっていないと、その満足感を得るために投入した時間がいかほどであったかは記憶に頼るしかなくなります。

「またあの満足感を味わいたい」と思ったとき、どれだけの時間を確保すればいいのかはカンに頼るほかなくなるでしょう。カンに頼ると、大きく見積りすぎて「いまはそんな時間は取れないから、またの機会にしよう」と早々に諦めてしまったり、逆に少なく見積りすぎて時間が足りなくなり「ほかにもやることがたくさんあったのに」と追い詰められたり、といった望ましくない状況を招きやすくなります。

そんなわけで、時間の使い方を記録に残すことは、時間を使うことで得られる豊かな気持ちを最大化するうえで欠かせない習慣だと考えています。

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まとめ

このブログではすでに何度か引用しているドラッカーの言葉ですが、重要なのでまた引用します(『プロフェッショナルの条件』より)。

継続して時間の記録をとり、その結果を毎月見ていかなければならない。最低でも年2回ほど、3,4週間記録をとるべきである。記録を見て、日々の日程を見直し、組み替えていかなければならない。半年も経てば、仕事に流されて、いかに些事に時間を浪費させられていたかを知る。

(中略)

時間の使い方は、練習によって改善できる。だが、たえず努力をしないかぎり、仕事に流される。時間の記録の次に来る一歩は、体系的な時間の管理である。時間を浪費する非生産的な活動を見つけ、排除していくことである。そのためには、時間の使い方についての自己診断のために、いくつかの問いかけを自らに対して行っていく必要がある。

その問いかけとは、「まったくしなかったならば、何が起こるか?」です。その答えが「何も起こらない」であれば、ただちにやめましょう、とドラッカーは説いています。

これを実践するうえでは、記憶ではなく記録に頼る必要があるわけです。

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