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考えなくても行動できるようになるための考え方



大橋悦夫考えなくても行動できるようになる方法をいつも考えています。「考える仕事」が常にボトルネックになるからです。言い換えれば、「考える仕事」に可能な限りの時間とエネルギーを投入できる毎日を目指している、ということです。以下、それを実現するための考え方です(方法ではなく)。

「考える仕事」は最優先に、できれば頭の冴えている午前中に取り組みましょう。

…といったことがよく言われます。

でも、これは人によりけりで、午前中は頭がぼーっとしていて午後からでないとエンジンがかからない、という人もいるでしょうから、一概には言えません。

自分にとってベストな時間帯に取り組むのが良いわけです。

さらに考えを進めていくと、そもそも「考える仕事」が多すぎるのではないかという疑問にぶつかります。

「考える仕事」というのは、ここでは

  • 様々な角度から検討し
  • 複数のデータを比較し
  • 図解やアウトライナーを駆使して形にしたうえで
  • それを目で見て
  • 手を動かしながら
  • よりしっくりくる形に整えていく

ような仕事、と考えることにします。

正直、僕自身もこのリストを書きながら、「うわぁ~、イヤだな…」と感じていました。

どう考えても手間も時間もかかりそうで大変そうだからです。

こういう「考える仕事」が大好き、という人も中にはいるかもしれませんが、朝から晩まで、それこそ寝る直前までひたすらこの「考える仕事」に没頭できるものでしょうか?

がんばりたくてもがんばれない仕組み

確かに大好きなテーマであれば、ずっと考え続けることができるかもしれません。

でも、大好きな映画を観るにしても、3時間が限界でしょう。途中で休憩をはさみたくなりますし、ほかのことをやりたくもなるはずです。

連続ドラマなど、もっと長時間観続けられる場合もあるかもしれませんが、時間が長くなればなるほど、集中力は下がるばかりでしょう。トイレにも行きたくなるはずです。

つまり、時間の密度が下がるのです。

「もっと観たい」と思えば、脳は「この視聴活動はしばらく続きそうだ」という予測のもとに“出力”を下げて対応しようとするからです。

ちょうど、ペットボトルの水が残りわずかになっているのに、目的地まではけっこうありそうだ、となったら、その水を大事にちびちび飲むような。

薄く引き伸ばすことで、長持ちはしますが、充実度は相対的に下がります。

「がんばりたくてもがんばれない仕組み」とでも呼ぶべきメカニズムが人体にあらかじめ組み込まれているかのようです。いや、実際のところ、何らかの形で組み込まれているのでしょう。

では、どうすればいいか?

この問題に対する、考え得る解決策は2つあります。

  • 引き伸ばすのではなく、時間を決めて集中して取り組み、これを毎日繰り返す。
  • その仕事の中で本当に集中が必要なパートと、それほど必要ではないパートとに分けて、後者については機械的に行えるようにパターン化を押し進める。

前者は、実は多くの人が普通に実践していることでしょう。なので、今回は割愛します。

一方、後者はややこしそうに感じられるかもしれませんが、これがまさに僕が「考えている」ことなのです。

イメージ的には、普通のスピードで話されている音声教材を無音部分を徹底的に詰めることで、全体の尺を短く詰めていく圧縮方法に近いです。

↓以下の記事で紹介されているような方法です。

» 英語学習CDの曲間の無音部分をカットして勉強効率をアップする方法 – TOEIC TOWN (トイックタウン)

このCD、文章の長さ、スピード、難易度、TOEIC対応度と、いずれにおいても程よい感じで、シャドーウィングには最適な教材だと思います。

しかし、唯一の欠点がありまして、曲間が8秒もあるんです・・。こんな感じで↓

曲 – 8秒の無音 – チャイム音 – 1秒の無音 – 曲

この8秒の間がじれったくて集中力も切れますし、勉強時間だってもったいない。

まさにこの「じれったい」と感じる感覚がカギです。

「そういうものだ」と受け入れてしまう前に、とにかく「なんとかできないだろうか?」と抵抗を試みるのです。

今回のテーマである「考える仕事」についても同様です。

「一から十まで全部もれなく考えないといけないのだろうか?」とまずはカウンターをくらわせてみるわけです。

こうすることで、「この部分は以前考えたアレを転用できそうだ」というアイデアが思いつきやすくなります。

「考えなくても行動できるようになるための考え方」というのは実にそういうことです。

参考文献:

このあたりの考え方は、『ロボット心理学』が参考になります。仕事の一部、しかも「つまらない部分」を都合良く「ロボット」に移管してしまうのです。これは狙って行わないと、以下のように逆にしてやられてしまいます。「もっと面白い仕事がありますよ」と。

「ロボット」の目的はそもそも、なじみ深い現実から注意をそらさせることにあるのである。その目的は、「新しいこと」こそ大事だ、とヒトに知らせるためである。

つまりここで面白い事実に気づく。私たちが「古くてつまらない」と思うことはふつう、「注意をそらさせられて」いるからこそ、そうなっているようだ。

ショーウィンドウの中の「新製品」が「欲しくて欲しくてたまらなく」なるとすればそれは、それに「注意を払っているから」ということになる。「すばらしいから」というわけでも、「高級だから」というわけでも、「価値が高いから」というわけでもない。「注意を払っている」から「すばらしく」見えるのだ。

だまされているような気がするかもしれない。しかし、大脳生理学的には、そういうことらしい。

» 「ロボット」心理学 ~[ネオフィリア] – なぜ、人は新しいものを求め続けるのか (impress QuickBooks)[Kindle版]