※当サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

Evernoteを使い始めた人がよくぶつかる3つの問題とその解消法

倉下忠憲
使い始めて5年目にもなると、当たり前になりすぎて気がつきにくいのですが、どうもEvernoteを使い始めたばかりの人は、以下のような問題にぶつかりやすいようです。

  • 何を記録するのかわからない
  • 整理のやり方がわからない
  • (面倒で)続かない

思い返してみれば、自分も使い始めの頃は同じような問題にぶつかっていたような気がします。

今回は、その解消法を考えてみましょう。

何を記録するのかわからない

ベーシックな答えは「何でもいいから記録しましょう」なのですが、使い始めたばかりの人には雲を掴むような答えに聞こえるかもしれません。

個人的には「ちょっとした発見」を残していくのがよいかと思います。最初から、完璧な「ライフログ」を目指さない方が賢明でしょう。それよりも、一日一つでも「自分の心が動いたもの」について記録していくのです。

それは文章かもしれませんし、風景かもしれません。美味しそうな料理や笑わずにはいられない看板かもしれません。たまたま目にしたツイートやブログの一記事ということもありえます。自分で思いついたアイデアだってその対象です。

テキストでも写真でも、気にせず記録していけるのがEvernoteの最大とも言える特徴です。「感動」というと少々大げさですが、自分の心の針が、少しでも振れたものについて記録を残していくと、後から見返したときに__役立つかどうかはさておいて__面白いノート群が出来上がることでしょう。

整理のやり方がわからない

非常によく出てくる問題です。

これまた「整理なんてしなくていい」というラディカルな答えを出したくなるのですが、Evernoteならば情報は簡単に見つけられるという確信がない人にとっては、なかなか落ち着かないことも確かでしょう。

最終的にノートの数が増えていけば「完璧に整理するなんて無理」と気がつき、いかに手抜きの整理で情報を後から発見出来るようにするかに注力するようになるわけですが、それは少し後の話です。

スタートの段階では、

  • タグよりもノートブック主体で
  • ノートブックの数はあまり増やさない
  • タグは補佐なので適当につけるだけ

を意識しておくとよいでしょう。

前提として、最初のうちはいろいろな種類のノートを作らないようにする、という点も重要です。扱うものが増えれば、整理も複雑にならざるを得なくなります。小さく始める。基本中の基本ですね。

当然、慣れてきたら少しずつ対象を広げていくのはまったく問題ありません。

(面倒で)続かない

「なんだかんだで、結局使うのやめちゃったんですよね」

というのも、よく聞きます。まあ、相性が悪かったとすっぱり縁切りするのも一つの手でしょう。

ただ、先ほど紹介した二つの要素を守っていると、わりと続いていくようになるかもしれません。

「自分の心が動いたもの」の記録は、見返してもなかなか楽しいものです。何かしらの価値を感じます。人は価値を感じると、多少手間の掛かる作業でも続けられるものです。

また、最初のうちは小規模でスタートしておくと、そもそもの手間が最小限で済みます。人は何にしても慣れる生き物なので、日常的にちょっとでもEvernoteを使うことが習慣になれば、そこからずるずると__まさにこの表現がぴったりです__使うようになりえます。

さいごに

他の人の「使い熟れているEvernoteスタイル」をスタートの段階でそのままマネしてしまうのは、失敗への最短ルートでしかありません。

一見回り道に思えますが、簡単に・小さいところから始めるのが、長期的な運用を視野に入れた場合、最適と言えるでしょう。

Evernoteを使い始めて5年近くになりますが、なんだかんだで「記録を残しておいて良かった」と昔の自分に感謝できることはいろいろあります。昔の自分にしてみれば、そんなつもりはあまり無かったと思いますが。

▼今週の一冊:

現役プロ雀士が書いた新書、というだけで珍しい本かもしれません。

内容は、著者が軸にする「勝負哲学」の開示、といったニュアンスです。注釈が丁寧についていますので、ルールを知らない人でもそこそこ読めるでしょうが、麻雀好きな人の方がより楽しめるでしょう。

内容についての批評はとりあえず横に置いておくとして、「麻雀プロ」として生計を立てている人がいる、ということを知るだけでも、今の若い人にとっては一つの「発見」になるかもしれません。


▼編集後記:
倉下忠憲



今回の記事は、この記事にインスパイアされて書きました。次はアナログノートを対象に同様のエントリーを書いてみる、というのも面白そうです。


▼倉下忠憲:
新しい時代に向けて「知的生産」を見つめ直す。R-style主宰。