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仕組まれないための仕組みの作り方を学べる2冊

どんな仕事においても、必勝パターンというものがあり、これにいかに早く気づくかが勝負の分かれ目になります。囲碁でいえば定石、仕事術でいえばチェックリストが必勝パターンに当たります。

たとえば、ロバート・アレンはお買い得な不動産物件を見極めるための必勝パターンを「バーゲン・ファインダー」と呼ばれるチェックリストにまとめています。物件のロケーションやコンディション、売り手の支払条件など5つの項目から成るリストで、それぞれについて1~3点で採点し、合計点が12点未満の場合は、その物件は諦める、としています。

こうすることで、感情に左右されずに冷静に物件を判断できる、というわけです。

ただし、問題もあります。

必勝パターン依存症

こうしたチェックリストは、見た目はシンプルですから真似るのは簡単です。チェックリストに沿って作業を進めていけば、誰でも同じように結果を出すことができるようになります。

でも、チェックリストを作った人以上の結果は望めません。なぜなら、チェックリストはこれを作った人の苦労の上澄みでしかなく、それ以外の大部分はチェックリストの奥底に沈んでいるからです。

作った本人にとっても、無反省に使い続けていれば、いつかはその効力を失うことになります。

 
『世界一受けたいお金の授業』という本に次のような例が紹介されています。

他人が作った仕組みに乗るのは、手っ取り早くてラクなように思えますが、実際には思わぬ落とし穴が潜んでいることが多いものです。

特に、フランチャイズ形式はもともと、本部が脳に汗をかいて、試行錯誤を繰り返してできたモデルを、他人におすそ分けする仕組みです。したがって当然、本部が儲けることを前提に作られています。

極端な例ですが、このように仕組みを持ち込むことによって、作る側は使う側との間に高い障壁を打ち立てることができ、利益を独占することが可能になるのです。

本書のテーマは、一言でいえばお金のリテラシーの高め方。

具体的には、お金の稼ぎ方、使い方、貯め方の3つです。実はここにも「必勝パターン」があります。その1つがブロックパズルという著者の編み出した仕組み。これを使うことで、複雑な構造がスッキリと整理され、答えにたどり着きやすくなるのです。

フランチャイズと違い、ブロックパズルに「落とし穴」はないでしょう。その代わり、これに依存してしまって、本質に目を向けなくなるという懸念はあります。

 
あらゆることに疑ってかかるのは非効率ですが、

僕たちは自分を守る手段として、「仕組みをつくる側の目線」も持っておく必要はある。「つくる側の目線」があれば、他人の仕組みに乗るときだって、あらかじめ落とし穴に気づけます。

とあるように、最低限の注意は怠らないようにしたいものです。さもなければ、お金以上に大切なリソースであるチャンスを危機にさらしかねないからです。

どんなチャンスか?

 
それは自分で仕組みを作るチャンス、です。

本書から学ぶべきは、お金とのつき合い方を見直し、自分なりの必勝パターンを作り上げるための方法と実践であって、そのためのツールとしてブロックパズルにとどまるのはもったいないと感じます。


余談・仕組みの作り方

仕組みの本質はリストです。考えたり手を動かしたりするプロセスを点に分解し、順番に並びかえることで、ルール(法)とオーダー(秩序)が生まれます。そこから得られるのは再現性です。そして、この分解と並び替えが仕組み作りの実態になるわけです。

あとは、このリストを最新の状態にキープし続けることで、自ら仕組みの落とし穴に陥ることは減るでしょう。

なお、リストの作り方については以下の本が事例も豊富で参考になります。


▼合わせて読みたい:

お金の使い方について、より突っ込んで解説しているのが以下の一冊。「本当に大切で難しいのは、実は稼ぐより使うほうであると断言できます」ということで、稼ぐ前に知っておきたいお金の使い方が学べます。


▼次にすること:
・ブロックパズルを使って自社を含む身のまわりの会社を分析してみる
・そのうえで、よりよいお金の使い方ができるよう現状の仕組みを見直す