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ブログを書くことで得られるの3つの効用

 1.持論が洗練・強化される
 2.異なる視点での応用事例が得られる
 3.新たな“アタックポイント”が得られる

先日のブロガー勉強会の補足も兼ねて、まとめてみます。「ブログを書くことで得られるの3つの効用」としていますが、ブログに限らず、例えば「誰かに持論を述べることで得られる3つの効用」であっても、その効用はほとんど変わらないと思います。

1.持論が洗練・強化される

ブログに書かれることというのは、その内容がたとえ引用のみで終わっていたとしても、持論であるところから逃れることはできないでしょう。自分で考えたことであれ、人が考えたことであれ、何かを言葉で指し示すという行為には意志の介在なくして成り立ちませんし、仮に「直感的に」言葉が紡ぎ出されてきたとしても、その直感の源流にはその人をその人たらしめている考え──時間をかけて積み上げてきた基本的な考え──があることに変わりがないからです。

そのような「考え」を言葉を使って自分の外に押し出した時、そこに外部による評価が生まれます。

自分一人で考えている限りは、上記の「考え」が外部からの干渉を受けることはありませんから、その状態は維持されます。言い方を変えれば、それ以上の進化が期待できない、ということです。

一方、この「考え」をブログに書く、あるいは人に話す、すなわち誰かの目に触れ(う)る状態に置くことによって、その瞬間から“新陳代謝”が始まります。

書いてみて、文字として外に出たところのものを目にすることによって初めてそれまで抱いていた「考え」との違いに気づくこともあるでしょう。

 「自分が言いたいのはこんなことではない」

という不一致にぶつかるのです。

もちろん、

 「まさに、これが自分の言いたいことだ」

という一致を見る場合もあるでしょう。

自分では一致を見ていても、他者からは不一致を突きつけられることもありますし、その逆もあるかもしれません。

いずれの場合においても、内と外とのマッチングができる状況が生まれますから、これを足がかりにさらに「考え」をそこに積み上げていくことができるはずです。

そこにいる他者(ブログに書くのであれば読者あるいは未来の自分、話すのであれば目の前にいる話し相手)が「壁」となって、自分が放った球が手元に跳ね返ってくるわけです。

この跳ね返りが、次の行動(書くあるいは話す)を促します。

人に道順を説明しようとする時を思い浮かべてみるとわかりやすいかもしれません。

 「おっと、そこまで行ったら行きすぎ!
  1本戻ってタバコ屋の角を右に曲がって…」

このように、相手からの一致信号や不一致信号をもとに、何とかわかってもらおうと躍起になるでしょう。このプロセスが、持論を洗練・強化することになります(この場合の持論は、「わかってもらいやすい道順の説明方法」ということになります)。

すなわち、よりスマートかつスムーズに、そしてストレートに伝わるように改良を加えていくのです。プログラミングでいえば、リファクタリングがこの概念に近いでしょう。

2.異なる視点での応用事例が得られる

他者からの一致信号や不一致信号は、自分とは異なる視点に立っているからこそ生まれるものもあるはずです。すなわち、自分では思いつけなかった道筋が、他者からのフィードバックを通して得られるのです。

3.新たな“アタックポイント”が得られる

特に他者から一致信号を受け取っているにも関わらず、それが自分とは異なる視点から発せられたものであるとき、そこに“未体験ゾーン”の入り口が現れます。言い換えれば、同じゴールに通じる別の“アタックポイント”が得られる、ということです。

例えば、先日のブロガー勉強会で、Lifehacking.jpの堀さんが以下のようなことを書いてくださっていますが、

» AMN ブロガー勉強会に参加しました (スライド公開)

質問が回ってくる前から、小さな付箋にメモをとっておられて答えが明確に構造化されていたのが印象的でした。付箋メモだったらすぐに Moleskine など、自分の所定のキャプチャー用の手帳に貼付けたり、順番を変える事ができるので便利そうです。

ここで僕自身は、確かに小さな付箋にメモをとってはいましたが(一致)、「すぐに手帳等に貼り付けられるようにするためにそうしていた」わけではありませんでした(不一致)。

正直なところ、普段は紙の(メモを取るための)手帳というものを持ち歩いておらず、当日たまたまカバンの中に入っていた付箋をその場しのぎ的に使っていたのでした。

それでも、堀さんからの一致信号を受け取ったことによって、「確かにそうだ」と再一致がかかり、伊東屋に出かけて行ってモレスキンの手帳を購入しました。それまでは、紙の手帳は検索に不向きという致命的(と思っている)欠陥があるために、ずっと使用を控えていたのです。

その後、別の、やはり紙のノートや手帳を日常的に使っている方から「道具は思考を規定する」という内容の話を聞き、「やっぱりそうだ」と再々一致を見た結果、まだまだぎこちないながらも、モレスキンを毎日のように持ち歩き、そして読み書きするようになりました。

長くなりましたが、一言でいえば一致や不一致に身をさらすことによって、新しい行動習慣が手に入りうる、ということです。

ところで、今回の話は、『リーダーシップ入門』という本で得たことが土台になっている、ということに以下のエントリーを読み返して気づきました。つまり、忘れていたわけです。でも、ブログに書いておいたおかげで、何らかの痕跡が残っていたのでしょうか、それがフックとなって思い出すことができたようです。

» 知りえたことを行動に移すコツ

「なるほど!」と思ったことは、なるべくその後の自分の行動に落とし込めるほうが良いわけですが(=知行合一)、この知りえたことを行動に移すコツは、「リスト形式にまとめる」ことだと思います。

「なるほど!」を再現するためには、何と何と何をやればいいのかをポイントを絞って箇条書きにしておきます。そして、そのリストに沿って身体を動かすだけで、自動的に「なるほど!」に辿り着けるようにするわけです。

インスパイアされた本:

リストのチカラ [仕事と人生のレベルを劇的に上げる技術]
堀内 浩二
ゴマブックス 2008-02-27

by G-Tools

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