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ちょっとした7つの勉強のコツ
外山滋比古さんが「勉強のコツ」を、わかりやすいエッセイ調でまとめた文庫。本書のもとは、すでに2000年に出版されたものですが、加筆・修正もありますし、「古い」という印象はありません。非常に読みやすい本です。 本書を読んですぐに感じられるのは、「実に人間らしさ」があふれていて、世の中にはそうそう「スーパーマン」はいないということです。結果としてスーパーマンに見える人たちは、効果的な工夫に余念がなく、徹底しているということだと思い知らされます。 1.朝飯前にやってしまう 2.勉強部屋を用意する 3.立って勉強する 4.頭を冷やす 5. かすかな音楽を聴く 6. 歩きながら考える 7. 頻繁に休憩を入れる
1.朝飯前にやってしまう外山さんがここで使う「朝飯前」は、「仕事が簡単だから朝飯前でやれる」という意味ではなく、「朝飯前にやってしまえば、頭がよく働くから、つらい仕事もすんなりこなせる」ということです。 前の晩に、どうしてもうまくいかなかったことが、一夜明けてから、朝飯前にしてみると、あっけないほど簡単にできてしまう。そういうことを経験した人はすくなくないはずである。(p14) 時間的に「朝飯前」に仕事をするのが難しかったり、体質に合わない人もいると思いますが、満腹時よりも空腹時の方が、頭がよく働くというのは、ウソではないと思います。試してみて損はなさそうです。 2.勉強部屋を用意する本書で外山さんはこの「勉強する環境を用意する」事の重要性を、何度も強調しています。何でも同じ部屋、同じ環境でやろうとするのはよくない、というのです。 特に家の卓袱台で勉強するのは、そういう気分にならないからよくないといいます。この辺は、勝間和代さんや野口悠紀雄さんが、ノートPCを食卓においておくとすぐに仕事に取りかかれていいというのと、意見を異にしていて面白い。 いずれにも一理あると思います。すぐ取りかかれた方がいいのは、取りかかりさえすれば終わることや、すぐに取りかかれるくらいに、気持ちが高まっているとき。しかし、取りかかってもすぐに、他のことがやりたくなってしまうような気持ちの時には、「勉強部屋」でまず、気持ちをスイッチする必要があるのでしょう。 人間はまわりから自分の意志ではどうすることもできない影響を受けている。それによって、体も変化したり、精神も違った働きをするようになる。その昔、中国の孟子の母が、わが子のすこやかな成長を願って、居所を変えたことは有名である。(p46) 3.立って勉強する外山さんはまた、「姿勢」のことを繰り返しいいます。要するに、頭が働く姿勢というものがある、というわけです。どっかり腰を下ろしていては頭は働かず、アームチェアなどは勉強に向かない、というわけです。 できれば、椅子に座らずに立って立ち机で勉強するのがよい、というわけですが、これはさすがの外山先生も、実践できてはいないとのこと。 立つのはあきらめて腰かけることにして、椅子はしっかりした、木のものにかぎる。クッションのついた椅子では居眠りには適していても、頭を使う作業には適さない。腰かけはなるべく、粗末なものがいい。(p71) 4.頭を冷やすこれはいいでしょう。 頭を冷やして、足を温めよというのは、よくいわれることです。 ただ、ここまでお読みいただいてすでにおわかりの通り、外山さんは環境が頭に与える影響を、かなり重視しています。冒頭の「効果的な工夫に余念がなく、徹底している」とは、そういう意味です。 5. かすかな音楽を聴く「かすかな」とは、集中を妨げない程度の、という意味です。このあたりの考え方にも、現実的で、面白い基本姿勢が現れています。 なぜ集中を妨げない程度に、音楽を聴いた方がいいのか? それは、「静かすぎると集中できない」からです。同じ意味で外山さんは、「時間がありすぎるとだれる」という点についても、何度か注意を述べています。 つまり、恵まれすぎた環境では、精神はかえって集中を損なうということで、生物たる人間は単純ではないわけです。 6. 歩きながら考える頭を使うことは、身体を使うこと。中でも簡単にできるのは、散歩などの軽い運動で、机にかじりつき通しでは、「収穫逓減の法則」に絡め取られてしまうといいます。2時間の勉強は、1時間の2倍の収穫にはならないというのです。 これは私も、もっと注意してやりたいと思ったことでした。ある程度こうしたことはわかっているものの、つい、仕事が立て込んでくると、机にかじりついていたくなります。机はいわば城であり、城に籠もっていれば安全(仕事が終わる)と期待しがちなのです。 実際にはしばしば、城を枕に討ち死に、という結果に終わります。それほど悪い結果でなくても、気持ちが完全に守りに入っているというのは、あまりはかばかしい結果につながりません。 7. 頻繁に休憩を入れる散歩とも似ていますが、とにかく間を開けるということです。仕事Aから仕事Bへ。まっしぐらに進んでも、精神のスイッチがうまくいかないため、結局ムダが多いわけです。勉強もまさに同じ。 自分自身で、仕事と仕事の間に、ほんのわずかでもよいから休憩を取ることを推奨しているくせに、やはり立て込んでくると、「のりしろ」がなくなってしまいます。急がば回れというのは、本当に色々なシチュエーションで正しい諺です。 まとめ全体を貫く基本姿勢はこうです。 「最適な環境は、勉強する環境として、最適ではない」 ちょっと不都合なくらい、ちょっと何かが足りないくらいが、勉強するにはちょうどよいというわけです。最も良く集中できる。ちょっと椅子が堅く、ちょっと時間が足りず、ちょっとうるさい。「立って勉強」とか「かすかな音楽」などはそれに基づいた「勉強ハック」というわけです。 こうしてみてくると、知的活動は、いくらか不都合な状態において、かえって効率がよいということがわかる。ほかのことをしながら、あるいは、ちょっとじゃまなことをともなているときに、頭の働きはもっとも活発になるようである。(p94) 【参考】
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2008/11/14 Fri 23:49 by 



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