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はじめに「興味」ありき

私たちは普段から、「ごく自然に」「おかしくないやり方で」という問題で足を取られています。卑近な例が、「異性の友達や恋人を作るきっかけ」です。「自分の良いところをアピールする」のがいいと知っても、誰に何をどういうきっかけでアピールすることができるのか、どうにもやりようがないということはよくあることでしょう。

「人脈作り」あるいは「他人へのアピール」についても、似たような問題があります。

たとえば、「ブログを連日更新し(と、さらりと言うほど簡単ではありませんが)見知らぬ誰かに自分を知ってもらう」というのは魅力的なやり方です。ですがそうしたからといって、「きっかけ」が降ってくるとは限りません。もっと「きっかけ」を高率で得たいと思ったら、どうしたらいいでしょうか?

ブログからの出会い

2007-12-22(土)の大橋さんの記事を、もう一度見てみましょう。

僕自身、今のような仕事ができているのはすべて「よき仲間」のおかげなのですが、そのような仲間に恵まれた理由の1つは、淡々とであれブログを続けているからだと思っています。

この直後に私の名前を挙げてくださっているのですが、たしかに大橋さんと私が知り合ったきっかけは、「淡々と更新していた」という大橋さんのブログでした。私が全くの偶然から大橋さんのブログを留学中に見つけ、何とはなしに自分の本のことをコメントした後、日本でお話しするという機会を得たわけです。

これを大橋さんの記事内容に従い、単純に図式化すると、次のようになります。

大橋さんがブログ更新
→佐々木がこれを見つける(大橋さんのアピール)
→佐々木が「シゴタノ!」管理人と何か面白そうなことができそうだと勝手に直感(「貢献」の可能性)
→コメントをつける
→話をして意気投合
→一緒に仕事をするようになる

こう書いても「ウソ」は何一つとしてありません。ただ、形式的にこれと同じ事をして、同じ成果を得ようとされても、なかなかそのようには事が展開しないのではないか、と懸念されます。

興味の双方向性

つまり、お気に入りのブログを連日RSSリーダーなどでチェックし、場合によってはブログ管理人の著書などもくまなく目を通し、「お話を伺いたい」とコメントし、快諾されたとします。これはいい話だと思いますし、試して損のない方法だと思うのですが、「お話を伺って終わり」になる可能性も決して低くはありません。

もちろん、「お話を伺って終わり」になったとしても、それも大きなメリットです。後日このことがきっかけで、ビジネスが生まれるかもしれません。ただ、私自身はなかなか、自分がかつて使った「方法」をもう一度「人脈を築くため」に活用しようという気にはならないのです。

もう少し踏み込んで言うと、深い人脈を築くならただ一つ気にかけるべき点は、「興味を持つこと」に尽きると思います。ブログは、自分が何に興味を持っていると素直に言えるか、それを表現するのによい手段です。

そしてブログに対するコメントなどは、管理人に対してどのように興味を持っているかを伝達するのによい手段です。けれどもどちらにせよこれは「手段」です。同じようなことは、ブログを書くかわりに本を出版することでも可能です。そして、コメントをつけるかわりにはがきを出してもよいわけです。

ここで忘れてはならないのが、少なくとも「関係を築く」のが目的であるならば、相手に対して一方的に興味を持つというだけでは不十分だということです。相手にも自分に対して、少なくともある程度の興味を持ってもらう必要があります。

このような話になると、私たちの悪い癖が出て、急に怖じ気づいてしまいます。つまり、たくさんの読者を持つブロガーや、本を何冊も出している人間が「自分などに興味を持つ理由がない」と勝手に思ってしまいがちなのです。

けれどもそもそも、自分が興味を持って選択しているブログを書いている人のことです。自分とまったく似ても似つかぬ人間だ、ということは希でしょう。だとすれば自分と同じようなことを得意として、同じような課題を抱えている可能性が高いはずです。

ここに相手に興味を持ってもらうための、アピールポイントの探しどころがあります。つまり、相手が抱えているであろう課題に対して、自分はどのように取り組んでいるのか、という点が大切なのです。べつに課題でなくても、とにかく共通の意識が集中しているポイントを、自分ではどのようにとらえているのかということが、自分のアピールポイントとなりうるでしょう。

自分が確かに興味を持っていることを、アピールする。このことの大切さは大橋さんの記事中にも、述べられています。

僕自身、今のブログは8つめにあたります。つまり、これまでに7つのブログを開設したものの継続できずに放置してしまっています。でも、継続できなくなるたびに、

 「このテーマは自分には無理がある」
 「毎日欠かさず更新するのは厳しい」
 「読者のために書いていたらやってられない」

ここで述べられていることは、要するに「自分の本当の興味」に集中するということです。ブログを更新するにせよ、コメントをつけるにせよ、会って話をするにせよ、深い関係を築こうと思ったら、このポイントを外すべきではないでしょう。