週に一度必ず発生する、10分もあれば終わる定型業務があった。
さほど時間のかかるものではないし、前後の流れの中で勢いでできてしまうものだったので、何となく続けていた。
それがあるとき「これは自分でやらくてもいいのではないか?」と思い始めた。週に1回、最大10分であっても月間では40分、年間では8時間。
たった10分であっても、勢いでできてしまうものであっても、その業務をするために一定の注意力を必要とする。間違いがあってはならないので、終わった後もチェック作業が欠かせない。
つまり、疲れる。
そこで、ちょうど1年前、この業務をアシスタントにお願いすることにした。
最初に手順や勘どころを説明する必要があるのだが、それは最初の一回だけで済む。
任せてみたところ、クライアントからの評判は予想以上に良い。「自分でやらなくてもよい」どころか、むしろ「自分でやらないほうがよい」仕事だった。
常に任せることが正解とは限らないが、任せてみることで初めてわかることもある。
かくして、この1年間で8時間という時間に加えて、クライアントからの評価という、始めるまでは見えていなかった副次的なメリットが得られた。
浮いた時間と注意力は真に「自分でないとできない仕事」に振り向けることができるようになった。
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依頼先の会社では、もともと、ビデオの撮影・編集・ダビングを専門に行なっており、発送作業はメニューにありませんでした。しかし、撮影から発送までセットでお願いできないかと提案してみたところ、快諾してくれたのです。
私はその業者に業務のフロー図を渡し、指示を出すだけ。いままで自分ひとりで行なってきた、宛名書き・封入・フォローメールの配信・代金の回収など一連の作業を、すべて手放すことに成功したのです。
これで私は、費用の代わりに手に入れた時間を、コンサルティングや講演などの活動にあてられるようになりました。
「外注したいけれどやってくれる人がいない」と思い込んでいませんか。提案すれば相手が動いてくれることもあるのです。お客様でも、外注先でも、相手にとってメリットのある話ならば、耳を傾けてくれるということを覚えておいてください。
現在では、自分の時給(1時間あたり、会社として稼がなければならない金額)を決め、サイト制作やライティングも
自分の時給 × かかるであろう時間 > 外注した場合の費用
であれば、迷わずに外注しています。(p.27)