教授は、とにかく、プロクラスティネイトしてはいけません。そういう気持ちになったら、立ち上がって、コップ一杯の水を飲んで、何も考えずにすぐに取り組みなさい」とアドバイスしてくれたのだ。これを聞いた読者の方も、大したアドバイスとは思わないだろう。
しかし、これは一定の効果が上がる方法だということを、すぐに悟った。水を飲んだら何も考えずに、という点がポイントである。人が先送りに成功してしまう理由は、考えてしまうところから始まる。
- うまくいかないんじゃないか…
- えらく時間がかかりそうだ…
- 疲れるんじゃないかな…
- 目や腰にこないかな…
などなど。
(中略)
人間の注意は、行動を変化させると一旦停止する。コップ一杯の水は、考えを一旦停止させる。その間隙を利用して、再度考える暇を脳に与えず、一気に行動パターンを勉強に向けてしまう、というのが教授のアドバイスだったわけである。
実際にやってみると、この方法は確かに効果がある。喉が渇いていなくてもとにかく必要以上の量を一気に飲む。そして、時を置かずに仕事に取りかかるようにする。
「ちょっと喉を潤す」という程度を超えて、これ以上飲めない、というくらいの量を一気に飲むことによって、明確に「今、水を飲んだ」という感覚が体を支配する。その結果、雑念が文字通り水に押し流され、目の前がクリアーになる。
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