5年前に某所で書いた内容ですが、大切なので少し加筆したうえでご紹介。
さて、このようにメモを作ってしまえば、本そのものは、出がらしのお茶の葉のようなものです。読み返しても、もうほとんど何も出てきません。それよりも、新しい本を読んだり、メモを読み返したりすることに集中したほうが、効率よくエッセンスを吸収することができます。
なんといって時間は有限ですから、一度読んだ本は二度読まないつもりでいたほうがいいと思います
化学における「結晶化」というプロセスを思い出します。Wikipediaの内容をまとめてみました(化学は専門ではないので大目に見てください)。
●結晶化は核形成と結晶成長という2つの段階からなる。
1.核形成
・溶液中の溶質分子が集まってクラスター(集団)を作る段階
・クラスターが結晶の核となる
・安定した核であるためにはある程度の大きさが必要
・大きさは溶液が置かれている条件によって決まる
・この段階で「結晶構造」が決まる
・「結晶構造」は原子の配置の様式を意味する2.結晶成長
・出来上がった核が成長する段階●核形成と結晶成長は過飽和状態が続く限り進行し続ける
・過飽和状態とは、
・平衡状態における濃度よりも多くの溶質を含んでいる状態
本を読む時になぞらえれば、その本が「過飽和状態」であれば、「結晶化」の余地があることになるでしょう。
すなわち自分にとって中身の濃い本であり、様々な「行動につながる知識の結晶」をその本から得られることが期待できる状態です。
本を読みながら、自分にとって「核」となる要素をうまく拾うことができれば、その「核」を中心に関連する事例や考え方を寄せ集めることができ、結晶化が進みます。
もうこれ以上学ぶべきことがない、と判断できた時、読書の「結晶化」が完了し、手元に「結晶」としての読書メモが残ります。
同時に、その本は要らなくなるのです。
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