『フォーカス・リーディング』を読んだ前後あたりから、それまでの読書スタイルに変化が起きています。
それによって、今までは、
- ハードカバー、無理
- 300ページ以上、無理
- 上記以外の理由で読みづらい本、無理(言葉の好み、趣味の問題、背景知識の不足など)
という“無理三条”によって、ずいぶんと読まずに積ん読にしていた本があったのですが、その牙城を崩しに掛かることができています。
そして、今さらながら無理三条本ほど得られる収穫がリッチなことに気づかされています。
はじめに
今回ご紹介する読書法は、『フォーカス・リーディング』に書かれていたことをベースに、2ヶ月ほど自分なりに試行錯誤を重ねた結果、導き出したものです。あくまでも現時点の僕自身の個人的な方法論ですし、今後も変化していくと思われますので、その点だけご注意ください。
「もっとこうした方がいいのにー」と感じる方もあるでしょう。そう感じられたら是非教えていただきたいところですが、そこまでしていただかなくとも、
「よし、私も自分の読書法を振り返ってみるか!」
と思ってもらえて、しかも実際に振り返ってもらえたら、それだけでこのエントリーを書いた意味がありますので、満足です。
読了までの3つのステップ
- ひろい読み
- ざっと読み
- とおし読み
「ひろい読み」は、文字通り、目次を眺めて気になる項目をいくつか拾って読む方法です。これに先立ち、「はじめに」と「おわりに」を読んでおき、全体の輪郭を頭の中に思い描きます。
「ざっと読み」は、最初から最後までを高速で目を通していく読み方です。小見出しや太字部分を中心に、ページを繰るスピードは一定にして、強制的に読み終えてしまいます。
その間も、気になったページがあれば角を折り返します(※)。
ここまでで、その本の目鼻立ちがはっきりします。
「とおし読み」は、最後の仕上げで、「ざっと読み」で気になった個所を中心により丁寧に読んでいきます。すでに“コース取り”はできていますから、内容に応じて適切なギアを切り替えながら読んでいきます。
ペンキ塗りの要領で、必要な濃淡をつけながら、本の内容が自分の頭の中に擦り込まれていく感じです。
※ページの折り返しについては、以下の記事で写真つきで解説しています、ご参考まで。
» シゴトハッカーズ:本から必要な情報をくみ出す方法【チュートリアル編】 – ITmedia Biz.ID
最近読んで良かった「無理三条本」ベスト3
はっきり言ってヘビー(438ページ)。とはいえ、中盤以降から終盤まで続く本書の支柱を成すストーリーはなかなか読ませる内容なので(身につまされることが少なからずあった)思ったよりもストレスなく読める。前半の理論部分が読みづらければ先ずこのストーリーから読んで、その上で理論編に戻ってくるといい。著者もこの読み方を薦めているし、自分でもそうした。あとは、末尾に掲載されている469個の質問に答えていくのみ(本当にヘビーなのはこのワークだったりする)。
明快な構造に沿って書かれているため、読みながら迷子になることはないし、意味のあるイラストが適切に配されているため、意外と読みやすい。それでも420ページあるので多くの人は読みたがらない。でも、だからこそ本書を読むことで差別化を図ることができる、ともいえる。
ソニー創業者の一人である盛田昭夫氏の自伝。もちろん、もう1人の創業者である井深大氏も登場するが、あくまでも盛田氏視点で戦中から戦後、そして高度成長期から冷戦後の現代までの起業家人生を追体験できる。
前回の分類でいえば、元祖「起業家」(≠生業家)による「夢起業」ということになる。文庫版ながら533ページの大部であり、歯ごたえの分だけ得るところも多いし、そして思わぬ発見もまた。例えば、現在活躍しているとあるベンチャー企業経営者が書いた本に載っていたエピソードそっくりそのままが載っていたり(コピー元? インスパイア?)。
▼次にすること:
・『フォーカス・リーディング』を読んで、本の読み方を見直すきっかけを得る
▼関連エントリー:
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