たくさんのプロジェクトが並んでいて競合を引き起こしている状態があります。私でいえば、今週中に〆切の書籍原稿を抱えていて、来週早々にセミナーがあり、にもかかわらず取材に対応するために何度も家を出なければならないという状態でしょう。
問題は家の外でも仕事ができるかどうかといったことよりも、その際のおちつかなさにあります。気ぜわしいといいましょうか。並行して走っているプロジェクトにもよりますし、人によって許容できる焦燥感も違うのですが、私などは気の小さい男のため、並行プロジェクトの数を極端に減らしていますが、それでも焦燥感に責め立てられてガンにでもなりそうです。
しかし我が子はまだまだ幼く、妻は働く気が全然ないので、ガンになるのはよくありません。一応先日保険には入っておきました。
マルチプロジェクトを1つのプロジェクトに変える
こういう問題を私は勝手に「マルチプロジェクト問題」と呼び大いに警戒しています。何かを思い出すからです。中学・高校時代の中間期末試験の一夜漬けです。
この図のそれぞれを「数学」「現代文」「英語」「物理」などに置き換えてみれば思い出せるかもしれません。マルチプロジェクト問題なのです。どれかに没頭すれば他の3教科を「犠牲にする」事になる。ではどれを犠牲にするかとなると難しくて選べない。
その結果不思議なことが起こります。どれも選べないから部屋の掃除をはじめたりマンガを読み始めたりするのです。3教科を犠牲にするわけにはいかないので4教科全部を犠牲にしようというわけです。
テストならそれで赤点に耐えればいいわけですが(よくないのですが)仕事でそれをやるわけにはいきません。「不思議なことにTwitterをはじめてしまう」では済まないわけです。
そこでどうするかというと、私はこうしています。
上から下までずらっと繋がっているとイメージして下さい。つまり「一本化」してしまってそれを改めて「プロジェクト」と呼ぶのです。「1日プロジェクト」の中には「やらないといけないプロジェクト」が全てはいっています。このプロジェクトの目標は「1日でこれらを全てにてがける事」です。
それで終わるか、それが大切
残る問題は「手がけるのはいいが、終わるのか?」ということです。まずそれを先に算出したいというのが私の望みです。それを叶えてくれるのが「タスクシュート」というわけです。Taskchuteはイメージとして毎日「1日プロジェクト」を自動生成してくれます。
もちろん喫緊で終わらせたいプロジェクト全部に十分な時間を与えると「終わるのは3日後の夜」などということになりかねません。一夜漬けで全部の勉強を済ませるわけにはいかないわけです。
理想をいえばこういう事態にならないよう、営業日はいつも「1日プロジェクト」の中にプロジェクトを入れていって、どれにも最低5分は手がけるようにしておきたいところです。しかしあとから理想論を唱えるのは、一夜漬けの夜になって「日頃から勉強しておけばこんな事にはならなかった」と呟くようなものですので、もっとマシな対策を検討しましょう。
中学生と違って社会人になるとありがたいのは「交渉できる」事です。なるべく早めに連絡をいれれば、対策を考えてもらえたり、〆切を延ばしてもらえることもあります。
Taskchuteにはそのタイミングも組み込めます。これは心理的に極めて大きな効果をもたらすのですが、人に言ってもたいして感心されません。非常に残念なことです。「言い訳をするというタスク」を自分の中で「いつやるか」を決めるのは、その後タスクに没頭するためにほとんど必須のことと言えます。
TaskchuteのセクションA(朝4時頃)でとりあえず原稿に没頭し、セクションC(9時から10時頃)の状況次第で、とりあえず先方に一言わびを入れることにするという流れを早朝の段階で決定し、それを確実に実行できるという仕組みも作ってしまうことによって、そうしない場合よりも一段と深く集中できるものなのです。
Taskchuteの基本原理はいつも一緒です。
懸案の全てを時間的、精神的に満足させる計画を立ててしまう。それによりひとまず安心できる。だから没頭できる。あとは余計なことを考えず、書いてあるとおりにやりきることだけに集中する。
以上が「1日プロジェクト」であり、毎日これを習慣化すると、1日の最後には大きな報酬がもたらされます。仮に何一つ頭で考えられない状態であったとしても、不安に思う理由はまったくないという報酬です。