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Toodledoの使い方 第20回 「Goal」の使い方

第16回で少しだけ紹介したGoalというあまり知られていない機能について、今回詳しく紹介します。人によってはFolderの代わりになるものです。

Folderでいわゆる「プロジェクト」を管理するのと、Goalで管理するのがどう違うのかというと、

  • Folderでは全ての項目の関係は「並列」である
  • Goalでは項目の関係に「上下」を持ち込める

という違いがあります。

Taskchuteは優れたツールですが、「人生の目標」を管理しようというような場合、直感的には見えにくいところもあります。そもそもそれが管理できるものなのか、という疑問なしとしませんが、今日一日、そして「プロジェクト」を超えた先にあるものや、「自分の人生全体を意識した上で、今これをやっている場合なのだろうか?」という疑問を持つこともあるでしょう。

一つ一つの行動の上位概念にあるものが「プロジェクト」であるなら、プロジェクト同士の「上下関係」を検討し、「最上位に来るプロジェクト」が人生全体に大きな影響を与えているように表現させた方が便利です。図示すると下のようになります。


プレゼンテーション1.jpg

実際、ToodledoのGoalとはこのような考え方になっています。

  • Lifelong(最上位)
  • 長期スパン(第2位)
  • 短期スパン(第3位)

というカテゴライズをプロジェクトに持ち込み、Lifelongに属するプロジェクトのタスクを完了させれば、Lifelongの鎖が1日分、伸びます。

Toodledo _ Goals-2.jpg

Lifelongの場合にはそれだけです。しかし、長期スパンに属するプロジェクトのタスクを完了させれば、その長期スパンに属するプロジェクトの鎖が1日分延びると同時に、関連するLifelongのプロジェクトの鎖も、1日分延びます。

どうやって、あるLifelongのプロジェクトとある長期プロジェクトを関連させるかというと、Contributes toの選択項目から1つ、上位の項目を選べるようになっているわけです。

例えば私は、「メンテナンス」という「Lifelong」のプロジェクト項目があります。「メンテナンス」は私にとって非常に重要な項目で、なるほど人生全体に大きな影響を与えているし、またこれに従事していると非常に落ち着くということが分かってきました。一言で言うと「メンテナンス」が好きなのです。

もちろん私はメンテナンスだけやって生きているわけではなく、食事もすれば、睡眠もします。今あげた項目が私にとって「Lifelong」なのです。これらはたぶん一生つきあっていくし、これらが好きな方が、私の場合には満足のいく人生が送れるでしょう。

そして、「メンテナンス」の下位に、「長期スパンのプロジェクト」として「会計」を作っています。「会計」に関わるタスク(例えばクレジットカードの更新手続き)をやれば、「会計」の鎖が伸びると同時に、「メンテナンス」の鎖も伸びます。

Toodledo _ Goals-1.jpg

あるいは、「執筆」という「Lifelong」の項目があります。これもいまのところ一生つきあいそうなプロジェクトなので、Lifelongにしてあるわけです。「執筆」の下位項目には例えば、「長期スパンのプロジェクト」として「シゴタノ!」があります。

そして、「シゴタノ!」の下位項目の1つとして、この北さんとの連載である「Toodledoの使い方」という「短期スパンのプロジェクト」があります。ですから今やっているように、「Toodledoの使い方」の連載を書けば、「Toodledoの使い方」の鎖が1つ伸び、「シゴタノ!」の鎖も1つ伸び、「執筆」の鎖も1つ伸びるわけです。

Toodledo _ Goals.jpg

現実が見える

この鎖に、それほど多くのことを期待できないと思われるかもしれません。非常に素朴な機能とも言えます。ただ、妥当な下位項目をプロジェクトとしておいた場合、トップであるLifelongにぶら下がるようなアクションはほとんどなくなります。もちろんゼロにはなりませんが。

どういう事かというと、「シゴタノ!」の下に直接「執筆」と置くよりも、「Toodledoの使い方」のようなプロジェクトをおき、そのさらに下に「執筆」と置くようになるはずなのです。実際にとる行動というのは、「人生の企画」のような大プロジェクトに対して、ある意味「間接的」な意味を持つことが多いのです。

そんな「間接的」な行動の結果として、Lifelongではどんな意味の行動を多くとっているかを知るのは、大変興味深いものです。不思議なくらい、特定のプロジェクトの鎖は伸びますし、まったく伸びない項目も現れます。それが、項目の組み方の問題なのか、それとも日々の過ごし方の問題なのかを週に1度、「週次レビュー」などで検証してみると、とても面白いことが見えてくるでしょう。

▼編集後記:
佐々木正悟



「最近おまえは本を書いてないじゃないか」と友人に罵られました。そんなこともないと思うのですが。だいたい本はそうそう間を置かずにポンポン出せないものなのです。もちろんミステリー作家さんなど、どうしてあれほどというくらい奇抜なアイデアをポンポン出されますが、あれは異能というものでしょう。

いいわけがましい後記ですが、当連載に非常に関係ぶかい、Toodledoについて徹底的に解説した『クラウド時代のタスク管理の技術』が東洋経済新報社さんより、11月24日発売予定です。お楽しみに。