1.できなかったときの「言い訳」を用意する(p.45)
2.「1分でやる量」を決める(p.53)
3.やるべきことに迷ったら人に決めてもらう(p.62)
メルマガでも取り上げた『ライフハックス心理学』より締め切りは刻々と迫っているのに、いっこうに「その仕事」に取りかかれない。このようなピンチを切り抜ける方法を3つご紹介します。
1.できなかったときの「言い訳」を用意する(p.45)
・インフルエンザにかかった
・父親が事故にあった
僕も考えてみました
・右手首が腱鞘炎になった
・急に激しい腹痛により半日寝込んだ
「言い訳」を作っておくことによって、本当にインフルエンザにかかったらイヤだな、とか、腱鞘炎になるほど忙し仕事をしていてはまずいぞ、といった発想を引き出すことができます。それがやる気を駆り立てるのです。
さらに、「言い訳」があることによって、
・「到底できっこない!」
・「でもやらなきゃいけない…」
という葛藤のために余計なエネルギーを消費するのを防ぐことができます。
2.「1分でやる量」を決める(p.53)
どんなに大きな仕事であっても、分解していけば1つ1つはすぐにできるような作業です。作業レベルまで分解できれば、実際にどれぐらいの時間がかかるかも見えてくるはずです。
本書では「3時間で1000件の顧客データを処理する」という状況が例として挙げられています。
3時間で1000件ということは、1分あたり6件というスピードを要求されることになります。もしこのスピードが到底不可能ということであれば、時間を延長するか、その仕事を諦めるほかありません。
つまり、「1分でやる量」を求めることで、次の2つが明確になるわけです。
1.やる気にならないのは、そもそもやり遂げることができないから?
2.やり遂げることはできるが、疲れすぎているから?
1であれば、冷静な対処を、2であれば、とりあえず寝る、というシンプルかつ効果的な対処を、それぞれ引き出すことができるわけです。
3.やるべきことに迷ったら人に決めてもらう(p.62)
先に「葛藤のために余計なエネルギーを消費する」と書きましたが、なかなか仕事に取りかかれないうえに、さっぱり仕事が進んでいないにもかかわらず、疲れだけはきちんと感じられているとしたら、「選択麻痺」という症状に陥っているかもしれません。
「選択麻痺」とは、次のようなものです。
・今この仕事をするべきか? あとでこの仕事を中断させるような仕事を上司にやらされるのではないか?
・時間があるときにすべき仕事かどうか? もっと別の仕事を優先した方が後悔せずに済むのでは?
・そもそも仕事をすべきか? たまには長く休憩して英気を養った方が、長い目で見て効率がいいのでは?
こういったことで悩み始めると、キリがありません。
「選択麻痺」の正体を本書では「完璧主義」だとしています。
完璧な選択を取りたいから、最善の選択に固執し、何も選ぶことができなくなるのです。最善の選択でなければ、後悔しそうで怖いわけです。
これに対する打開策として「決断を人に決めてもらう」という方法が挙げられています。
そばに人がいなければ、サイコロを振って決めるのでもいいでしょう。
考える時間があったら、早く取りかかってしまうことです。
ぐずぐずしているうちにタイミングを逃せば、さらにやっかいなことになるのは間違いないでしょう。
まとめ
すべてのビジネスパーソンが、この問題から解放されたら、それだけで計り知れない経済効果が得られるのではないか、と妄想しています。
▼次にすること:
・今かかえている「苦手な仕事」に、3つの方法のどれかを使って取りかかる
▼関連:
・続く習慣は初速で決まる
・『ライフハックス心理学』 – シゴタノ!ショートレビュー
・「漂流」の流れ着く先に
・やるべきことをやるための7つのステップ
・取りかかれない仕事対策1〜何となく気が進まない場合
・取りかかれない仕事対策2〜困難を前にひるんでしまう場合
・取りかかれない仕事対策3〜ついつい先送りしてしまう場合
・取りかかれない仕事対策4〜「時間はまだある」と油断してしまう場合