セミナーなどでよくいただく質問です。
「そのうちやろう」と思っているプロジェクトをうまく進めるにはどうすればいいか。
まず考え方として2つ。
- 「週次レビュー」(一週間の振り返り)の際にチェックする
- 任意のタイミングでチェックする
週次レビューの際にチェックするのは、漏れがないという意味では安心ですが、逆に言えば最長一週間は放置してしまうことになるため注意が必要です。
一方、後者の「任意のタイミングで」というのは何か問題があれば早期発見ができる、あるいは早めに着手しておくことで、その後の展開が有利になる、といったメリットが得られる反面、「具体的にいつやったらいいのか?」という不確実さが残ります。
つまり、再現性が低くなるのです。
仕事が忙しくなければ、それこそ「今のうちにできることだけやっておこう」という前倒しの対応ができますが、忙しいときには、そんなことは言っていられないでしょう。
従って、「そのうちやろう」というプロジェクトについては、そもそも最長一週間放置しても大丈夫なのかどうかを確認することが先決となります。
そこで次のような方針を決めておくとよいでしょう。
あるプロジェクトが発生したものの、さほど緊急度は高くなく「そのうちやろう」というレベルにとどめられると判断したのなら、その時点でそのプロジェクトについて一週間以内に手を付けるべきことはないかをチェックします。もしあれば、それだけはやってしまうのです。
多くの場合、それは「期日と開始日を決める」になります。
するとそのプロジェクトの次のタスクは「タスクに分解する」になります。
例えば、僕自身は最近こんなことがありました。
仕事仲間と雑談をしている際に、「今度一緒に○○をテーマとしたセミナーをいませんか?」という提案を受けました。「今度」と言っているくらいですから、緊急度は高くありません。
でも、それを「あー、いいですね、やりましょう!」と盛り上がっただけで終わったら、おそらくこのセミナーは一生行われることはないでしょう。
そこで、僕がやったことは「いつにしますか?」とその場で具体的な日付を決めてしまいました。
それさえ決まってしまえば、あとはほぼ自動的に決まります。「その日にセミナーをやるということは、タスクの分解は少なくともこの日までにはやっておかないといけないから…」といった具合にです。
「そのうちやろう」というプロジェクトは、「そのうち」であるだけに、期日を決めずに放っておいてしまいがちです。ですので、まずは期日を決めることです。そうすることで、おのずと開始日も決まります。
その時点で他にするべきことがなければ、そこで安心して「そのうちやろう」というプロジェクトにできます。逆に、するべきことがあれば、もはやそれは「そのうちやろう」ではなくなりますね。
今週書いたエントリー
- 日刊シ!078:1枚の紙に21の可能性を書き出してみる: 米国特許商標庁の長官だったチャールズ・H・デュエルは、1899年の時点で「発明できるものはすべて発明されてしまった」と語っている。1943年には、IBM会長のトム… http://bit.ly/g7gxCN
- “ただ単にすべてのタスクや気になっていることに一通り目を通すだけではレビューしたことにはならない” / 095:レビューのゴールとは? http://bit.ly/gLkJYi
- 日刊シ!079:望んでいることを紙に書き出して1日2回音読する: 人の脳は、ありありと想像したことと、現実に経験したことを区別できない。だからこそ、視覚化は強力な手段であり、“考えて富を築く”行程の重要なステップの1つな… http://bit.ly/hdKFKr
- 日刊シ!080:ハンディキャップをテコにする: 米国のテレビ司会者で資産家でもあるオプラ・ウィンフリーは、生まれた境遇から推測されるような不幸な人生を受け入れなかった。 1954年、ウィンフリーは10代の未婚カップルの子… http://bit.ly/gGgldk
- 日刊シ!081:「できない」という仮説を疑う: 次の3つの文章を完成させよう。 私は富豪になれない。なぜなら……私は愛を見つけられない。なぜなら……私の夢を達成するのは不可能だ。なぜなら…… 自分の限界をつくっている“無… http://bit.ly/e9WFfJ
- 日刊シ!082:いま自分が何を探しているかを明確にする: 自己暗示によって何を選ぶかに意識的に影響を与えることができれば、よりよい現実もつくり得る、とヒルは信じていた。これは、最新の科学でも支持されている考え方だ。 ヒル… http://bit.ly/guK5DI
- 日刊シ!083:自分にできることをそれぞれ持ち寄る: ウェルチは会長・CEOとして君臨した20年間にGEの時価総額を4000億ドル以上も増やした。それを可能にしたのが容赦ない効率の追求であり、おかげでウェルチは“ニュート… http://bit.ly/i8wcCD
- 日刊シ!084:最近、自分が立てた計画を振り返ってみる: 最近、自分が立てた計画を振り返ってみよう。果たしてきちんとした計画だったのか、それともちょっとした思いつきだったのか? 「会社の売上を伸ばす」とか「家… http://bit.ly/fCKqRd
今週のおすすめツイート
予想以上の使い心地! http://www.flickr.com/photos/oha/5473313771/
今週やめること/始めること
日刊シ!より。
これから何かを新しく始めようと思ったら、必ず今やっている何かをやめる必要があります。時間は有限だからです。「始める」時は「やめる」とセットで考えましょう。
- やめる:常識に忠実であり続ける
- 始める:1枚の紙に21の可能性を書き出してみる
- やめる:大事なことは分かりきっていると思い込む
- 始める:望んでいることを紙に書き出して1日2回音読する
- やめる:ハンディキャップに打ちひしがれる
- 始める:ハンディキャップをテコにする
- やめる:「できない」という定説に従う
- 始める:「できない」という仮説を疑う
- やめる:人が探しているものを探す
- 始める:いま何を探しているかを明確にする
- やめる:自分一人ですべてをやる
- 始める:自分にできることをそれぞれ持ち寄る
- やめる:次々と計画を立てていく
- 始める:最近、自分が立てた計画を振り返る
▼参考文献:
今週のアプリ
iPhone3G → iPhone3GS → iPhone4、と進化するたびに動作スピードもどんどんアップしているiPhoneですが、時々「おい、どうした?」と思わず問いかけたくなるくらいに動きがもっさりとしてしまうことがあります。
そんなときに重宝するのが、System Activity Monitor。
以下のように、起動するだけでメモリを解放してくれます。
▼ほぼ目一杯メモリが使われている(円グラフの赤い部分)
▼アプリ起動後に、メモリが解放されている(グリーンの部分が増えている)
「もっさりしてきたなー」と感じたら、すかさず「System Activity Monitor」を起動。これだけでメモリの解放まで自動的にやってくれます。
あとは、「起動中のアプリをすべて終了させる」も併用するとなお良いでしょう。
iPhone、iPod touch および iPad 互換 iOS 3.0 以降が必要
カテゴリ: ユーティリティ 価格: ¥350
更新: 2011/02/16
今週のランキング
2011/02/25(金)更新
先週に引き続き首位を死守! Evernoteはじめ各種アプリの設定方法や活用方法が細かく説明されているので、読む本というより使う本。
「GTDって何?」と聞かれたらこの一冊。
「人々は、したくもない仕事をし、同時にそれを失うことを恐れているんだ」 → そこから抜け出すためには?
わかりやすさと実践しやすさがウリ。掻き立てられる一冊!
5.パフォーマンス・マネジメント―問題解決のための行動分析学
やるべきことを習慣化するための実践的方法論。
6.[書類・手帳・ノート・ノマド]の文具術 楽しんで仕事の効率をあげる!
紹介されている文具そのものの魅力もさることながら、ありふれた文具の意外な使われ方も必見!
ツールを限定しない、すぐに導入できて、長く使える体系だった仕事術!
iPadをいまいち使いこなせてないな、という方には必読の一冊。
TaskChuteと組み合わせて使っている人が増えています☆
10.iPhone×iPad クリエイティブ仕事術 本当に知りたかった厳選アプリ&クラウド連携テクニック
ZONOさんが愛してやまないアプリだけを厳選し、ブログと同じかそれ以上の熱量でレビュー。Nozbeをこれほどきちんと(そして熱く)解説している本を知らない。
今年で独立して11年目に入りました。
10年間はいろいろなことがありましたが、その間に起きたことを割とまとまった時間お話させていただき、記事にしていただきました。
●最初の起業が行き詰まるまで
・ロングインタビュー(1 of 4)
●寝ていても不安でハッと目が覚めてしまい、どうしていいのかわからない…
・ロングインタビュー(2 of 4)
●せっかく独立したのに、これって何かおかしいなと思って…
・ロングインタビュー(3 of 4)
●「やりたいこと」と「できること」のジレンマをどう乗り越えていけばいいか?
・ロングインタビュー(4 of 4)
すっかり忘れていたことでも、質問されると芋づる式に思い出すものです。これも一つのライフログですね。