iPhone/iPadアプリ紹介サイトはたくさんありますが、とりわけ僕の志向と目的にベストマッチしているのが、@ZONOさんこと倉園佳三さんの運営するZONOSTYLE。
便利そうなビジネスアプリが出れば、片っ端からからダウンロードし、使い込み、濃厚なレビュー記事を発表し続けています。
アプリジャンキーと見せて、その行間からはデジタルライフに対する揺るぎない信念と哲学が感じられます。世紀の変わり目を「インターネットマガジン」の編集長(3代目)として過ごされているだけあります。
そんなZONOさんが、これまでに使ってきた星の数ほどあろうというiPhone/iPadアプリから本当に使える、ご自身が愛してやまないアプリだけを厳選し、ブログと同じかそれ以上の熱量でレビューしているのが今回ご紹介する一冊。
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アプリの紹介というより、アプリを活かした仕事のやり方の紹介
たくさんのアプリが紹介されていますが、いちばん最初に紹介されているのがGTDです。
もちろん、GTDというiPhone/iPadアプリはありません。ZONOさんが実際にGTDの考え方に沿って仕事を進めるやり方が紹介されているのです。
そして、そのやり方をよりスピーディーかつスマートに進めるために必要なアプリとして、Nozbeが取り上げられています。
以降も同様で、まず仕事にフォーカスを当てて、そのうえでそれに役立つアプリを紹介する、という流れを徹底しています。
つまり、本書はアプリの解説書というより、アプリを活かした仕事のやり方の解説書、なのです。
で、最初に取り上げられていたNozbe(ノズビー)ですが、このアプリは僕自身も普段から愛用しているもので、いつかシゴタノ!でもその使い方を詳しく紹介しようと思っていました。
でも、ZONOさんの解説を読んで、その必要がなくなりました。
僕自身もかなりマニアックに使いこなしているという自負がありましたが、ZONOさんはそれを軽く上回る深さ・緻密さ・大胆さでNozbeを飼い慣らしていることを見せつけられたからです。
ZONOさんがGTDに出会ってからNozbeを使ってこれを実践するまでにいたる一部始終。Nozbeの初期設定から始まって、実際の仕事の中でどのように使っていけばいいのかが画面キャプチャ入りでわかりやすく書かれています。
一読するだけでGTDがどういうもので、どのように実践すれば仕事の役に立つのか、さらにはストレスフリーなれるのかがスーッと頭の中に入ってきます。
正直、この部分の解説(33ページ分)だけでモトが取れたと感じたくらい、濃い、です。
Nozbe単体の使い方はもちろん、iPhoneやiPad、EvernoteやGoogleカレンダーと連携させて使う方法も含め、およそNozbeを仕事に使ううえで必要な知識はほぼすべて網羅されています。普段からNozbeを使っている僕にとっても新たな発見もたくさんありました。
以下は、この部分のトピックリストです。
- 実現の可能性が増えるToDo管理
- ZONO流GTDの最強ツール「Nozbe」
- クラウドサービス「Nozbe」にアカウントを作成する
- Nozbeを使ったZONO流GTDのフロー
- 頭の中のモヤモヤを全部Inboxに叩き込む
- 理想的なゴールを書いたプロジェクトを作る
- 期日、状況、場所、担当者をイメージする
- 思いを込めて「やるぞ!」マークを付ける
- 毎日1回、週に一度のレビューはiPadで!
- 文書と資料はiPadとEvernoteで管理する
- Evernoteの資料や文書をNozbeに紐付ける
- さらなるリマインダーとしてカレンダーと連携させる
- NozbeのカレンダーをGoogleカレンダーと同期させよう!
最後に、ZONOさんのコメントをご紹介。
私にとってのToDoはそれまで「I have to do.」でした。「しなければならないリスト」。そんなものをわざわざiPhoneに入れて持ち歩きたくありません。iPhoneよ、おまえはいったい何様だと。
「Getting Things Done」の頭文字をとって「GTD」と呼ばれる手法を知ってからは、ToDoが「I’ll be able to do」、すなわち「やっちゃえること」に変わりました。「うわぁ、すっごく楽しいじゃない」。これがいまの気分です。
» Nozbe(Webサービス)
» Nozbe Todo for iPad(iPadアプリ)
» Nozbe Todo(iPhoneアプリ)
時間を大事にしたいなら・・・
ネットを検索すれば、おびただしい数のアプリレビュー記事が見つかります。何か新しいアプリを見つければ、その使い勝手を調べるためにあまたあるブログ記事を片っ端から読み込む、という人も少なくないでしょう。
ただ、残念ながら新旧・玉石の混交する無数のブログ記事群からは、自分の求めるレベルの情報はなかなか得られないものです。タブブラウザをタブでいっぱいにし、何時間もリサーチした挙句、結局は「よく分からないからダウンロードするのはやめておこう」となったりします。
ブログ記事は無料で読めますが、情報が整理されていないために必要な情報を選り分け、精査し、採取するのに手間がかかります。この手間を自分の時給をベースに金額換算すると、たいへんな額になるのではないでしょうか。
たとえば、月給30万円の人なら時給は約1700円(月間180時間労働)ですから、無料の記事とはいえリサーチに2時間を使えば3400円。2時間かけて1つのアプリの情報しか得られないとしたら、とても高い出費になってしまいます。
同じ3400円をかけるなら、今回ご紹介している『iPhone×iPad クリエイティブ仕事術』を読む方がはるかに投資効率が高くなります。買うのに1700円+読むのに1700円(1時間)かければ、なんと72個ものアプリの使い方が習得できるからです。しかも『iPhone×iPad クリエイティブ仕事術』は1680円なので20円お釣りが来ます(笑)。
結果、アプリ1個あたり50円弱で済みます。
ネットで探していたら1個あたり3400円。「リサーチに2時間なんてかからないよ、15分あれば十分だよ」という人でも425円かかります。50円で済ませようとしたら2分以内に納得のいくレベルの情報の選別・精査・採取を終える必要があります。
・・・まぁ、以上は極端に単純化した話ではありますが、本書を読むことで時間効率を上げられることは間違いありません。何よりも、著者が投じているおびただしい時間とお金(アプリ購入代金)を考えると、そのおいしいところをたったの3400円で手に入れられるのは破格といえるでしょう。
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合わせて読みたい:
GTDについて理解を深めたいなら、迷わずこの一冊。一度読んだことがある、という方でも、Nozbeをうまく使うために改めて読んでみると、新しい発見がありますよ。
二見書房
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内容・構成ともに至ってシステマティックな名著
GTDを始める人
良くも悪くも教科書的
整理術というより仕事術かな
最初の一冊
正直、本書の魅力をすべて書き尽くせた気がしないのですが、著者も以下のように書いているとおり、アプリ個別の使い方以上に、自分にとって大事なことを見極めるというあり方を読み取ってもらえたらと切に願っています(著者でもないのに…)。
企業や広告代理店が大枚をはたいて作ったウェブサイトに、熱い思いをもって書き綴る個人のブログが勝ってしまう。すごく正直でいい時代になったと私は思いますね。
本書で言い続けてきた「クリエイティブな仕事」の本質がここにあるんです。自分のまわりにあるさまざまな情報をデジタル化して、iPhoneやiPadを駆使してそれらを管理し、大事な部分に熱を浴びせまくる。
たぶん、仕事が楽になることはないでしょうね(笑)。むしろ熱が高いぶんだけハッピーなんじゃないかと。そんな世界を目指しながら、私はこれからもクリエイティブ仕事術を極めていきたいと思っています。
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