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「気の進むタスク」と「気後れするタスク」

By: Christopher MichelCC BY 2.0


一日の始めにその日のタスクリストを眺めて、締め切りや外出予定などを考慮に入れながら並び替える、という作業が日課になっています。

タスクには大きく分けて以下の2つがありますが、

  • 取りかかれば想定時間内にほぼ確実に終わるタスク
  • 取りかかっても想定時間内に終わらないかもしれないタスク

言うまでもなく、後者のタスクが問題になります。

ほどよいアップダウンを作る

それぞれを言い換えると、

  • 気の進むタスク
  • 気後れするタスク

ということになります。

その日のタスクを完遂する上では、「気後れするタスク」にいかにうまく取りかかり、そして終わらせるかがポイントになります。

「気後れするタスク」は、後回しにすればするほど苦しくなりますが、かと言って先に手をつけようとしても、

  • 「これに手をつけたばかりに、貴重な時間が使われてしまうのも困る」

というジレンマに陥るため、厄介です。

僕自身は「気後れするタスク」については、小分けにして「気の進むタスク」の間に挟むようにしています。こうすることで、「気後れするタスク」が時間を消費するたびに「気の進むタスク」で“火消し”をする、という“山”と“谷”を作ることができます。つまり、なるべくタスクの高低差をならすようにするわけです。

例えば、以下のようなタスクリストがあった時、最初の「メールチェック」というタスクを終えてしまうと、次に控えている「打ち合わせ資料作成」というタスクは手強い(=負荷が高い)ため、なかなか手をつけられないかもしれません。「メールチェック」をえんえんと続けることで敬遠するという「逃げ」もあるでしょう。

 

タスクの負荷の“山谷”が切り立っていると、文字通り足がすくんでしまうわけです。

そこで、次のように“山”を切り崩して、なだらかにしてみます。

 

「打ち合わせ資料作成」というタスクが5つのタスクに分割されました。これで、分割した1つ1つのタスクは「メールチェック」と同じくらいの“軽さ”になりましたから、手をつけるのが楽になります。さらに「メール返信」を間に挟み込んでいますので、途中で「寝かす」時間を兼ねた気分転換もできます。

ポイントは高低差をならしすぎないこと。平坦にしてしまうと、刺激が少なくなって単調になるため、今度は“飽き”と闘わなければならなくなるからです。

上記の図では「参考資料を集める」というタスクは非常に負荷が軽いですが、その後の「参考資料の読み込み」はやや負荷が上がります。最後の「打ち合わせ資料の推敲」で再び軽くなっています。この程度のアップダウンであれば、むしろほど良い刺激になるはずです。

自分なりの「勝ちパターン」を見つける

また、仕事をしていて、気分が良く感じられるのは、1つの仕事が想定時間内に(さらには想定時間よりも短い時間で)終えられた時でしょう。この“快感”を得るためには、

  • 「これなら確実に終えられる!」

という手応えをもって始められる仕事が一定数用意されていることが望ましいと言えます。

ゲームで言えば、手強い敵の次には、簡単にやっつけることができるザコキャラを相手にするようなもので、その間に体力の回復を図ることができるからです。

さらに言えば、簡単にやっつけられる割に経験値が多く得られるような敵(ドラクエで言えば「はぐれメタル」など)であれば、気分も良くなります。手強い敵や、味方を即死させるような呪文を放ってくる敵とはあまり頻繁には闘いたくないものです。

前者は「短い時間の割に達成感の高い仕事」(おいしい仕事)、後者は「時間がかかった割にはさほどインパクトの得られない仕事」(徒労感の高い仕事)ということになります。

ゲームと違い、仕事の場合は“敵”の出現パターンをこちらですべてコントロールすることができます。「はぐれメタル」ばかりを連続して倒し続けることもできますし(その結果、終盤はひたすら強敵ばかりを相手にしないといけない状況に追い込まれることもありますが)、硬軟バランス良く配置することで、一日をなだらかに過ごすこともできます。

このパターンをどのようにデザインするかは、個々人によって様々なバリエーションが考えられますし、同じ人でも、時間帯や日によって変化することもあるでしょう。

重要なことは、パターンの組み方次第で、すべてのタスクを完了させることができることもあれば、一部を翌日以降に先送りせざるを得なくなってしまうこともある、ということです。

「気の進むタスク」と「気後れするタスク」の配置バリエーションをいろいろと試しながら、最良なパターンを見つけ出すことで、それが文字通り「勝ちパターン」になるはずです。

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